<8> 京都にて

先月京都に行きました。友人であるお坊さんを訪ねて坐禅をするのと鞍馬山に行くのが目的です。メンバーはセミナーが終わったばかりのマーティン・スタブス先生と私、主人、そして夏休みで帰国している息子の4人です。車で行くことにして交代で運転をして5時間半ほどで京都に到着。

まずは三十三間堂を訪ね、息子は大好きな風神、雷神にうっとりと見とれ、日本の仏教美術の授業を大学で今期は取ったのでガイド役も多少こなし「解剖学的に正しくない彫刻も多いんだよ。この筋肉は実際には存在しないし、腹筋がこんなに何カ所も盛り上がることはないでしょ?」といろいろと教えてくれます。「イタリアのダビデ像などは解剖学的にかなり正確なんだけれど、日本の仏教美術はそうではない。力強く見せるためなどの目的もあると思うけれど」そう言う眼で見ると本当に違うところが眼につき始めます。「でも神様仏様が人間と同じ身体の構造である必要がないじゃない」なんてきり返しつつ、マーティン先生に目を向けると中央にある大きな千手観音の前で感無量の様子。「本当にここに連れて来てくれてありがとう」と心の底から言われてました。

次の日の朝、惺山和尚を訪ね禅寺へ。彼のお寺は一般公開していないので、とても静かで現実離れした空間です。お庭は常に手入れを欠かさないので、いつも芸術的な風景です。一番最初にお会いしたときも彼は庭掃除をしていました。去年の9月、東京で会ったのが最後だったので話に花が咲きます。

3年前に主人が怪我をして入院した時に、あまりの苦痛で病院から「ヒーリングエネルギーを送って下さいますか?」とその半年ほど前に知り合った惺山和尚にメールを書くと「私は毎朝6時からお経をあげます。その時に毎日ヒーリングエネルギーを送りますから、あなたも毎朝6時に瞑想してそのエネルギーを受け取って下さい」との答えが帰って来て、それから毎日2人のテレパシー通信が始まります。主人は瞑想の間に惺山和尚とたくさんのことをしたそうです。あるときは空を飛び、あるときは吊り橋を渡り、あるときは一緒にゴルフをしたり・・・・・そして2ヶ月に渡る入院が終わり、退院して家に着いたらすぐ電話が鳴りました。それは退院の日を全く知らなかった惺山和尚からだったのです。「それからどうなったかな〜と思って」と言われるのですが、やはりテレパシーなんだと私たちは信じてます。

今回は坐禅を組むのが目的なので、まず座り方から教わります。「丹田を意識して座ってみてください。丹田を感じて収まりのいいところを探してみるのが大事です」彼自身、歩きながらも丹田の位置を意識し、丹田を強化する運動をよくするそうです。丹田はおへその少し下に位置するポイントですが、惺山和尚が感じているのは球の形で、それがくるくるとその位置で回りバランスを取るイメージだそうです。お坊さんたちの間では戦前からの方法で特別な丹田強化法などもあるそうです。彼は剣道をしていたので体格がよく、お経を唱える時の発声法を聞いていると心身の鍛錬に余念がなく気力やバイタルエネジーの充実、しっかりとした心構えの上に成り立っているのを感じます。

修行中は1週間座り通しのこともあったそうです。かなり続けて座っていると幻想や幻覚を見ることもあるそうですが、座禅を続けると、あるときスーッと視界が開けてもやが晴れるようになり、無の境地が訪れるわけです。この状態が目標で、いろいろ浮かんで来ているときはまだ夢うつつの状態で警策(臨済宗では“けいさく”と読みます)で叩かれる可能性が・・・・

それでは惺山和尚はどのように坐禅を組んでいるかと言うと、彼は眼を開けたまましっかりと1点を見つめる様子で行います。日本とイギリスの研究者がやって来て、頭に電極を50箇所ほど付けられて坐禅の最中の脳波の様子を計測したそうですが、開眼時でシータ波(入眠時の脳波)が現れ、それはものすごく珍しいことで大変驚かれたそうです。1回の呼吸も50秒くらいでするそうです。

私たちも瞑想をしますが、プロはこのようにするのかと関心してしまいました。そのあと精進料理をごちそうになったのですが、後でそのときの写真を見てみるとなんと惺山和尚はフルロータスで座り、食事をしています。日常のすべてが意識的で“心構え”がしっかりしているのがわかります。私も見習わなくては。

