カテゴリ:海外にて( 30 )

<70> マダガスカルにて その2

あっという間に1ヶ月が経過してしまいました。でもこの間にさらにたくさんリサーチして、様々な情報が入手できました。アロマトピアにも寄稿しますので、合わせてお読み下さい。

今回最も心に残ったのはイランイラン(Cananga odorata var. genuina)で、視察のためにノシベという北側の島へ行きました。フライトが遅延したためにノシベに到着した時は、すでに日が暮れて真っ暗でしたが、バスの窓からはイランイランの香りが吹き込み、満点の星空を見上げると流れ星がたくさん見え「あれが南十字星だよ」と星に詳しい参加者の方が教えてくださり、皆でしばし星を見上げたりしました。ネオンや街灯がないと、夜空は宝石箱のようです。こんな夜空はプロヴァンスとビッグサーにあるエサレン・インステテュートで見た以来です。

イランイランの木はそのままにしておくと40メートルもの高さに達し、花を収穫するのは難しいので、2メートル程の高さになると主幹を剪定し、太い枝も折り、物干竿のような姿に仕立てます。苦しそうにも見えますが、このお蔭で女性たちも容易に花を摘むことができます。この木は30年程の樹齢です。あまり樹齢が高すぎると、花の付きが悪くなって来るそうですが、この木だと1年間に約10kg程の花を付けます。
b0164641_11251984.jpg

イランイランの花は枝に並んで咲き、6枚の優雅にカールした花弁でできています。最初はグリーンがかった色をしており、成長して行くに従い黄色が強くなり、やがて茶色い斑点が出て来ます。完全に成熟した花は中央が赤く色づきます。この中央部分に90%までの精油が含まれています。収穫して3時間以内に蒸留します。遅くなると採油量が減り、花の発酵も進んでしまいます。
b0164641_1130924.jpg
b0164641_11303120.jpg

2件の蒸留所を視察しましたが、最初のMillot社は1907年にココア・プランテーションとして始め、1970年から薬用植物を栽培し始めました。100ヘクタールもの土地で現在でもイランイランを始め、レモングラス、ヴァニラ、ココアなどを栽培しています。イランイランは1ヘクタールに100本の木が植えられており、年間1トンの精油がとれます。メインの蒸留室には8台の蒸留器があり、すべて銅製で綺麗に磨かれており、エッセンシエ(フローレンス瓶)も銅製で美しいフォームをしていました。現代的なステンレスの合理的な蒸留器とエッセンシエを多く見てきたので、とても特徴的と感じました。銅の蒸留器で蒸留すると銅イオンの働きで蒸留直後の硫化物臭が弱くなるというメリットがあります。
b0164641_1131571.jpg
b0164641_11313175.jpg
b0164641_11435320.jpg
            銅製の美しいエッセンシエ

朝6〜9時に花を手摘みで採取し、10時から次の日の15時頃まで蒸留を続けます。1回のバッチは100kgの花を使用し、採油率は2〜3%程です。イランイランは留分によってグレードが別れており、通常蒸留時間が目安ですが、最終的には比重で判断します。イランイランのグレードは以下の様になります。(蒸留所や技術者の観点により、多少違いがあり)

* スーペリアエクストラ:比重954以上:水を入れず花に含まれた水分のみで蒸留:1時間程
* エクストラ:比重0.953〜964:水を入れずに3時間まで
* プルミエール:比重0.937〜952:水を入れて5時間まで
* ドゥジエーム:比重0.920〜936:8〜10時間
* トロワジエーム:比重0.920以下:14〜24時間

イランイランのハイドロレートはエッセンシエに集められ、もう一度蒸留器に戻されて再び蒸留に使用します。このことにより、ハイドロレートの中に拡散されている精油分が効果的に集められるわけです。スーペリアエクストラとエクストラは香水産業に主に使用され、ドゥジエーム以下は石鹸などに使用されます。アロマテラピーには主にすべてを一緒にしたコンプリート、またはプルミエール、ドゥジエームあたりを使います。コンプリートやエクストラは必ず表記があり、割高です。トロワジエームは乾燥肌や保留剤として有用です。

インドネシアのジャワ島でもCananga odorata var. macrophlla(カナンガ)の蒸留所を訪れましたが、香りも蒸留法も今回の方が優れていました。ジャワ島では木は高くしたままで、長い長い竹竿の先に小さいナイフをつけて花を収穫していました。非生産的?
b0164641_11491531.jpg
これバオバブの木です。大きいバオバブは、今回は日程の関係で見に行けないので、ホテルのお庭にある小さなバオバブを稲葉さんに教えてもらい、記念撮影しました。他にラヴィンサラやジンジャーについてももう少し書こうと思っています。お楽しみに。
[PR]
by lsajapan | 2014-07-30 11:51 | 海外にて

<69> Madagascar マダガスカルにて その1

津野田会長のお誘いを受け、6月14日よりフレグランスジャーナル社主催のマダガスカルツアーに参加しました。ツアーリーダーは東大名誉教授、農学生命科学研究支援機構理事長、香りの図書館の館長の谷田貝先生です。専門分野は天然有機物化学で、樹木や植物に含まれる生物活性物質の特性を解明し、利用技術の開発研究をされており、アフリカにも何度も指導に行かれています。
b0164641_1426375.jpg
マダガスカルの国樹:タビビトノキ(Travellers' Palm)

参加者は津野田会長ご夫妻やアロマテラピー関係者だけでなく、調香のエキスパートや森林保護や慈善事業の活動をされている方々が男性女性半々の総勢19名の団体となりました。ここに「アロマテラピー大全」で有名なピエール・フランコム氏が参加し、さらに豪華な顔ぶれとなりました。
b0164641_14545610.jpg
森を散歩中のフランコム氏

ところで今日6月26日はマダガスカルの独立記念日です。ジャパンタイムスにも記事が載っており、2009年のクーデターから暫定政権が発足し、様々な問題があったそうです。昨年10月に大統領選挙があり、現在のヘリー・ラジャオマンピアニナ大統領が選出されました。課題としてはインフラ整備、グリーンエネルギー(自然環境へ負荷の少ないエネルギー、太陽、風力、地熱、水力などで生成される再生可能エネルギー)の設備を充実させること、農業のインフラ整備があげられていました。これが整えばマダガスカルは天国です。
b0164641_14352714.jpg
地方によって家の建築材料は変わりますが、首都アンタナナリヴは煉瓦を使います。野外ではひたすら煉瓦を焼いている風景が広がります

