<   2011年 01月 ( 2 )   > この月の画像一覧

<33> Dr. Schunaubelt シュナウベルト博士

もうすぐいらっしゃいます。シュナウベルト博士がLSAに・・・現在はミュンヘンのご自宅におられるそうで、サンフランシスコと半分ずつの生活のようです。彼の基本的スタンスを紹介するために過去に書かれた記事の一部を紹介したいと思います。“S.F.イグザミナー”というサンフランシスコの有名な新聞に1983年に載せられたBill Mandel氏による記事です。タイトルは“Sniffing out Aromatherapy” (アロマテラピーを検証する)ですが、sniffing というのは香りをかぐという意味なので、ちょっと言葉遊び風のタイトルというわけです。
*******************************************
Sniffing out Aromathrapy

“天然で合法。朝にはひと嗅ぎスッキリ、夜にはストレス解放に!ヒソップオイルとラヴェンダーオイルはあなたの期待を大きく上回る。個人セッション受けたまわります。カート・シュナウベルトPh.D”というパシフィック・サン誌の広告が目に留まり、特に”天然で合法“というあたりがやけに興味を引いた。普通はこのような広告は”不自然で違法“というのは相場が決まっており、特に”朝のひと嗅ぎ“はコカインを思い起こし、”夜にはストレス解放“というとヴァリウム(鎮静剤)を思い出す。私たちは天然で合法な代用物を提案されているんだ。何とも抵抗しがたい。

カート・シュナウベルト博士はハンサムなミュンヘン生まれの化学者で、昨年の春にドイツの化学リサーチと開発の仕事に携わっていたのをやめて、新世界へとアロマテラピーを広めにやってきた。私が会いに行くと博士はドアのところで迎えてくれて、コンサルティングルームに通してくれた。そこには大きな木製の棚があり、彼の錬金術のエレメントが並んでいる。40本程の小さなエッセンシャルオイルの瓶だ。彼の著書によると、アロマテラピーは少なくとも6000年前のエジプト人の古代科学技術が源流で、ヒーリング、美容、魔術の実践家たちが植物オイルの効用を知っていたわけだが、この知識は20世紀の凄まじい合理主義の小細工“科学”によって失われてしまった。人々はエッセンスを健康と美のために使用し続けたが妙なものと考えられるようになった。現在、私たちは科学技術的医療のブラインドスポットを実感し、代替医療を再発見している。アロマテラピーはその中の1つである。

アロマテラピーの信奉者によると、アロマテラピーは病気と闘うために使うこともでき、様々な心理的な症状を和らげ、皮膚や髪を浄化し、異なった感情(興奮、リラックスなど)を与えてくれる。目的によってエッセンシャルオイルを内用したりバスやクリームなどに入れて使用する。

シュナウベルト博士はアロマテラピーに興味を持ったのは1978年で、病気をした時に自分自身の処方薬の内容を調べたところ、懸念される成分が多く含まれることに気がついた。“ほとんどの人たちは自分の薬に何が入っているかを理解できない。それは言葉が難しすぎるからだ”と彼はほんの少しミュンヘンのアクセントを伴った完璧な英語で話してくれた。“私は化学者として分子を知っているので、自分の飲んでいる薬は健康を害する可能性があるのがわかったんだ”

ある日、本屋でアロマテラピーの2つのバイブルであるロバート・ティスランド氏の“The Art of Aromatherapy”とジャン・バルネ博士の”The Practice of Aromatherapy”を見つけた。アロマテラピーは最もフランスで実践されてる:彼らの医療保険は医師からの勧めであれば代替療法もカバーするからだ。フランスとスイスではそうである。

何年か経ち、シュナウベルト博士はいろいろなエッセンシャルオイルの特質や効果をよく知るようになった。彼が説明するのには、アロマテラピーは厳格な科学とは言えない。多くの材料を正しい量ブレンドするということは、科学と言うよりむしろ料理に近いものがある。一人一人が違うのだから、適切なレシピも人によって少しずつ違うわけである。

エッセンシャルオイルについてディスカッションをしているうちに、もちろん私は“自然で合法”なコカインのような、ヴァリウムのようなエッセンシャルオイルを聞き出した。彼はヒソップの瓶を出して来て私の舌に1滴落とした。ターペンタインのような鋭い味・・・でも5分後にははっきりとエネルギーが湧き出て来て、思考が明確になり集中力を感じた。それから30分程私たちは話して、今度はマージョラムの瓶を出して来て、同じように1滴舌に落とした。すぐに太陽神経叢のあたりにリラクゼーションを感じ始めた。