今年はかなりお忙しく、パリのカテドラルでパーカッショニストと共にお経を使ったコンサートを秋にするそうで、LSAでのセミナー(説法?)は来年には実現するといいなと思っています。


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# by lsajapan | 2009-07-02 10:08 | インスピレーション

<7> エジプト大使館でのセミナー

6月8日月曜日、満月の夜6時からエジプト大使館でセミナーをしました。この企画は“アイシス・ラテール”というオーガニックの化粧品からライフスタイルまでを提唱するウェブマガジンが、今回「オーガニックコスメ厳選303」という単行本を発刊し、その記念イベントとしての一部でした。80名ほどの招待客(オーガニック化粧品を扱っている企業の方たちが主でした)とアブデルナーセル・エジプト大使も出席され、私のセミナーは「オーガニック・コスメテックスの発祥の地—古代エジプト」という題目で古代エジプトでの香粧品についてお話しさせていただきました。アロマテラピストとして多少リサーチをしたことはありますが、主題として話すのは(それもエジプト大使館で!)やはり少し調べものをしようと思い、自分の書庫を見ていたら5〜6冊の関連書が出て来ました。古代エジプトの歴史や世界の香料、樹脂についての本など、再びじっくり読んで学ぶことができました。

文明が高度に発達した時代であるのは有名ですが、特に新王国時代の第18王朝ハトシェプスト女王の統治時代の平和貿易などは香料の輸入の発展とその使用に大きく寄与したようです。フランキンセンスやミルラを輸入して香料や化粧品に使用し、その頃のナイル川はシダーとミルラの香りがしたそうです。キフィは有名なブレンドですが、最初は宗教上の使用、次には家で虫除けやネズミ除け、そしてよく眠るために使用したというのですから香りの心理的効用を知っていたわけです。本当にアロマテラピーの原点ですね。

メイクアップについても面白い事実をたくさん見つけました。あのエジプト特有のアイメイクは強い太陽を避けるため、虫除け、感染予防の他、邪眼よけのためでもあったそうです。コフ(コール)という樹脂を燃やして集めたすすにさらに樹脂をまぜたものや、マラカイトやラピスラズリを粉にしたものを使いました。クリスタルセラピーでもこの2つの石は強力な力を持っているので、眼のまわりに付けたらどのくらいの眼力が出るかしら・・・・なんて考えます。セミナーの後のパーティーではエジプトの女性の学者さんに話しかけていただき、彼女のおばあさんが香料を扱っていたそうで、アロマテラピーとはどんなことをやるのかと事細かに質問されました。また、インドの化学者もいらして「インドのアイメイクも日よけと邪眼よけです」と教えてくれました。魅力的に見せるだけでなく、いろいろな役目があるんですね。

私自身よく古代エジプトが前世と言われるのですが、3000年もの長い歴史のある古代エジプトには、きっと皆一度は生きたことがあるのでは?なんて思ったりもします。今回のリサーチで多くのレシピを発掘(?)したので、それをエッセンシャルオイルで再現して「キフィ」と「クレオパトラ」の香油をつくり、皆が楽しんでもらうように回してみました。大使たちはきっと敬遠されるのではと思っていたところ、私の目の前でドロッパーを取り外して豪快に手に塗られていました。とてもオープンで笑顔の素敵な優しい大使でした。ご挨拶した際に「素晴らしいセミナーをありがとう。たくさんのことを学びました」と言っていただけました。

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          アブデルナーセル・エジプト大使と共に
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# by lsajapan | 2009-06-10 10:07 | セミナー

<6> NLP(神経言語プログラミング)

イギリスからマーティン・スタブス先生が来日され、ゴールデンウィークは連日セミナーでした。たくさんの生徒たちが熱心に勉強し、セラピーに利用するだけでなく個人的成長にも有意義なことをたくさん学ぶことができました。7日間の日程で多様なセミナーをしましたが、とても人気があり和気あいあいと楽しく、たくさんディスカッションをしたり笑ったりしながら授業を進めました。“五行説とアロマテラピー”は中国の数の意味から始まり、5つのエレメントである火、水、木、金、土の性質の理解や道教哲学、私たちの持っているいろいろなエネルギーについて伝統的な中国の見解を学びました。このような見解で人間やエッセンシャルオイルを見てみると、今までとは違った理解ができ、ブレンドやトリートメント法も変わって来ます。先天の気や後天の気についても考えさせられることがよくあり、どのような状態だとより先天の気が充実しているか、後天の気を充実させて行くためにはどうしたらいいかなどを再確認しました。