マダガスカルはアフリカ大陸の右下に位置する島ですが、国土は日本の1.6倍・・・・・四国くらいの大きさかと思っていました。最初に降り立ったのは首都のアンタナナリヴで、標高1300メートル、南半球なので現在は冬です。でも冬と言っても1年中同じくらいの気候だそうな。でも朝は氷点下になることもあり、意外や意外、出発寸前にアドバイスされた真冬のフリースが大活躍しました。
b0164641_1437627.jpg
初日に宿泊したAntsirabeのホテルの庭:朝靄と朝日が美しいです

公用語はマダガスカル語とフランス語です。マダガスカル語はインドネシアのボルネオ島で話されている言語と近いそうで、2000年前まで人が住んでいなかったそうですが、最初にこの島に来たのはインドネシア人の子孫です。東アフリカと東南アジアのルーツがあり、この2つがブレンドされてマラガシ(Malagasy:マダガスカル人)ができあがったわけです。マダガスカルは6500万年前、インドとアフリカ大陸にはさまれていたという説が有力です。
b0164641_1437166.jpg
2種類のジンジャーの葉を持って説明するガイドのセルジュさんと右側はシャネル社のジンジャーオイル工場主:インドネシア系の雰囲気があります

クリスタルセラピーを学んだ時に“レムリア大陸”という場所がかつてあり・・・という話が出て、アトランティス大陸と同じように沈没してしまった進化した場所として理解していました。でも19世紀半ばにマダガスカルはイギリスの動物学者フィリップ・スクレーターにより“レムリア大陸”と呼ばれたそうです。(レムール:Lemurとはキツネザルのこと) 但しブラヴァツキー夫人の提唱するオカルトの世界で言うレムリア大陸とは認識が違うようですが。

通貨“アリアリ”は1円=20アリアリなので、日本の通貨だって0が多すぎるタイプなのにさらに0が並び、250円のビール代をお借りするのに5000アリアリなので、とても罪悪感が強く、倍返ししたくなってしまう相変わらずの数学虚弱脳です。
b0164641_1445256.jpg
バオバブの木が印刷されている2000アリアリ=100円

今回は用意も4〜5日前から始め、旅行代理店から送られてきたコワ〜イ注意書きと準備するとよいものリストを真剣に熟読し、ホームセンターに突進しヘッドランプ(頭にゴムバンドで付けるタイプ)を買い、ミネラルウォーターは4.5リットル、カロリーメイト、ウィダーインゼリー、馬鹿にして絶対に買わなかった日本食フリーズドライパック(これは具合が悪くなった時はお薬のように効きます。エジプトで吉村さんに入れていただいたお味噌汁は女神様に与えられた甘露のようでした)、さらに蚊除けスプレー、蚊除けバンド、蚊取り線香などをしっかりと揃えました。そしてもちろんいくつかのエッセンシャルオイルとオレガノカプセル。やはり要注意はマラリア、旅行者下痢、ロストラゲージでしょうか。今回はコンピューターもお留守番させました。いくらバックアップを取っておいても、全資料を持ってアフリカに行く必要はないでしょう。結局iphoneだけで8日間何とか生きられました。
b0164641_14453762.jpg
マダガスカル料理の一例

そしてあっという間に出発の日。成田集合で便の関係で最初はパリに12時間30分のフライト、そしてパリに1泊して次の日のフライトでアンタナナリヴに11時間のフライト。スケジュールを見てすぐに旅行代理店に電話して理由などを問いただして納得した上での参加ですが、初めての過酷なフライトスケジュールでどうなるかと思いました。でも実際は見たかった映画もいくつか見て、パリからは谷田貝先生のお隣で楽しくお話しさせていただいたり、そんなに苦痛ではなく過ぎて行きました。
b0164641_1446843.jpg
パリからアフリカ大陸上をひたすら南下してもうすぐマダガスカルです

ここでやっとマダガスカルに着いてからの話になりますが、もちろん飛行機から降りたら雨が降っているけれど外を歩いてね。という感じです。まあサンフランシスコ空港でも飛行機から降りて地面を歩く時があるので気にしませんが。それよりも何だか入国審査カウンターが外と行き来が自由みたいで、横入り自由、いつになったら私たちの番が来るの!? やーっと入国審査が終わってヤレヤレと思ったら、ただひとつだけのバゲージクレームには全く荷物が出てきていない・・・やはりアフリカはハードル高いです。何とか荷物を全員受け取ると現地のスタッフがお出迎えしてくれました。ガイドのセルジュさんは見事に日本語ペラペラ。日本に来てテレビに出た方が良いです。
b0164641_14481557.jpg
大学では植物学が専攻でパリや日本でも勉強したそうです。知識豊富で私たちには理想的なガイドさんでした

マダガスカルはカメレオンやワオキツネザルなどが有名で、猛獣はいないそうです。(但しクロコダイルはいます)多くの動物、爬虫類、植物が固有種であり、生態系の宝庫です。そしてたくさんの芳香植物(ヴァニラ、イランイラン、ブラックペッパー、ラヴィンサラ、ジャスミン、コンバーヴァ、スィートマージョラム、エキゾティックバジル、ジンジャー、ヴェティバー、ユーカリなど)と美しい花(火炎樹、エンジェルトランペット、ニチニチソウ、各種オーキッドなど)やエキゾティックな植物(マングローブ、バオバブ、タビビトノキ、ポトス、観葉植物として知られているものも多い)がいっぱいです。畑では人参がひたすらたくさん栽培されていましたが、お米とキャッサバが主食だそうで、水田が広がっていました。フルーツはバナナ、パパイヤ、マンゴー、ジャックフルーツ、パイナップル、ビワ、ココナッツ、青りんご、アボカド、チェリモヤ(バンレイシ)など豊富です。個人的な旅行だったら、迷わずに試したと思いますが、今回はグループでの旅行なので気持ちを引き締めグッと我慢し、後半モンキーバナナのような小さなバナナをピエール・フランコム氏が買ってきて回してくれたのを1つだけ食べました。ものすごく美味しかったです!
b0164641_1435015.jpg
b0164641_14491254.jpg
ノシベのホテルのお庭にいたパンサーカメレオン。まるでプラスティック製のように見えましたが、皆で囲んで写真を撮っていたら、ゆっくりと動きながら逃げて行きました

次にもう少し芳香植物や訪問したいくつかの蒸留所のことなどを紹介しますが、7月19日(土)に“マダガスカル報告会”をしますので、どうぞいらしてください。たくさん買ってきたヴァニラポッドで作ったマセレイテッドオイルをお土産にしようと思います。お楽しみに!
http://www.lsajapan.com/semi/201407special.html

b0164641_14341981.jpg
やっぱりイランイランは素晴らしかったです!
[PR]
by lsajapan | 2014-06-26 14:42 | 海外にて

