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<112> ラヴェンダーに関する記事

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フレングランスジャーナル社のアロマトピアに記事を書きました。年に何回も書かせていただき、毎号の英文目次の翻訳も何年もさせていただいています。今回は「ラヴェンダーの成分と作用について」でしたが、基本中の基本の題目でどのように興味深い記事を書くかしばらく悩みました。ふっと思いついたのが過去の文献ではラヴェンダーはどのように効果を認められていたかを調べてみよう!と思い「サレルノ養生訓」からシュタイナーまで家にある本やPubmed、アメリカ国立保管統合衛生センターまで数日じっくりと調べました。私たちアロマテラピストたちには当たり前のラヴェンダーの作用を様々な時代の様々な角度から書かれた文献を読むことにより、新たな発見がたくさんありました。


実際の記事にはラヴェンダー4種(真正ラヴェンダー、ラヴァンジン、スパイクラヴェンダー、ストエカスラヴェンダー)の成分と主成分の作用を示したり、順序立てましたが、ここでは過去の文献の抜粋した部分を紹介します。例えばイスファハンにいたイブン·スィーナがラヴェンダーのことを書くのは腑に落ちない感じでしたが、実際ユナニ医学はギリシャから来た医学なのですからラヴェンダーが入っているのは自然なことなんですね。それとルネ·モーリス·ガットフォセはテルペンレス精油を使用することを勧めていました。見解がそれぞれで引き込まれます。


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<著名な文献に記述のあるラヴェンダーの作用>


  • ディオスコリデス: ラヴェンダーは薬用植物であり、浸出液は消化不良、頭痛、悲しみと胸部疾患に良い

  • 大プリニウス: 月経障害、胃のもたれ、腎臓障害、黄疸、めまい、虫刺され

  • イブン·スィーナ:著書 Al Qanun fi’t Al-Tibb(医学典範)にはラヴェンダーは温める効果があり、鬱滞を軽減し動かす働きがある。冷の体液(粘液、黒胆汁)に良く、ストエカスラヴェンダーを局部的な鎮痛作用と抗炎症作用があるとし、偏頭痛、腫瘍、無嗅覚症のために使用を勧めた
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  • ヒルデガルド·フォン·ビンゲン: ラヴェンダーは純粋な知識と魂を与えてくれる。ラヴェンダーの花を入れたワインを飲むと肝臓と肺の障害に効果がある

  • ニコラス·カルベパー: (Lavandula spicaについて)水星の支配のもとにあるハーブ。特に頭部に効果を発揮し寒さによる痛みに良い。水腫、麻痺、痙攣、腹痛、ひきつけ、気絶、女性特有の障害、循環が悪く停滞した不活発な状態を助ける。胃を強化し、肝臓や脾臓の障害による苦しみから解放する。ワインにラヴェンダーの花を浸出したものを飲むと胃腸の問題に良い。精油については強力なので注意深く使用し、数滴で外側、内側の病に十分であるとし、ハイドロレートについては声枯れ、震え、気絶、恋の病に良いとしている

  • ルドルフ·シュタイナー: 魂のネガティブな状態のためによい。それはアストラルボディが肉体を強く支配しすぎている時であり、痙攣や緊張、麻痺、神経疲労が起こる。シュタイナーの言うアストラルボディは自律神経系と実質上同じであり無意識的な経験からくるものである
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  • ルネ·モーリス·ガットフォセ: テルペンレス·ラヴェンダー精油を使用することを推奨している。1910年に起こった実験室での火傷について著書に書かれており、1回だけ精油で洗浄しただけでガス壊疽を食い止め、治癒に向かわせたとしている。他に数名の医師の所見によると感染した傷、潰瘍生発疹、蜂窩織炎、事故による傷の洗浄、打撲、静脈瘤など数々の症状を治療した例があげられている

  • ジャン·バルネ博士: 鎮静作用や鎮痙作用について、量が多いと興奮剤となるとの注意書きがある。体表と体内の消毒作用、殺菌作用、利尿作用、強壮作用、瘢痕形成作用、通経作用など。あらゆる創傷に対する効果を紹介し、火傷や酒皶(クーペローズ)、抑うつ、頭痛、感染症、円形脱毛症などに勧めている。使用法は内用と外用両方扱っている。スパイクラヴェンダーについては興奮を鎮め、殺虫剤としても使用。ラヴェンダーのハイドロレートは眼瞼炎のために使用された

  • カート·シュナウベルト博士: ラヴェンダーの各成分が独自の多面的作用の幅を持っている。リナロールはラヴェンダーの主成分で、HMG CoA還元酵素を抑え(抗腫瘍作用、抗真菌作用)、けいれんを軽減し(抗てんかん作用)自律神経系の活動を調整するなどの効果を同時に示す。リナロールはその上、もう1つの主要成分である酢酸リナリルの多様な生理作用と共に層を成して作用する。さらに多様なモノテルペン炭化水素の効果もある。例えばミルセンは活性基捕捉剤として働き、肝臓解毒酵素を誘引する。ラヴェンダー精油に含まれる1200以上の成分が確認できているので、このリストは際限なく続けることができるだろう。これらのすべての成分の生理作用がたくさんの層を成しており、独自の性質を創り上げていることが直観的に理解できるだろう。精油が我々の身体と相互作用しているとき、莫大な数のプロセスが起こっている。これを最も良く理解するためには、生命体という観点で考えると良い。それは科学的プロセスと実際の日常生活での経験を一線上に結ぶものである。その例としては、反対意見をはさむことのできないラヴェンダーの火傷を治癒させる特性である。化学成分からはラヴェンダー精油の火傷への優れた作用は解明できない・・・「プラント・ラングエージ」より


このようにたくさんの作用への見解が集まりました。植物とどのようなスタンスで関わっていくか、どのような世界観を持っているのかなどで様々な意見があり、ラヴェンダーと言っても奥深い・・・・自分はひととおり知っているんだなんて思ったら大間違いですね〜

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by lsajapan | 2018-04-12 18:06 | 精油について