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<34> Critical Thinking 批判的思考

シュナウベルト博士のセミナーも無事終わり、博士は次のセミナー開催地のシンガポールに向かい、私はサンフランシスコへ来ています。サンフランシスコはこのところ珍しく雨が降るようで、丘が緑に包まれてとてもきれいです。ローズマリー、アカシア、菜の花が満開で春の気配もあります。ところが・・・天気予報によると明日あたり35年ぶりの雪がサンフランシスコに降るそうな・・・日本では春一番が吹いているとのこと。いつもと逆になっています。

話は戻ってシュナウベルト博士の3日間のセミナーはたくさんの参加者で盛り上がり、いろいろな興味深い質問が出ては丁寧な回答をいただきました。1日目は全般を理解するための“Evolution101”で、“101”は通常大学の1年目で履修する基礎編でその科目を学んだことのない生徒がまず履修しないと上へと行けないクラスです。”Evolution101”では地球上の生物の進化の基礎を学び,なぜ植物中の精油が私たちに効果があるかを35億年前にさかのぼって解き明かしてくれました。

植物の二次代謝物である精油は私達にとって、以前は異物として毒性を持っていたものが、肝臓が進化と共に酵素をつくり出して、毒性の強い現在でも代謝できないエポキシドなど以外は代謝、解毒できるようになりました。それでも私たちの肝臓は現在でもその名残りを持っていて、精油が身体に入って来ると肝臓が活性化して毒素排泄の働きを示すそうです。レモンオイルやレモン汁をミネラルウォーターに入れて飲む方法が効果的なのは、この理由からなんです。「レモンは肝臓の浄化作用があるから」ということと、実感できるのとリフレッシュ感がたまらなくいいので実践していたのですが、原理がわかってますます納得しました。ちなみに量は常に大切なポイントで、少量使用することが重要です。

2日目は“Preventive Aromatherapy”(予防医学としてのアロマテラピー)と銘打って植物と人間の共進化と、その結果としてどのような効果が特定の植物に現れたか、それをどのように効果的に使用するかをレクチャーしてくれました。耐性菌への効果、抗炎症作用や抗腫瘍作用などについても検討しました。そして3日目は15世紀からのスパイス貿易の背景と特にジンジャーを例にとり、他には見られないスパイス類独自の効用と影響を学びました。

シュナウベルト博士と仕事をしているとクリティカル・シンキングをいつも思い出します。ちなみにCritical Thinking (批判的思考)とは、物事や情報を鵜呑みにせず多角的かつ客観的に分析して解釈する思考法です。さらに情報の全体像とバックグラウンドを理解して,次に明確に伝えることも含まれます。ここに至るまでに多くの疑問点が出て来るはずですし、情報把握能力も問われます。この思考法は私達の受けて来た教育に欠けた部分なのです。“批判的”と言っても決してネガティブな意味ではありません。アメリカやイギリスで授業を受けていると、いつもどんどん質問が出ます。先生が説明している最中でも手を挙げて、合間に先生が発言の機会を与えるのを待ちます。私は最初「ちょっと先生に失礼?」と感じたりしたものの、これは日本人的考えであることがわかり,次に教育スタイルの違いを痛感し彼らの頭の回転の早さに敬服しました。が、結局これは慣れとクリティカル・シンキングの結果ということが理解できるようになりました。アジア圏での教育は、集団意識の概念が強く存在し、出過ぎず和を乱さずに話を素直に聞き、疑わないことが礼儀という常識があるからです。批判することは反逆的、無礼とさえ見なす傾向があり、波風立てないようにするために貪欲な個人的な解釈の完成は二の次になるわけです。これは私達の知的進化のためには改善して行きたいところです。

古典的なアロマテラピーや自然療法にはクリティカル・シンキングが欠けている部分も多いので、もう少し発展させて行ってもいいのかなと思っています。これは全て科学的立証が必要と言っているわけでなく、かえって化学成分だけでかたづけられるのかと言うこともクリティカル・シンキングの対象に含まれます。シュナウベルト博士のインタビューの通訳をしたとき「なぜバッチ・フラワーエッセンスは効果的だといえるの?」とインタビューワー(聞き手)に反対に聞いたところ、すぐには誰も答えられずにいたら「それはドクター・バッチがこの植物はこのように効果的だと言ったからでしょう?他には何も立証されてはいないでしょう?」とズバリとコメントされました。全てを否定するわけではないけれど、クリティカル・シンキングをするのなら、ここに何か信じる前によく考えて吟味することはないか?と考えなくてはならないわけで、丸呑みするのはたいへん迂闊であるわけです。私自身,個人的にフラワーエッセンスは好きですが、このような質問に関してはしっかりとした自分の答えが出せないと感じました。バッチ博士が書いたオリジナルの原本を主人に読ませた時も同じコメントでした。「とても上品で優雅な文体だね。このお医者様の人柄が感じられる本でとてもよかった。でも内容に関しては彼の意見ということかな」と言われ、考えさせられました。(“感染呪術”や“水の記憶”についての研究を調べてみると、客観的な意見を他の角度から検討できます)自分にとってごく当たり前の信念、信条が他の人にはクリティカル・シンキングの対象となります。また反対のこともあるでしょう。

社会心理学の世界でも周りに流されてきちんと情況把握せず,自分で考えないで人々は行動をする傾向もあることを指摘しており「バイスタンダー・エフェクト」や「ミルグラム効果」「同調現象」「集団心理」など、いろいろな現象が研究、報告されています。救急救護でも「誰かお願いします」ではなく「あなたにお願いします」とピンポイントで指示しないと、誰も動かないと学びました。意識しないと流されがちな思考回路、時々見直してみませんか?
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by lsajapan | 2011-02-27 08:27 | インスピレーション