<66> Costa Rica コスタリカ その2

少し時間が空いてしまいましたが、今回は前回に引き続いてコスタリカのことをもう少し書きます。オーガニック・コーヒー農園視察とコーヒー・テイスティングの方法がとても面白く、アロマテラピーともオーバーラップするところがあります。

コスタリカの首都サンホセの郊外に主人の学生時代の友人ご夫婦が経営しているホテルとオーガニック・コーヒーファームがあり、ここで数日間過ごしました。サンフランシスコにいる友人たちの話によると、お二人はコスタリカにエコロジーという考えを植え付けたと言ってもいいくらい活躍されているそうです。エコロジーの精神はホテルの運営やコーヒーファームの管理にも反映されています。お部屋のゴミ箱も“Organic”と”Recyclable”に別れており、燃える燃えないの分け方ではなく、土に帰すかもう一回使うかというわけです。紙は基本的にRecyclableですが、鼻をかんだりしたティッシュはOrganicとなります。食べ物を包んでいた紙はコンポストバケツに入れます。コンポストバケツだけはホテルの各部屋にはさすがにありませんが。ホテルのレストランで出す野菜の70%は敷地内の畑で育てるそうです。バナナもプランテーンも広大な庭から採れます。オレンジジュースも庭のオレンジから採ったものをすぐに搾ってくれます。
b0164641_053875.jpg
ここではプランテーンとはオオバコではなく、バナナの一種です。コスタリカには10種類程のバナナがあるそうですが、甘くない種類の料理用バナナがプランテーンです。朝ご飯のスクランブルエッグにも肉料理にも添えられており、揚げたものはフライドポテトのようです。西海岸でも見たことも食べたこともありませんでした・・・・
b0164641_0543414.jpg

そろそろ本題に行きます。コスタリカのコーヒーは酸味とまろやかな風味が特徴で、世界の中でもグレードの高いことで有名です。比較的標高の高いところ(800〜1500メートル:真正ラベンダーと似ています)でよく育ち、傾斜地で栄養分の豊かで水はけの良い土地がむいているそうです。コスタリカの気候はコーヒーには理想的で、乾期があり年間通して温度変化があまりない温暖な気候を好みます。最初のコーヒーは1779年にジャマイカから持ち込まれ、50年後にはコスタリカの主要輸出産業となりました。現在コスタリカでは7万件のコーヒーファームがあるそうです。

ここのコーヒーファームを歩いて回る時に、最初に各自1本長い杖を渡されました。ハイキングよりもトレッキングと言う感じです。ツアーガイドのユリシーズ君は急勾配の畑をスタスタと身軽に進みながら熱心に話をしてくれました。熱心になればなるほど早口になって行きますが、なぜかよく理解できるのは、やっぱり興味があるからなんでしょう。
b0164641_1113433.jpg

コーヒーノキの種類はいくつかありますが、アラビカ種とロブスタ種が有名で、コスタリカではアラビカ種だけを育てています。アラビカ種の方がより高級で繊細な味わいを持っています。コーヒーノキは風により受粉するので国土が小さいコスタリカでは、他の種が入って来ると簡単に自然交配してしまい、グレードが落ちるのでアラビカ種以外のコーヒーノキを栽培するのは法律で禁止されています。
4月の最初の雨が降るとコーヒーの花が一斉に花咲くそうです。白いジャスミンのような花が咲き、甘い良い香りがするそうです。年に3日程しか花が咲かないそうで、アブソリュートも存在するそうですが、かなり珍しく本物を手に入れるのは難しそうです。コーヒーノキはアカネ科の植物なのでクチナシと同じ科だそうで、それを考えるとなるほどと思います。
b0164641_0554928.jpg

20エーカー(8万平米)のコーヒファームにコーヒーノキだけを植えた方が、もちろん収穫量が増えますが、コーヒーノキだけだと雨期に雨で養分が流されてしまい、土砂崩れの恐れもあるそうです。だから他の根がしっかりした植物を多く植えてバランスを取るそうで、まるで自然の共生を人為的につくり出しているような感じです。長い眼で見れば土地のロスのように見えても、結果的には安定した土壌をつくり出すことでコーヒーの生産量も質も守ることができます。やはり自然の法則には意味があるんですね。パッションフルーツ、マンゴー、カシュー、その他観葉植物で見たことのあるものが多く植えられていました。

乾期はかなり乾燥するので、バナナの木を多く植えておくと周囲数メートルの植物を保湿してくれるそうです。知らなかったのですが、バナナの木はたくさんの水を茎にも根にも吸収して保持するので、バナナの仮茎をナイフで切るとドッと水が流れます。根の方もたくさん水を含み、何ヶ月も雨が降らなくても十分周りの植物まで潤うそうです。すごい!バナナ!でも薄々は感じていたのですが、バナナは木ではなく、草だそうです。多年草というわけです。
b0164641_1124950.jpg
仮茎を半分に切ったもの

コーヒーの実(チェリー)には4層の殻があり、中には普通2つのコーヒービーンが入っています。でも少し細長い実を開けてみると、1つだけしか豆が入っていないものがあります。これを“ゴールデンビーン”と呼んで、特別なグレードのグルメコーヒーとしてプレミアをつけて売るそうです。これは普通2つの豆がシェアする栄養分を1つの豆が独占してしまうので、味が濃縮されているそうです。コーヒーはすべて手積みで、お隣のニカラグアからの就労者がほとんどだそうです。
b0164641_0593326.jpg

赤く色づいたコーヒーの実は、まずは水に浸けます。沈んだものだけを使います。浮いたものははじきます。Chancadorという機械で殻をとり、その後10日間天日にあてて乾燥させます。さらに選別して、乾燥させたグリーンビーンのままで真空パックで1年間以上保存できるそうですが、ローストすると1ヶ月程で劣化してしまいます。だから受注してからローストして出荷するそうです。家にあるコーヒーは早めに飲んだ方が良さそうですね。
b0164641_101053.jpg
b0164641_104021.jpg

最後にコーヒーテイスティングをしてみました。挽いたレギュラーコーヒーと深煎りコーヒーと別々にカップに入っており、それを1つずつ熱湯を入れ、浮いて来た泡を取り除き、スプーン1杯ずつ空気と共にすすって味を言い表します。「ヴァニラ、カラメル、シトラス、チャコール」など皆で単語を叫び合いました。プロは600種もの形容詞を使うそうです。私たちは5人で10個くらいでした・・・その後に舌のどこにどんな味を感じるかと聞かれ、???舌の先端は甘味、脇側が酸味、奥が苦みだそうです。(でも調べてみたら、それは古い仮説で、現在は全ての部位で全ての味覚を感じるそうな・・・)ま、いいですがね。コスタリカのレギュラーコーヒーの方はやや酸味があり、深煎りの方はもちろんそこに苦みと甘味が加わります。こんなにじっくりコーヒーの風味について話し合うなんて、まるでワインのようです。
b0164641_11831.jpg
かわいいコスタリカのコーヒーフィルター
b0164641_11489.jpg