最後に私の帰り際にシュナウベルト博士は1パイント200万円するローズのエッセンシャルオイルを私の指先に付けてくれた。ローズが何をするのか私にはわからないが、 自分の経済力ではわかるまで手を洗うわけには到底いかない。

b0164641_1462020.jpg
シュナウベルト博士の撮影した高地ワイルド・ラヴェンダー刈り取り作業
[PR]
by lsajapan | 2011-01-18 01:51 | インスピレーション

<32> 2011新年、ダヴィンチ、キフィ

あけましておめでとうございます。皆様にたくさんの幸せと発展がありますように・・・今年もよろしくお願いします。

まだまだ大掃除の途中なのに年が明けてしまいました。とりあえず三が日のお掃除は福が逃げないようにやめておいて、家族皆でおせち料理(母が全て作ってくれます・・・感謝しております)を堪能し、賞賛しつつ楽しんでいました。実はまだ終わっていない仕事もあり、お正月早々フライング気味に仕事に入っているのですが、それでも日比谷のダヴィンチ展に出かけて来ました。モナリザは一時ナポレオンのバスルームに飾ってあったり、誰かが石を投げつけたり、酸をかけられたりと散々なめにあっているんですね。鼻の横にある“できもの”も実はアクシデントによるものだそうです。指はまだ完成していない部分があったり、偽物騒ぎなど謎に包まれているのは周知の通りですが、赤外線を当ててみたりしていろいろな現代の分析法で理解が進んでいることがわかりました。彼のスケッチや筆跡を見ても、どのくらい繊細で器用な方か容易に想像できます。

心に残ったダヴィンチの言葉に「人は3種類に分類できる:見る人、見せられれば見る人、見ない人がいる」これは日本語と英語で書かれていて「見る」は“see”で「理解する」とも取れるので、もう一つの解釈は「理解する人、説明されれば理解する人、理解しない人」ともとれて、何とも深いメッセージとなりました。広い見解を持っていろいろなことを見聞きして、そして与えられたものをそのまま鵜呑みにせずに角度を変えて検討しつつ、理解を深めて行きたいと思います。これは今年のNew Year’s Resolution にしてみようかな?

ところでキフィ(Kyphi) を作ってみました。ディオスコリデスのレシピにできるだけ近づけて、赤ワインにレーズンを浸し、2週間。新月の夜にブレンドをしてみました。これも伝統的な製法のようです。フランキンセンスはドバイで買って来たオマーン産の上級品でミルラと一緒にしてひたすら乳鉢で粉状にします。ジュニパーベリーやサフラン、オリスルート、シナモン、シダー、判別不明の植物もありますが、できるだけ正確に再現するために努力しました。最後のつなぎにはエジプトの有機農場で養蜂をしていて、そこの蜂蜜を買って来たのがまだあったので使いました。
b0164641_230121.jpg


古代エジプトを代表する薫香であるキフィは油を使わないブレンドで、当時では画期的なものでした。最初は神への捧げものとして神殿で焚かれましたが、次第に家で使用されるようになりました。後には害虫やネズミ退治にも役に立ち、人間の感情に働きかけることもわかりました。プルタルコスの記述によると古代エジプトの神官は夜明けと共にフランキンセンスを焚き、日中はミルラを、そして日没にはキフィを焚いたそうです。キフィは16種類の材料をブレンドしたものだそうですが、7世紀の医師ポール・アエジナによると28種類の材料で作ったルナー・キフィ(月のキフィ)と36種類の材料で作ったソーラー・キフィ(太陽のキフィ)があるそうです・・・古代エジプトの詩を紹介しましょう。

Kyphi can rock a person to sleep,
Create pleasant dreams and chase away the troubles of the day.
Burning Kyphi in the evening is sure to bring the gift of peace and quiet.

キフィは人を優しく揺らして眠らせる
よい夢を見せてくれて、その日のトラブルを追い払う
夜キフィを焚くと必ずしや平和と静けさをもたらしてくれる

香炭の上で焚くとレーズンのバーベキューみたいな香りになってしまうので、炭を半分ほど灰に埋めてその上で空薫きにします。多分実際はペースト状にしたまま壷に入れて保管していたのではと思います。現在でもそのような形態の薫香(半生状?少し湿った感じ)をエジプトやドバイで見かけました。かなりきつい合成香料の香りでしたが・・・ 私は日本古来の練り香または梅香とも呼ばれる丸薬型に丸めてみました。これを壷の中で保存し、しばらくして香りを確かめてみて嫌な香りにならなければ成功だそうです。もうすぐ再び新月ですがとってもいい香りです。熟成させればさせるほどよい香りになるそうです。現代のお香とは違う感じで異国情緒豊かな香りです。古代エジプト人たちが日常的に焚いていたと思うと感無量、悠久の昔に思いをはせてしまいます。
b0164641_232079.jpg
     卵形にまとめるという意見もありましたが・・・・
[PR]
by lsajapan | 2011-01-04 03:02 | インスピレーション