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<60> ついに“Aromatic Alchemy”発刊します

過去5年間、闘病していた母が2月に亡くなり、とても悲しい思いをしておりました。でも看病をしている間に母と毎日こんなに近く寄り添っていることが子供時代からなかったのに気がつき、毎日毎日時間が許す限り、仕事の合間を縫ってマッサージをしたり、とりとめのないおしゃべりをしたり、母の食べたいものを買って来て料理したり、少しでも安心して心地よく過ごしてもらえるように頑張りました。とても調子が良い時期も長く、去年の秋まで友人と旅行に行ったりしていました。父と主人と共に皆で助け合って家族の結束がより強まりました。

でも四十九日も終わり、落ち着いてみると、母のものは全て揃っていて、いないのは母だけ・・・新品のスカーフや洋服もあり、社交的でお洒落だった母はまだまだお出かけしたかったのだと思います。本当に長い旅行に出かけてしまったような感じがして、勝手に片付けることはできない気持ちでいっぱいです。

数年前に母にそっくりな観音様の絵を偶然見つけ大事にしてきました。狩野探幽という江戸時代の絵師の作品ですが、京都の大徳寺の法堂にも彼の絵が天井画(天井龍)にあるので不思議な縁を感じます。
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そんな中、ようやく本が出版の運びとなりました。“香りの錬金術”というタイトルの予定でしたが、英語で同義の“アロマティック・アルケミー”になりました。2年かかってまとめたエッセンシャルオイルとブレンディングの本です。この1冊でエッセンシャルオイルをブレンディングすることができるようになります。そしてエッセンシャルオイルの事典にもなります。ここでの情報は活きた情報で、自分がリサーチし、足で集めた情報です。振り返れば20年、アロマテラピーのすべての魅力に深くのめり込み、現在まで情熱は全く冷めません

表紙は息子のマシューが描いてくれました。裏表紙の小さな絵もそうです。表紙は16世紀、裏表紙は18世紀の錬金術の本から取ったものですが、描き直してもらったわけです。表紙は錬金術においての金星の象徴画です。金星は古くから平和と芸術、美と愛にテーマがあり、それが象徴された美しい絵です。裏表紙は第一原質(Materia Prima)を賢者の石(Philosopher's Stone)に変成させている絵です。どちらもロマンティックな雰囲気で、化学がまだ確立されていない時期のものです。世界観が現在とは違うのですが、興味深いものがあります。ポスターも作ってしまおうかなと企画中です。

発売日の5月10日は牡牛座の新月の日なので、新しい出発には理想的と思っています。金環食なのですが、真っ暗になるわけではないので不穏とか不吉とは最近は考えない占星術師が多いようです。"Something is out of place and must change"というキーワードが象徴しているように思えます。考えてみれば、特に表紙が金星の絵なので(牡牛座の支配星は金星なので)ドミサイルになっている感じです。

シュナウベルト博士が書いて下さった、この本の序文を紹介しますので、内容の説明として読んで下さい。

<序文>
アロマテラピーの広がりは地球上の植物の繁殖と反比例しているように思えます。特に都市部では生命力に欠けた植物しかなくなって行き、その代わりにいわゆる植物の二次代謝物質がアロマテラピーの形で再出現したというわけです。

日本のアロマテラピーの世界を時折訪れる私は、この国にやって来たアロマテラピーが完全主義の基に発展して来ていることに最も感銘を受けました。アロマテラピーはここでは香道の念入りな詳細に渡る規則と現代薬学研究の厳格なサイエンスの間に存在することに気がつきました。

アヤコ・バーグの新しい本である「アロマティック・アルケミー」は、このような独自のアロマテラピーの発展を遂げた日本において、必要となる傑出した本となるでしょう。エッセンシャルオイルのブレンディングはアロマテラピーの核となる要素で、これにより様々な目的に応じて使いこなせるようになります。エッセンシャルオイルのブレンディングの目的は、療法的シナジーをつくりだすことですが、芸術的訓練も必要で、これにより忘れられない香りの完璧な調和をかもし出すことができます。

このブレンディングのガイドは、複雑なブレンドにおける課題を扱いやすくテーマ別にまとめ、ブレンディングの技術へと導きます。それにより多くの人々が混乱して苦手意識のある、複雑なブレンディングのトピックをわかりやすく解説してあります。読者に多くのエッセンシャルオイルの見解を紹介し、歴史的背景や錬金術から生化学的な見地より深くエッセンシャルオイルを知ることにより、植物の生体において受け継がれて来た遺伝子発現の複雑さを投影することができるはずです。

香りのブレンディングの章では、エッセンシャルオイルの治療特性や薬理効果ばかりに集中しがちな傾向にある読者を、結局のところ複雑なエッセンシャルオイルの香りは、個々の植物の最も際立った特徴を表しているのだということを気がつかせてくれるでしょう。もちろんこれらは中心的存在である治療特性に続くもので、最高の効果を引き出すために生理学的な特性を網羅した章をしっかりと読んで参考にしてほしいと思います。常に特定の障害に適切なエッセンシャルオイルを適量使用することが大切です。これは治療特性のある化学成分につながっており、重要である禁忌や希釈率の項にも注意をはらうことです。

エッセンシャルオイルは高度に複雑な構成をしており、人間の生理機能と様々な方法で相互作用し、様々な器官の多くの分子標的を狙い撃ちできる可能性を持っています。これにより個々の体質や素因を考慮に入れたニーズに応え、一人ずつのシナジー・ブレンドをつくることによってエッセンシャルオイルの可能性は無限となるでしょう。様々な気質、生理学的な必要性、占星術的要因、エネルギー的な見解を使って個々の状態を評価します。この本で得た知識を使うことは、施術するアロマテラピストにとって実践と管理の必須ガイドラインとなるでしょう。

この「アロマティック・アルケミー」は日本のアロマテラピー界に活気を与え、アロマテラピーを探究する皆に最も実践的な情報を提供し、高揚感に満ちた本となるでしょう。この序文はヨーロッパの言語ですでに書かれた多くのアロマテラピーの本に加えるべきレベルの本が、ついに日本語原著で出版されたという証言とします。加えて、傑出したMs.バーグの革新的で比較文化的な研究は、日本のアロマテラピーとそれをさらに越えた貢献となると公式宣言したいと思います。

2013年2月
カート・シュナウベルト Ph.D.
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by lsajapan | 2013-05-04 11:57 | 近況報告