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<70> マダガスカルにて その2

あっという間に1ヶ月が経過してしまいました。でもこの間にさらにたくさんリサーチして、様々な情報が入手できました。アロマトピアにも寄稿しますので、合わせてお読み下さい。

今回最も心に残ったのはイランイラン(Cananga odorata var. genuina)で、視察のためにノシベという北側の島へ行きました。フライトが遅延したためにノシベに到着した時は、すでに日が暮れて真っ暗でしたが、バスの窓からはイランイランの香りが吹き込み、満点の星空を見上げると流れ星がたくさん見え「あれが南十字星だよ」と星に詳しい参加者の方が教えてくださり、皆でしばし星を見上げたりしました。ネオンや街灯がないと、夜空は宝石箱のようです。こんな夜空はプロヴァンスとビッグサーにあるエサレン・インステテュートで見た以来です。

イランイランの木はそのままにしておくと40メートルもの高さに達し、花を収穫するのは難しいので、2メートル程の高さになると主幹を剪定し、太い枝も折り、物干竿のような姿に仕立てます。苦しそうにも見えますが、このお蔭で女性たちも容易に花を摘むことができます。この木は30年程の樹齢です。あまり樹齢が高すぎると、花の付きが悪くなって来るそうですが、この木だと1年間に約10kg程の花を付けます。
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イランイランの花は枝に並んで咲き、6枚の優雅にカールした花弁でできています。最初はグリーンがかった色をしており、成長して行くに従い黄色が強くなり、やがて茶色い斑点が出て来ます。完全に成熟した花は中央が赤く色づきます。この中央部分に90%までの精油が含まれています。収穫して3時間以内に蒸留します。遅くなると採油量が減り、花の発酵も進んでしまいます。
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2件の蒸留所を視察しましたが、最初のMillot社は1907年にココア・プランテーションとして始め、1970年から薬用植物を栽培し始めました。100ヘクタールもの土地で現在でもイランイランを始め、レモングラス、ヴァニラ、ココアなどを栽培しています。イランイランは1ヘクタールに100本の木が植えられており、年間1トンの精油がとれます。メインの蒸留室には8台の蒸留器があり、すべて銅製で綺麗に磨かれており、エッセンシエ(フローレンス瓶)も銅製で美しいフォームをしていました。現代的なステンレスの合理的な蒸留器とエッセンシエを多く見てきたので、とても特徴的と感じました。銅の蒸留器で蒸留すると銅イオンの働きで蒸留直後の硫化物臭が弱くなるというメリットがあります。
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            銅製の美しいエッセンシエ

朝6〜9時に花を手摘みで採取し、10時から次の日の15時頃まで蒸留を続けます。1回のバッチは100kgの花を使用し、採油率は2〜3%程です。イランイランは留分によってグレードが別れており、通常蒸留時間が目安ですが、最終的には比重で判断します。イランイランのグレードは以下の様になります。(蒸留所や技術者の観点により、多少違いがあり)

* スーペリアエクストラ:比重954以上:水を入れず花に含まれた水分のみで蒸留:1時間程
* エクストラ:比重0.953〜964:水を入れずに3時間まで
* プルミエール:比重0.937〜952:水を入れて5時間まで
* ドゥジエーム:比重0.920〜936:8〜10時間
* トロワジエーム:比重0.920以下:14〜24時間

イランイランのハイドロレートはエッセンシエに集められ、もう一度蒸留器に戻されて再び蒸留に使用します。このことにより、ハイドロレートの中に拡散されている精油分が効果的に集められるわけです。スーペリアエクストラとエクストラは香水産業に主に使用され、ドゥジエーム以下は石鹸などに使用されます。アロマテラピーには主にすべてを一緒にしたコンプリート、またはプルミエール、ドゥジエームあたりを使います。コンプリートやエクストラは必ず表記があり、割高です。トロワジエームは乾燥肌や保留剤として有用です。

インドネシアのジャワ島でもCananga odorata var. macrophlla(カナンガ)の蒸留所を訪れましたが、香りも蒸留法も今回の方が優れていました。ジャワ島では木は高くしたままで、長い長い竹竿の先に小さいナイフをつけて花を収穫していました。非生産的?
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これバオバブの木です。大きいバオバブは、今回は日程の関係で見に行けないので、ホテルのお庭にある小さなバオバブを稲葉さんに教えてもらい、記念撮影しました。他にラヴィンサラやジンジャーについてももう少し書こうと思っています。お楽しみに。
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by lsajapan | 2014-07-30 11:51 | 海外にて