[PR]
by lsajapan | 2014-02-01 01:03 | 海外にて

<65> Costa Rica コスタリカ その1

息子マシューの6年半の大学生活もついに修了し、卒業式に出席しに11月末から3週間程サンフランシスコに行きました。成績最上位卒業生のスピーチも任され、4才からのインターナショナルスクールから始まった彼の教育は一応のところ完結しました。感無量です。できることなら彼と同じ教育を受けたかったな〜と夫と共に語り合いました。本当に羨ましい限りです。

サンフランシスコ滞在中に、卒業のお祝いに主人の学生時代の友人が経営しているコスタリカのホテルとオーガニック・コーヒー農園を訪ねることにしました。サンフランシスコからは直行便がなく、ヒューストンへ3時間、サンホセ(コスタリカの首都)に3時間という乗り継ぎをしつつ、中央アメリカにある平和なエコロジー先進国に到着しました。Costa Ricaの意味はもともとクリストファー・コロンブスがこの地を訪れた時に、インディヘナ(先住民)たちが金のアクセサリーを身につけていたことから「豊かな海岸: Rich Coast」と名付けたそうです。隣国はパナマとニカラグアです。言語はスペイン語ですが、皆英語を流暢に話してくれます。日本と同じく軍隊を持たず、観光、コーヒー、バナナ、マイクロチップが主要な産業だそうです。カリビアンという感じよりもヨーロッパ移民が多い感じで、スペイン語を話さなければ普通にアメリカに住んでいる人々のようです。ただ大きく違うのは太っている人が少ないことですね・・
b0164641_12412942.jpg
ホテルの部屋からの風景
b0164641_1242359.jpg
通貨コロネス

環境問題に積極的に取り組み、環境保護先進国です。独立時は国土の95%が密林だったそうですが、現在は46%になっています。全世界の生物の5%が5100平方キロの面積のコスタリカに生息しています。人口は450万人で、比較すると東京だけで1300万人で2000平方キロの面積に住んでいます。
b0164641_12425644.jpg
木の枝のところに暗い色が見えますが、これは別の植物(エアープランツ)が寄生しています。まるでアレンジしたように美しいバランスです

EPI(環境実績指数)や国連の人間開発指数もラテンアメリカでは1位(それでも62位ですが。日本は2013年は10位です)、イギリスの環境保護団体による地球幸福度指数では2009年1位に輝いています(日本は75位!です)これは国民の満足度と文明的な活動,環境への負荷などを考慮した指数だそうです。もともと豊かな自然環境に恵まれており、熱帯雨林(Tropical rain forest)、熱帯乾燥林(Tropical dry forest)、雲霧林(Cloud forest:標高2500〜300メートル)など国の東西と標高で様々な環境があり、少しずつ植物の状態が違って来ます。ちょうどエッセンシャルオイルのケモタイプができる環境上の違いを思い出してしまいました

私たちが訪れたカララ(Carara)国立公園では、2つの環境:太平洋側の北側の乾燥地帯(熱帯乾燥林)と南側の湿地帯(熱帯雨林)のボーダーラインにあり、ハイキングしていると両方の環境と植物群を観察できます。レインフォレストでは太陽光線を直接受ける高木の枝葉が茂る部分と、下の太陽光線が直接あたらない部分とでは生態系が違い、何十メートルもの高さの樹には上層、林冠、低木層、低木レイヤー、地表の5つのレベルで変化が見られます。エアープランツや寄生植物がビッシリと大木に付着して、鳥や動物たちがやってきて巣を作ったり、食べ物を探したり歌ったり眠ったりしています。映画のアバターに出て来る樹のように、上に伸びて森林の中で太陽光線を獲得しようとする上への成長と、栄養と水の獲得のために地下の根だけでなく、枝からもたくさんの根を生やしてどんどん下へと向かいます。気温が高く湿気があるので、温帯だったら1年かかって分解される落ち葉などは、活発な微生物や菌類の助けで約1ヶ月で腐葉土となるそうです。本当に自然は上手くできていますね。生物の多様性のレベルが高く、様々な生物が共生しています。調べてみたところ、「レインフォレスト」という用語は1898年ドイツの植物学者A.F.W.Schimperがつくり出したそうです。レインフォレストだけでも30種類のタイプがあるそうです。
b0164641_12431365.jpg
カノーピートゥリー:元々は中心に大きな樹があって、それを囲むように寄生植物であるこの樹が育ち、最終的には真ん中の樹を絞め殺して吸収してしまうそうで、中央は丸く空洞になっています。195センチあるマシューが小さく見えます

ガイドをしてくれたのは、大学で生物と生態系を学んだというホテルの従業員でもあるマノロさんで、運転手も兼ねて丸1日一生懸命、優しい穏やかな語り口でたくさん説明をしてくれました。まず国立公園の入り口ですでにイグアナたちがボケ〜としており、観察に訪れた人々がそっと近づいて写真を撮っては、そっと離れて行きます。鳥も動物たちも私たちが静かにしていれば、いつもの姿を見せてくれます。森林の中を歩いていると逃げてしまう生物たちも、しばらく動かずに静かにしていると、姿を現すものもいます
b0164641_12361042.jpg
熱帯雨林はハイキングの順路以外は数メートル先しか見えないので、鳥や動物たちは特徴のある鳴き声を立ててお互いコミュニケーションを図ります。ハンサムなマノロさんが突然お猿の鳴き声をあげ、向こうの方で確かにいるお猿が、全く同じ調子で返事をしてくるわけです。まあ見事でした。鳥の鳴き声もそっくりで、鳥たちもマノロさんの呼びかけにちゃんと答えていました!
b0164641_12461663.jpg
ズームで何とか捉えたトゥーカンのカップル
b0164641_13573339.jpg
美しいスカーレット・マカウ:ズームで撮ったのでこれが精一杯

私たちが出会うことができたのは、様々な爬虫類と虫:ほとんどがマノロさんがグリーンのレーザービームでその生物がいる近くを照らしてくれたので見つけることができました。完全に保護色なので素人の我々には見つけるのは難しいです。ハイキングをしていると時々マノロさんが「足元気をつけて下さい!Leaf-cutter ants(ハキリアリ)ですから踏まないで下さい!」と言います。かなり大きな葉を一生懸命運んでいる蟻たちがせっせと道を横断しています。日本の大型の蟻と同じくらいの大きさですが、葉は2X3センチぐらいのものです。巣に運び込んで共生型の真菌が分解し、蟻の養分となるそうです。運んでいるのは全て女王蟻の娘たちだそうで、働き者ですね。でも、じゃあ雄はどこに行っているんだ!協力しないのか?と思いますよね?実は雄は生殖のためだけに女王蟻の周辺にいて、用が終われば死んで行くそうです。雄はさぼっているのかと思いきや・・・事情があるんですね。
b0164641_12443752.jpg
鳥が素晴らしく、是非見たかったトゥーカン(オオハシ)とマカウ(コンゴウインコ)たちも見ることができて大満足。動物園でも見ることができないくらい私にとっては子供のときからの憧れの鳥です。私たちが見たのは、特にオオハシのなかでもサンショクキムネオオハシと言う種類だったみたいです。
b0164641_12463391.jpg
National Geographicより
b0164641_1247191.jpg
カワイ〜!一部では”キョロちゃん”とか”フルーツポン”(注:45才以下にはわからないケロッグの商品です)のキャラクターを思い出す方も多いのでは?