他にクラニオセイクラルや自己啓発セミナーをいくつかしましたが、日程の最後の2日間で行ったNLP(神経言語プログラミング)の2日間セミナーは大変興味深いものでした。たくさんの専門用語があり、テキストの翻訳にも手間取りましたが、セミナーの用意を夜な夜なしているうちに自分が大学で学んだ心理学の懐かしい用語がちりばめられているのが解り、すっかり嬉しくなりました。特に学んでいて理解するのが難しかったCognitive Psychology(認知心理学)の授業内容と重なる部分があり、再び教科書を出して来てじっくり多くの理論を思い出しました。

人間は情報を感知してから自分なりの認知方法で自分の脳に取り入れ、短期の記憶、長期の記憶として保管しておきます。それをどのように取り出すか(または上手に取り出せないこともあるのですが)そしてどのように人に伝えていくか・・・・伝言ゲームを思い出してしまいますが、人は情報を自分なりのフィルターにかけて省略したり、ゆがめたりして自分のものにするわけです。大学の授業を選択するときでも、人によって教授や授業の印象が違うので、何人にも感想を聞いて必要なときは実際教授に会ったりメールをして、できるだけ多方面から情報を集めてから決断しました。合う合わないもあるので、誰かがその教授やコースに文句を言っててもそれが本人に問題がある場合もあるので、自分の見解の中心に持ってこないようにして、ひとつの情報として片隅に置いておき、できるだけ客観的に判断するようにしたのを覚えています。

NLPの授業では、自分の見解を変えて方向性をしっかりと設定することで自己成長の度合いが格段に変わってくることも学びました。モチベーションの設定のしかたがこんなに大切なのは知りませんでしたが、自分にも思い当たる節があるので今日からしっかりと実行しようと思います。

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# by lsajapan | 2009-05-11 11:30 | LSAについて

<5> 南仏プロヴァンスにて・・・その2


ある夜、グロジャン博士が「アヤコ!こっちに来てごらん」と庭とは反対側のラヴェンダー畑の方へ行こうと言うのです。あちら側は明かりもなく11時にもなるとさすがに夏でも真っ暗で何も見えません。「やだ、こんなんじゃ何にも見えないし転んだら怖いから庭にもどりましょう」と言うと「もう少し待って・・・・目が慣れてくるのよ」とさとされて、しばらくすると本当に驚くほどいろいろなものが真っ暗なのに見えて来ます。まるで自分が野生動物にでもなった気分でした。こんな経験子供の時にしたっけ・・・・?しばし子供時代にフラッシュバックしているとグロジャン博士は「ほら・・・星もよく見えるでしょ?ノルトラダムスはこの星を見て未来を予言したのよ」「え?ノストラダムス!?」「そう、彼は隣の村に住んでたのよ」と感動の会話は続きます。ちなみにグロジャン博士の博物館/ご自宅のあるのはグラヴゾンというアヴィニヨンの近くの村で、ノストラダムスはサン=レミという村にいたそうです。

このあたりでは多くの建物が14世紀のもので、アヴィニヨンに教皇庁ができ、さらにキリスト教の勢力が広まって来てたくさんの教会や修道院が建てられた時期だそうです。グロジャン博士の博物館も14世紀の修道院跡で、ご自宅は修道院のワイン貯蔵庫だったそうです。リビングルームのイタリアのピザ釜のような暖炉は、実は修道女たちが毎日パンを焼いていたかまどだそうです。700年前にはここでどんな生活が営まれていたのでしょう?瞑想をしてみると静かな祈りのエネルギーが感じられます。

一緒にワークショップをしている親友のシルヴァン(彼はフレンチ・カナディアンです)は大学で宗教学を専攻したこともあり、このへんはかなり詳しく「日々の糧のために修道士や修道女たちは熱心に祈りを捧げたもので、パンを焼くかまどのところで祈りのエネルギーが感じられることは至って自然なこと」とのコメントをもらい、なるほどと思いました。一方グロジャン博士は大らかにサーモンから紙くずまでそのかまどで焼いてます(!)

