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<75> Essential Oil Safety: 精油の安全性ガイド2014

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ある程度の年数、アロマテラピストとして活動しておられる方は読んだことがあるか、話には聞いていると思いますが、ロバート・ティスランド氏の「精油の安全性ガイド」上下巻。これは原版が1995年に出版されています。フレグランスジャーナル社から1996年に日本語版が出版されています。本当に迅速で素晴らしいですね。90年代はまだまだ精油についてわからないことが多く、成分や禁忌、偽和の情報が少なくて,混乱していました。それからもう20年が経ったんですね・・・本当に信じられませんが、こうやって人生はスルスルと進んで行き「青年老い易く、学成り難し」ということなんでしょう。でもティスランド氏は12年かけて3400にも上る参考文献や論文を調査研究し、400種類の精油を改訂版に載せ、昨年出版されました。読めば読むほどこの20年の進化が伺われます。ものすごい情報量です。780ページで読み応えがあります。
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3年程前にLSAジャパンも大幅に教科書改訂をしました。精油の効能も出典を探してみると、民間療法から来たものや、かなりオカルト的な出所から来ていたりと、面白かったです。かなりの期間をかけて洗いざらい調べ直し、ある情報は信用して良いものかどうか、精油の化学成分と比較したり、参考文献を集めて調べました。精油の作用は化学成分の%の反映だけではなく、相乗効果や相殺効果があるので、数字だけで簡単に解釈できません。さらに自分の経験や他のたくさんの施術者の意見と照らし合わせたりした後に、自著「アロマティック・アルケミー」にかなりわかりやすくまとめたわけです。(よくわからないと言う未知の読者の苦情もあり。初級者向けでないのでごめんなさい。初級者向けの本はいくらでもあるので、施術をある程度の期間実践している方達向けに書きました。浮かんで来る疑問はある程度一致して来るものです。)
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これは最近勉強したベースオイルの一部です。色がきれいですね。PEOTコースでは32種類を勉強します。シーバックソーンはCO2抽出法のものが素晴らしい効果があります。色素が強烈ですが。

話は戻して、Essential Oil Safetyはまだ日本語に翻訳されていませんが、勉強会をしています。情熱的な方々が集まり、3回楽しく勉強しました。私も資料を作成するのがとても楽しく、どうしてこの精油がこう考えられたかなどの出所の報告なども詳しく書かれていました。毒性の報告はさらに詳しく、各々のケースでは考えられない量の精油をバスに入れて乳児を入浴させたり、リニメント剤で単一成分がある程度添加されているものなどをこぼしたり、飲んだりと激しいです。自殺を試みた方や、神経毒性や向精神作用ですごいことになった(麻薬のような作用を起こすものもあり)ケースの報告もあり、読んでいて目がまんまるになってしまいます。1960〜70年代の事故が目立ちます。

紹介されている400種の精油は、効果については特に書かれていません。安全性についての本ですから、危険性や注意事項が詳しく書かれています。そして精油の成分についても詳しくディスカッションされており、勉強になります。偽和の情報、劣化に関する情報、身体の系統に関連したこと(特に神経毒性や循環器系,免疫系興味深い)、肝臓代謝酵素に関する詳しい情報(薬との相互作用)、癌に関することなど様々です。EUやIFRAとの規制項目に関する意見なども読み応えがあります。
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ジャーマンカモミールを蒸留している時です。ちょうどハイドロレートを抜いているときなので、粘度の高い精油がダラーッとガラスの滴下漏斗の内側を流れているのが見えますか?成分のアズレンは鎮静や抗炎症で有名ですが、内用するとテオフィリン(気管支喘息治療薬)やプロプラノロール(血圧降下剤)などの効果を阻害する可能性があるそうです。ブルータンジー(Tanacetum annuum)やヤロー、マグワートなどもアズレンが豊富な精油です。外用は特に影響しません。もちろん使用量や、常識を逸脱した使用は範囲外です(例えば原液100mlをこぼしてその中に倒れ込んでしまったとか)

5年前のIFAのカンファレンスの時に2日続けて通訳させていただき、打合せなどでゆっくりとお話しした時に、この本の話とそこからの情報としてセミナーをされ、ティスランド氏は研究の鬼なんだということがよくわかりました。本当にすごい方です。英語圏のアロマテラピーブームを引き起こした方なんですよね。そしてこれだけ多くの研究者たちがせめぎあっている中、”The Art of Aromatherapy”を1977年に出版されてから今でも最先端の研究をされているのは脱帽ものです。11月にはサンフランシスコのカンファレンスにいらっしゃるそうです。私もスピーカーとして招かれているので、楽しみです。

こうやって常にアロマテラピーは前進しているんですね。勉強して頭に入れたものを実践しているだけでは足りないです。勉強は続きます・・・・さらに続きを8月1日(土:午後)、9月5日(土:午前/午後)に開催します。少し先ですが、様々なトピックを紹介したいと思います。ウェブサイトをご覧下さい。

日程:8月1日(土)1時〜4時
   9月5日(土)午前の部:10時〜1時、午後の部:2時〜5時  
3回: ¥21,060
各回: ¥7,560
テキスト、表や付加的資料を作成して配布

<8月1日>
* 安全性の基準:何が安全で何が危険か
* 精油の排出経路
* 精油の経路と代謝
* 皮膚障害のリスクファクター
* 皮膚刺激、皮膚感作、光感作
* 呼吸器に関する毒性と注意:アレルギー、喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)

<9月5日:午前>
* 偽和・劣化についての情報:酸化した後、感作のリスクが増加する精油
* 毒性と有害な影響
* 過去の中毒の報告
* 皮膚感作、神経毒性、遺伝毒性、生殖毒性のリストと研究
* 光感作の強さと比較:安全な希釈率

<9月5日:午後>
* 循環器系に関する研究(血圧との関係、高血圧の禁忌、抗凝固作用)
* 肝臓保護作用のある精油と精油成分
* 精油と精油成分の試香と安全性の学習(比較的資料が少ないものをピックアップ)
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by lsajapan | 2015-05-08 16:02 | セミナー