年末は慌ただしく、まだまだまとめ足りないので今回は一応この辺までにして、次回はオーガニック・コーヒー農園とコーヒー・テイスティングの方法を書きます。やはり今まで訪れた薬用植物や芳香植物を有機栽培している農家と、かなり重なる部分がありました。でも作物が違うので大変興味深く収穫は大きかったです。植物の特徴としてもコーヒーノキは面白く、生産方法や風味の違いなどはまるでワインのようでした。1週間くらいでアップできると思います。それでは皆様今年も大変お世話になりました。来年も素晴らしい年にしましょう。よいお年をお迎え下さい
[PR]
by lsajapan | 2013-12-29 12:56 | 海外にて

<54> Santa Rosa and Sausalito, CA サンタローザとサウサリート

先月サンフランシスコに行ったのですが、その後あまりの忙しさにブログが更新できませんでした。何が忙しいかと言えば、自分の本の原稿を終わらせるために部屋にこもってずっと書いていました・・・・でもどうやら校正を残して書き終わりました!1年半もかかってしまいました・・・昨年ワンダ・セラー氏に「“84の精油”を書き上げるのにどのくらいの期間がかかりました?」と聞いたら「そうね〜半年くらいかしらね〜」とおっしゃっていたのを思い出します。私は3倍かかりました。実際リサーチするのは時間がかかりましたし、古い本を取り寄せて読んだり、考え込んだりまとめたり、自分なりに本当によく研究した感じです。やっと次のステップに取りかかれるので、嬉しいです。タイトルは“香りの錬金術”にしたいと思っていますが、ブレンドの本なので、そちらがタイトルになるかもしれません。

ところでサンフランシスコ。兄の家の近くにはセバストポールと言うヒッピーの集まる町(正確には60年代にヒッピーが住み始め、現在では自分たちが60代になり、お金持ちになったヒッピーの町)があり、Farmers’marketやWhole Foodsがあって楽しいです、毎日こんなところでウロウロしていたい!
b0164641_0405261.jpg
野菜もフルーツもいい色です。形もいろいろ、ポテトの色もピンクから普通の色まで・・・・
b0164641_0414152.jpg
グリーンの野菜もとってもきれいで、フローレンスフェンネル、スイスチャード、パースニップ、ビーツグリーン、スクヮッシュ、アーティチョークなど大好きな野菜がいっぱい。そして全部が厳しい審査に通った有機栽培農家で育てられた作物です。
b0164641_0435286.jpg
 "パッケージにではなく、食品にお金を払おう"のメッセージと共にあらゆるお米の種類(ワイルドライス、ジャスミンライス、ブラウンライス、ロンググレインライスなど)やあらゆる穀類(キヌワ、バーレイ、オーツ、ミュレット、バックウィートなど)豆類が並んでいます。全て自分で好きなだけ詰めて、レジで計ってチャージされます。
b0164641_04232.jpg
例のコンブチャがあり、やっぱり買ってみることにしました。ちょっと写真を撮ろう。去年より随分大きくなったマートルの前にしようかな・・・・で、飲んだらやっぱりこれは母が私が小学校時代に作って飲んでいたものと全く同じ。ウ〜ンまずい。おまけに中をのぞいたら(紅茶キノコですが)カビの様な物体が浮いている・・・頑張って3分の2は飲んだけれど、もういらない。結局これは今どきのビネガードリンクと同じ類いのものであって、きっと身体にはいいのだと思いますが、あんまり得意ではないです。
b0164641_0424485.jpg


そしてサウサリートに行きました。とても素敵なところで、ベイエリアでは最も高級な場所でしょう。主人のお友達のバースデーディナーに行く前に少し時間が余ったので、寄りました。何とも言えず風景がいいです。文化の香りと自然の豊かさが感じられ、東海岸でもないヨーロッパでもない、この雰囲気が好きです。サンフランシスコ・・・
b0164641_059185.jpg
サウサリートは湾をはさんでサンフランシスコ市内の向かい側にあります
b0164641_0592119.jpg
トレーダーヴィックスの本店へ行きました。毎回来るのですが、ヨットハーバーのある海辺の素敵な景色の見えるお店です。
b0164641_173273.jpg
メニューも東京のと同じ、カクテルも同じです。強烈なので飲み過ぎないようにしないと爆睡してしまいそうです。
b0164641_101579.jpg
おしゃべりをしていれば、あっという間に暗くなってしまいました。一番奥に座っている今日のお誕生日ボーイのスコットは草月流の華道家で、大きな作品を日本庭園に展示したりしています。
b0164641_122986.jpg
原稿に取り組みすぎて首に激痛が走り、大変だった過去数ヶ月ですが、案外楽しく過ごしていましたね。私。
[PR]
by lsajapan | 2012-08-30 01:25 | 海外にて

<52> BALI and JAVA Part 3 バリ島とジャワ島その3

インドネシアでのフィールドトリップの報告を続けます。今回はクローブです。クローブの精油はイギリス式アロマテラピーでは皮膚に使えないとされていますが、フランス式では低濃度で局部的に使用します。(花蕾からの精油のみを使用すること。マッサージオイルには0.5%までにして、皮膚の弱い方、弱い部分には使用しないこと)素晴らしい殺菌作用があり、ディフューザーブレンドに加えると効果的です。
b0164641_4524658.jpg
クローブ (Eugenia caryophyllata: インドネシア語:Cengkeh)は花蕾と葉、枝を産業には使用します。クローブはフトモモ科の常緑樹で丁字とも呼ばれ、香辛料や生薬にされて来ました。現在インドネシアでのクローブリーフのエッセンシャルオイルは年間生産量2000トンで、主に分子蒸留されてオイゲノールを抽出するのに使います。クローブバッド(花蕾)オイルは年間生産量50トンです。95%のクローブバッドはガラムなどのブランドで有名なクローブタバコ(Kretek)に使われます。
b0164641_521051.jpg
Kretekの言われはクローブタバコを吸うときのパチパチ音から来ているそうです。彼らには"パチパチ"が"クレテック"と聞こえたのでしょう。1880年代にジャワ島に住んでいたハジ・ジャマリ氏が、持病の喘息と胸部痛のためにクローブ油を胸部に擦り込んで症状を緩和していたそうですが、効果的に肺に精油成分を送り込むために煙草にクローブの花蕾と樹脂を巻いて喫煙したら、すぐに症状は消えたそうです。これがクレテックの始まりで、年々工場を大きくして行き、今では一大産業となっています。でもジャマリ氏は肺がんで亡くなっています・・・蒸気吸入にすれば良かったのに・・・

