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<12> 大英博物館 — British Museum

やっぱり何と言っても私の心のふるさとはイギリスではないかしら・・・・と思ってしまう程、イギリスには心を揺さぶられます。何故かわかりませんが、心理学で言うとっても特別な“アタッチメント”があります。15年前に最初のLSAの授業に旅立つ時に、日本は夏の暑い盛りで体調が悪くヨレヨレだったのに、ロンドンに着くなり霧雨が降っていて涼しい天気。あっという間に元気になってしまい、何だかエネルギーをチャージされたかのようです。今回も3週間のイギリス滞在ですっかり生き返った感じです。ワークショップに参加したり、ミーティングや湖水地方への小旅行もあり、有意義に過ごしました(湖水地方の旅についてはすぐに書きますね。)

その中でも大英博物館は基本の基本でありながら、ロンドンにいればフラフラ〜っと引き寄せられてつい行ってしまう場所です。前回一人で行った時は一番奥のアジアの展示に集中し、その前は中世の占星術関係のコーナーで長い時間を過ごしました。今回は初心に戻ってエジプトと古代オリエントに時間を割くことに決めて前世のお友達(?)との再開を楽しみました。そう言えば「海のエジプト展」を主人と見に行った時、会場を出た後に主人がボソっと「They are worn out」と言いました。展示物か疲れきっているという意味です。「でも皆大昔のものだし」と言うと「そうじゃなくて,世界中回って展示されてきているから」「パネルは新しく日本で作ったもので新品でしょう?どこが?」とまるで私は何もわかっていない子供のよう。「上手く言えないけれど、展示物がみんな疲れているように見える」というのが最終結論で私は深く感動し、やっと何だか同感しました。

それでは大英博物館の方たちはどうかしら?私は彼らは使命を持ってあそこに存在しているように感じました。中には戦争によって獲得したものもあるでしょうが、現代においては世界中のいろいろな人たちが遠路はるばるやって来て、一つ一つの展示物の前でいろいろな言葉で話し合い、感動して、記念写真を撮り、子供たちは学校から(ミッドタームというお休みの時期とのこと)集団で社会科見学らしく、約10〜30名くらいがあちこちで丸くなって床に座ってスケッチブックを広げてセッセと写生に励んでいる様子。太古の人々の知恵や技術、個々の文化においての世界観、美の観点など・・・・若い頃のシュワルツネッガー並みの体格の像やレリーフがたくさんあり、それを見ていると展示されている方たちは、皆誇らしく自分たちの栄華をシェアしてくれていると感じます。

今回は特別展示がいくつもあって、フリーダ・カーロの夫、ディエゴ・リヴェラのスケッチがたくさん展示されていたり・・・やっぱりすごい迫力でした。サンフランシスコの美術学校にある彼の描いた大きな壁画も見たことがありますが・・・それと「ザ・ハニワ」っていうのもありました。小学校で勉強した縄文時代、弥生時代に出てくる写真の実物を全部見てしまいました。不思議な気持ちです。その特別展示の中でも大好きなWellcome MuseumのWellcome財団提供の展示がとても心に残っています。この財団の大きなテーマは「人間の身体と健康、また健康と幸せのために人間は何をして来たか、何をするべきか」というもので、ユーストン駅の前にあるWellcome Museumも是非訪ねて下さいね。実はそこで初めてイブン・シーナのオリジナルの本も見ました。あの時はあまりの感動に頭に血が上ってしまいました・・・・・大英博物館での展示は数名の実在の人物を例にとって、一生の間にどんな病気をしてどんな薬を使って来たかというもので、またイギリス人だけでなく,アメリカ人、中国人,インドネシア人などいろいろな文化圏から彼らがどんな体調で自分の病気をどのように治療することを選んだかを使用した薬や器具、人生のなかでの思い出深い写真を交えて紹介したものです。60年代のヒッピー風の出で立ちでパーティーをしている写真あり、子供を水中出産している写真あり,シャーマンに治療してもらう時に使う儀式の道具一式が展示してあったり、フラワーエッセンスやホメオパシーもありました・・・そして中ほどに展示してある数名の人々のライフストーリーの中央には極細の針金で編んであるメッシュ生地があり,そこには細かく錠剤やカプセルが織り込んであります。これらは実際、その人たちが生涯、処方されたり、買って飲んだりした薬すべてなのです。一人の人で一生で何千錠もの薬を飲んでいおり、女性の場合はピルの量は莫大でした。まだご健在の方もいらっしゃり、個人情報の開示の勇気に感謝しつつ、ものすごいリサーチに脱帽しました。こんな奥の深い、言ってみれば冒険的でもあるアヴァンギャルドな展示を大英博物館はするんですね。ここに来ると人類の偉大さ、歴史の奥深さを感じ、多様な人々が地球の各地でいろいろな時代に生きた証となる最も素晴らしい芸術品と出会えます。
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by lsajapan | 2009-11-10 11:49 | 海外にて