ちなみにグロジャン博士の考えでは炭水化物の取り過ぎは愚鈍な人間を作り出すということで、パンやパスタは御法度で、食事は山ほどの生野菜、キヌア、チックピーズ(ヒヨコマメ)のペースト、ヒマワリの種などのナッツ類、オリーブ、豊富な生のフルーツとハイドルソル入りの水が主なものです。もちろんすべてが有機農法で育てられたものです。そして有機ワインを少々・・・実はグロジャン博士のお母様のイレーヌさんはさらに厳しい自然療法士なので、ワインも許さないそうです。だからワインの隠し場所があり、離れの秘密の場所にせっせとワインを取りに今夜も誰かが往復することになります。

8割をローフード(調理していない生の食物)にするのがグロジャン博士の食事療法で、火を使わない物が多いので調理時間が少なくて済むので楽ではあります。でもよく噛まなくてはならないこと、ファイバーが多いので消化不良になることもあるので気をつけなくてはなりません。でも調理済みの食べ物ばかり食べていると、消化器が鈍っていくそうです。火を通した食べ物は基本的に病気の人や赤ちゃんのためのもので、健康な人たちは酵素を取り入れるためにも生の食べ物をもっと食べるべきですし、それによって老化を防ぎ若く健康でいることができるという考えです。グロジャン博士は完全なビーガンではなく、時にはおいしいチーズを食べたり、お刺身を楽しんだりします。でもそのようなときも楽しんで食事をするのが大前提です。罪悪感を持ったりせず、たまには掟破りをするのも可です。

夜は時々グロジャン博士のミュージシャンの友人たちを招いて、夕食を庭で楽しみながら過ごします。珍しい楽器(Cajonカホン、椅子型ドラム)を繰るジャキートとスパニッシュギターをファブリスが奏でて、踊ったり歌ったり、時には静かに耳を傾けて深夜まで楽しく過ごします。そう言えばヨガの基本哲学をインド人の先生から学んだ時に「1日に音楽を奏でるか静かに音楽を聴く時間、そして神様のことを考える時間を持つこと」と教わりました。こうやって仕事から少し離れて自然に任せて過ごしていると、いろいろなことがつながって行き、リフレッシュすることができます。こういう時間、大切ですよね。

(写真は法律家のジャン・ルイ氏と地元の有名なル・ビストロ・ドゥ・パラドゥの前で)
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# by lsajapan | 2009-04-30 18:28 | 海外にて

<4> サトル・アロマテラピー

去年の7月に発売された“サトル・アロマテラピー”は最初の翻訳版が絶版になり、しばらく日本語版が手に入りにくい状態が続き、生徒たちから強い要望もあり、自分自身が翻訳して復刊することになりました。未だ半年ほどしか経っていないのにすでに3刷目となり(2回の増刷)とても嬉しく感じています。ここにはたくさんのエネルギーワークについての情報が書かれており、ヒーリングの世界に初心者の人たちにもわかりやすく丁寧に解説してあります。私が最初にこの本と出会ったのは1994年で、ロンドンでパトリシア・デーヴィス氏に最初のトレーニングを受けていた時でした。その頃はチャクラがどういうものかも明確にはわかっていなかったので、どこから質問していいのかもわからない状態でした。それから15年もの年月を経て今この本を見ると、なんと初心者用に見えるのです。自分がゆっくりと理解を深めて行った道のりを振り返って言えることは、実践を通した理解はヒーリングやエネルギーワークには必須で、本を読んだだけでは足りません。でも1人で実践するのも難しく、やはり最初は信頼のおけるインストラクターや経験豊かなヒーラーに指導してもらうのが一番の近道だと思います。

“サトル・アロマテラピー”の本には理論としての波動療法から始まり、人間と植物のエネルギーについて、ヒーラーの役割と倫理などが述べられています。エッセンシャルオイルとクリスタルの併用やダウジングの使用もとても効果的です。私はこれに加えてやはりエネルギーを感覚で理解し、リーディングすることを重要視しています。本に書かれたエッセンシャルオイルのスピリチュアルな側面を理論的に理解するだけではなく、実際に感じてみるのが大切です。

私自身がサトル・アロマテラピーのクラスやコースを教え始めてわかったことは、きちんと指導すれば皆ほぼ例外なく色やビジョン、感覚として比較的簡単にエネルギーを感じとることができるということです。これをもとにして直感力を養うことができるのです。瞑想も大切で自分が浄化された状態でないと、うまくエネルギーを理解できないこともわかりました。

結局は伝統的なアロマテラピーにおいてもこの能力と理解は大変重要で、化学成分と効用に偏った方法ではこのミステリアスで長い歴史のある、宗教的利用から始まった芳香植物と人間のつながりは本来の持ち味を発揮できません。サトル・アロマテラピーは植物、鉱物、人間のエネルギーの相乗効果とアロマテラピーの原点を知らせてくれる素晴らしい方法です。
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# by lsajapan | 2009-04-10 22:13 | サトル・アロマテラピー