クローブの主成分はオイゲノールで花蕾には約70%、葉は約90%含まれます。葉の方がよりきつい香りがして、子供のときの歯医者さんの匂いを思い出します。歯科で使用するのは酸化亜鉛ユージノールですが、最近はそのままの匂いではあまり使っていないようです。クローブリーフから採れた精油はそっくりの香りがします。ところで、ユージノール=オイゲノール=eugenolです。念のため。

クローブの樹はかなり大きくなり、葉の収穫は年間を通して行なわれます。でも伐採というよりは落ちた葉をひたすら集めて蒸留しているとのことです。それで足りるんですね・・・去年は雨が多く精油の収穫量が半減したそうです。バリ島の北側のバニュアティスという標高の高いコーヒー栽培で有名な場所まで行き、クローブ農家の蒸留所を視察しました。驚いたのが、ハイドロレートを川に捨てていたことです。蒸留器もステンレスですが、かなり原始的な感じです。ここで抽出されたエッセンシャルオイルは近代的設備のある工場で分子蒸留されて、オイゲノールをとります。
b0164641_523370.jpg
歓迎していただき、左端に写っていますが、ガムランの演奏で迎えてくれました。クローブリーフを蒸留中
b0164641_5234274.jpg
比重の違う精油成分を採取ています。ちなみに一番上の方に写っているパイプでクローブの蒸留水を直接川に捨てています
b0164641_5283327.jpg
こちらは最新式の抽出工場にて。分子蒸留器や超臨界流体抽出法の設備も見せていただきました。

とても印象に残ったことは、農家がとても貧しく、とても古く今にも壊れそうなバラックで蒸留しているのと、中国系のエリートたちが仕切っている最先端の近代設備のある企業との差が大きい点です。リゾートホテルのような事務所で仕事をしている人もいれば、100年前とどのくらい違うのかと思う環境にいる人々もいます。どちらが幸せか豊かかは決められませんが・・・
[PR]
by lsajapan | 2012-07-08 05:40 | 海外にて

<51> BALI and JAVA Part 2 バリ島とジャワ島その2

バリとジャワのフィールドトリップの報告会も無事終わり、現在はマシューに会いにサンフランシスコに来ています。アロマトピアにもリポート記事を出しますが、写真の数が限られていることもあり、フィールドトリップについてもう少し報告しようと思います。

まずはカンファレンスの後にバリ島のヴァニラ・プランテーションに行きました。ヴァニラはよく知っているつもりですが、どのようにあの真っ黒な鞘状の甘い香りのする物体はできあがるのか、説明で読み知っているつもりでも実際のプロセスは見たことがありませんでした。
b0164641_15232347.jpg
ヴァニラ(Vanilla planifolia:インドネシア語 Panili, Vannili) はマダガスカル、タヒチ、メキシコのものが有名ですが、バリでも良質のヴァニラを生産しています。ヴァニラはつる性のラン科の植物で、最初植えてから2〜3年経てさやを収穫します。さやえんどうのようなヴァニラの鞘を2ヶ月かけてキュアリング(保蔵処理)します。
b0164641_1524313.jpg
これは60度のお湯の中に2日程置き、3〜4週間ほど太陽の下で乾燥させ、その後3〜4週間ほど箱の中で発酵させます。ヴァニリンを0.2〜2%含み、これがカビを予防してくれますが、がくの部分にはヴァニリンがあまり含まれていないために、かびるとしたらそこからなので、気をつけなくてはなりません。そして発酵の過程で処理を誤ると全体がかびてしまい、商品価値がなくなってしまいます。
b0164641_15263290.jpg
大切に取り扱われ、鞘の長さや色、艶などのチェック項目があり、グレード別に分けられます。食品として取り扱われるためにマスクやキャップなどを装着しての作業です。最終的には収穫量全体の10〜15%だけがグルメ食品用として出荷され、残りはエクストラクトとして利用されます。
b0164641_15273051.jpg
インドネシアの歴史を調べ出すとかなり面白く、奥深い歴史、人種、宗教、地理,自然資源など、研究価値のある複雑で豊富な背景があります:インドネシアは1万8110の島々により構成されている共和国です。中世よりスパイス交易で有名で、スパイス・アイランドと呼ばれて来た数百の島々からなるモルッカ諸島(インドネシアではMaluku Islandsと呼ばれています)は主なスパイスの産地です。15世紀以前はこれらのスパイスはアラブ、インド、中国を経てヨーロッパに運ばれました。15世紀以降は大航海時代となり、ヨーロッパに輸出され、防腐剤や病気予防のために使用され、金と同じ値段で取引されました。最初はポルトガル人が訪れ、17世紀にはイギリスの東インド会社が勢力を拡大し、モルッカ諸島でイギリス、ポルトガル、スペイン、オランダが争いました。(スパイス戦争)1945年スカルノ大統領によりインドネシア共和国として独立します。独立の前には日本が支配した時代があり、かなりの援助や軍事技術の指導も行なっていました。人口比率を見てみると300の民族野中でジャワ人45%、スンダ人14%、マドゥラ人7.5%。マレー人7.5%、中国系は5%のみです。イスラム教徒が76%を占めています。

次はクローブについて書きますね!サンフランシスコにいる間にアップしようと思っています。
[PR]
by lsajapan | 2012-06-29 15:34 | 海外にて

<50> BALI and JAVA バリ島とジャワ島

アジアの芳香性植物原料についてのコンフェレンスと見本市がグランドハイアット・バリで開催されました。アロマテラピーには関係がなく、エッセンシャルオイルの完全に別のマーケットを見ることができました。なぜ参加したかというと、3月末に来日されたシュナウベルト博士がスピーカーとして出るのと、カンフェレンスの後のフィールド・トリップでバリとジャワの農場視察と蒸留所を周り、さらに憧れのボロブドゥール仏教遺跡に行くというので、急遽参加することにしました。今までなじみの薄かった国の人々とも仲良くなり、本当に楽しかったです。大手の香料会社の方々や原料を蒸留、精製、卸売りしている方々のレクチャーを聞けたり、業界の情況など様々な話を聞くことができました。エンターテイメントの方もぬかりなく、バリの王族の家でのパーティーや民俗芸能などのショウも堪能しました。日本からの参加者が全くいなかったのですが、日本の企業のインドネシア支部の方や、大手日本企業との取引をしている会社がたくさんありました。詳しくは6月23日に“バリ、ジャワ報告会”で詳しく紹介したいと思います。

インドネシアのビジネスの70%は中国系が仕切っているそうで、中国系のインドネシア国籍の方がたくさんいらっしゃいました。皆とても親切で温かく、フィールドトリップではお世話になり、忘れられない思い出になりました。フィールドトリップでは、ヴァニラ、クローブ、パチューリ、カナンガ、ナツメグの農場を視察しました。中心から車で5時間くらいかかる地域にも行き、普通では訪ねることができない場所を視察することができました。蒸留所は差が大きくあり、農場で使われている釜はかなり古め、大きな企業が経営している抽出所では最新設備が整い、大規模に何十種もの蒸留器、抽出装置を使用していました。コーヒー、ジンセン、ジンジャー、ガランガル、ヴァニラ、グリンティーなどのエクストラクトやクローブ、ナツメグ、メース、ベティバー、カシア、ライムリーフなどのエッセンシャルオイル、さらに分子蒸留では特定の成分を高真空状態で抽出します。クルクミン、オイゲノール、ヴァニリンなどが代表的です。食品のフレーバリングや香料、健康食品、医薬品、医薬部外品などに使用されています。やはり市場がアロマテラピーとは桁外れに大きく、工場も24時間稼働しているそうです。何回かに分けてブログでも紹介して行きたいと思います。ここではまずいくつか写真を紹介します。
b0164641_22253094.jpg
ジャワのハイアット・リージェンシーにて
b0164641_22284013.jpg
カナンガ蒸留所にて
b0164641_22295397.jpg
INDESSO社の食品用抽出オイルの見学ではお決まりの服装をして記念写真を撮ってしまいました
b0164641_22314792.jpg
有名な蜂蜜ベースのカユプテやクローブなどが入った濃厚な精油リフレッシュ飲料"トラカンジン"。お腹がスッキリするからと言われて飲んだら腹痛を起こし、またまた赤道直下での浄化が・・・でもすぐ回復しました
b0164641_2236542.jpg
インドの精油卸業者を営むシリッシュ氏と奥様と一緒に:子供のときから憧れて夢にまで見たボロブドゥールにて

ほかにもヴァニラの栽培と発酵、乾燥、選別、貯蔵の各段階を見せていただいたり、山奥のクローブ蒸留所、さらに山奥のパチューリ畑と怪しい寺院などたくさん紹介したいことがあります。カユプテやナツメグも現物を持ち帰りました。カナンガの花は変色してしまいました。原料植物についてもっと深い知識を得ることができ特別な関係を持つ植物が増えた感じがします。
[PR]
by lsajapan | 2012-05-21 22:46 | 海外にて

<40> Munchen with Dr. Schnaubelt ミュンヘン

シュナウベルト博士の企画するドイツ南部ババリア地方(バイエルン)ミュンヘンでの研修ツアーに行って来ました。初めてのドイツですがババリア地方出身者であるシュナウベルト博士一家がホスト役で、いろいろな名所や畑を訪ね、収穫の手伝いや蒸留の過程を見学させていただきました。

まずはミュンヘン空港、とても機能的で能率の良い空港として有名だそうです。デザインも美しくすぐに外に出て,タクシーはと乗り場に行ってみたら全てベージュ色のベンツ。さすがですね〜。アウトバーンは現在3分の2は制限速度が設定されているそうですが、150kmだったりします。小雨が降っていても運転手さんははりきって200km出しておりました。ノリノリで話をするので「Slow down」とも切り出せず、ヒヤヒヤしてしまいました。時間帯や天候,車線でも制限速度は変わるようで、電光掲示板になっている制限速度表示は各レーンに設定されておりました。200kmで運転しているのに、まだ抜かす車もおり、性能の良い車ばかりを見かけるあたりはドイツなんだと実感。

今回O-104の騒ぎは多少懸念材料になっておりましたが、北のベルリンでのことなので,南のミュンヘンでは全く話にも出ず、初日から皆大いにサラダを食べていました。宿も「バイオホテル」なわけで、野菜は全て有機栽培、肉類も全て健康的で人道的な飼育法で飼われた家畜からのものだけです。それでも私にとって、名物料理のクヌーデルや白ソーセージ、ザワークラウト、皮付きポーク、レバーケーゼなどは,あまり得意ではないタイプの料理なのでシュナウベルト博士の冷たい視線をよそにひたすら各種サラダを食べていました。
b0164641_143111.jpg
私の部屋です。スイスパインで建てられていて、1週間ずっとパインの木材のいい香りに包まれて熟睡できました

シュナウベルト博士のしてくれたババリア地方の可愛いらしいお話:
昔々神様が皆に土地を分けてあげることにしました。フランス人、イギリス人、イタリア人、スペイン人、ババリア人など皆に声をかけておき、いよいよ集合時間になりました。皆きちんと約束の時間にやって来ましたが、飲んべえのババリア人はビールとシュナップスの飲み過ぎですっかり寝過ごしてしまいました。神様が皆に土地を分け与え終わったあとに「すみません遅れてしまいました」とやって来たババリア人に神様は「困ったな・・・もう全ての土地を分け与えてしまったよ。しょうがない,私の土地を少し分けてあげよう」と自らの土地を分け与えてくれました。だからババリアは「神の土地」だそうです。満面の笑顔で話し終わったシュナウベルト博士....しばし皆で大笑いする中、とても嬉しそうに誇り高いババリア人を前面に打ち出し、何とも無邪気な博士の一面を見る気持ちでした。

また博士の母校であるミュンヘン工科大学の農学研究室にもお邪魔して、電子顕微鏡を覗かせていただいたり(メリッサやミントの葉の表面はエメラルドの宝石がたくさん輝いているようで美しかったです)最新の蒸留器での小ロットの蒸留をしてきました。原料植物を収穫後にどのように扱うかも抽出される精油に大きく影響が出ることを学びました。モナルダからは真っ赤な精油、ヤローからは美しいブルーの精油が抽出されるのが見え、時間が経つごとに青色が濃くなって行くのを観察しました。
b0164641_133341.jpg
「ぎゅうっと入れてはいけません」とリンダー博士

カモミール、メリッサ、アンジェリカの畑を見学、収穫体験、蒸留の手伝いをしたり、硫化物の除去法や苦労話などレクチャーをしていただきました。3件の農家を3日に分けて伺い、2つの農場ではランチをごちそうになり楽しく過ごしました。それぞれの植物で収穫の方法がそれぞれ違う工夫がされていたり、どのくらい投資しているかなどが手に取るようにわかりました。ジャーマンカモミールもローマンカモミールも極上品を仕入れて来ました!40ヘクタールのジャーマンカモミール農場主のキストラー氏は自信たっぷりで「私は絶対に妥協はしない。混ぜ物だって絶対にしない。市場に出ている80%のオイルは偽和されているが、私は一切受け入れない」と厳しい口調。グリーンの上下の新品仕事着でドレスアップしてご自慢の超大型刈り取り機で収穫の様子を見せてくれました。様々な問題と闘って開発して来た収穫法と蒸留法で3年は色が変わらない純粋なジャーマンカモミールを100ml買い付けて来ました!来週はセール広告を出しますので、お見逃しなく。
b0164641_1364427.jpg
アンジェリカ畑で

ノイシュヴァンシュタイン城まで足をのばし、ルートヴィヒ2世の人生を垣間みたり、ランチからビアホールに行って楽しく過ごしているババリア地方の人々の大らかさに触れたり、ソーラーパネルが各家に設置している意識の高さ、サイクリングレーンが随所にあり、ぼんやり歩いていると突き飛ばされそうになるので注意しながら観光したり,憧れの薬局(アポテーク)に行ってみたものの四カ国語の説明文に英語はなし。フランス語が書いてある時はそれが唯一の頼り。結局薬剤師さんにお尋ねしながらいろいろな情報をお聞きしました。ババリア地方の夏は天候が変わりやすく晴天だと思ったら突然大雨、日が照っているとタンクトップになりたいのですが、急に陰ると寒くてたまらなく、セーターが必要という気候は驚きの連続で、朝の天気では判断しないという習慣がついてしまいました。1日に二転三転するのです。6カ国からの参加者と共にいつもとはちょっと違う新しい体験をさせていただきました。

7月30日(土)にアドバンスト・スタディー・セミナーとしてドイツのアロマテラピー報告会とその後は新しい赤坂のスクールのお披露目も兼ねてババリア・パーティーを企画しております。クヌーデルとドイツの低アルコール・スパークリングワイン、ソーセージもできるだけ本式のものを用意してみようと思います。どうぞいらして下さいね!
b0164641_1385348.jpg
グループ観光もバスでなく自転車で・・・エコロジカルで健康的ですね。
[PR]
by lsajapan | 2011-07-03 01:39 | 海外にて

<38> 再びサンフランシスコ

ロタンシエルのスプリングセールは、たくさんのオーダーをいただきましてありがとうございます。集計した結果、売り上げの10%、5万円程の日本赤十字社に寄付する義援金が集まりました。現在サンフランシスコにおりますので、帰国後真っ先に郵便局に向かいたいと思います。本当にありがとうございました。

今回サンフランシスコに来たのは、マシューの大学の卒業式に出席するためです。この期間には地震でずれ込んだLSAの卒業試験もあるので多少懸念しましたが、これは家族にとってひとつの締めくくりなので、来させていただきました。皆から「マシューが大学卒業するなんて〜まだ小学生くらいのイメージが・・・」などと言われ続けていますが、その通りです。案外人生は短いのではと考えてしまう程、子供の成長は早いですね。

マシューの大学は西海岸では最も歴史の長い美大で、学士、修士、博士と3種類の卒業生たちがおり,年齢も21才から67才まで様々です。欧米の卒業式のお決まりの帽子ではなく、ベレー帽でした。自由な雰囲気で中にはソンブレロ(メキシコの大きな帽子)をかぶる子もいたり、サンフランシスコ・ジャイアンツの帽子、野球帽にサメが前後に突き出ているタイプなど、ときどき信じられない帽子をかぶった卒業生たちもいました。
b0164641_21274814.jpg
     おめでとー!でもあと2年デジタルアートを勉強するそうです

卒業生の個展も同時開催で,いろいろな作品がパーティー会場(キャンパスの一部ですが、昔はグレイハウンドバスの車庫に使われていた体育館のような建物)に展示されていました。その中でもひと際目をひいたのが、アンバーで作ってあるような家(6畳くらいで屋根つき)があり、よく見てみたらオレンジピールでできているのです。よく見るとオレンジピール1枚ずつをアイロンでのしてからジグザグミシンで縫ったようです。床もオレンジピールなので,踏むと香りが立ちこめます。そしてちょうど太陽が当たって内側から見るとまるでステンドグラスのようでした。お父様がそのお家の中にいたのでお話を聞いたら、中学生の頃から食べたオレンジの皮はすべてとっておいたそうです。熱処理をするので5〜6年以上保存できるとのことですが,もう過ぎているのでは??一緒にいた友人のナタリーが帰り際に「中学生の時は何を考えてオレンジピールを保存したのかしら?大学の卒業制作に使おうって思ったわけではないでしょう?」お父様にはあまり突っ込むことができませんでしたが、何とも個性的でクリエイティブな卒業生たちの人生を垣間みた気分でした。
b0164641_21283464.jpg
この季節のサンフランシスコは雨もよく降り、一面のグリーンで花盛りです。真夏は乾燥気味になってくるので、このようなみずみずしいシーズンは貴重でもあります。家々のお庭からあふれている日本ではあまり見られない珍しいお花や樹や果実など、たくさん見かけました。ローズやカリフォルニアポピー、野生のアンジェリカやディル、雑草として生えているヘリクリサム、やっとわかったスパニッシュモスなどを写真に撮ってみました。
b0164641_21293842.jpg
シュナウベルト博士のご自宅のお隣のフロントガーデンに咲いていました
b0164641_21302451.jpg
愛らしいカリフォルニアポピー、根元にある別の葉も染色したような美しい色合いです
b0164641_213171.jpg
        すごく立派なアンジェリカの種類
b0164641_21315837.jpg
        ヘリクリサムは雑草として道端に
b0164641_2132413.jpg
前回は謎の物体と思ったスパニッシュモス。風になびいてきれいです

シュナウベルト博士と奥様のモニカさんと一緒に食事したり、ラテンクラブに連れて行ってもらったり(ついに行きました!)している間に一旦あきらめていたミュンヘン行きを強く勧められ、6月末に急遽1週間ミュンヘンに行くことにしました。アンジェリカやカモミール、メリッサなどのオーガニック農場を訪れて収穫や蒸留を手伝うそうです。エコロジーに関して最も進歩している国とも言われているので、よく見学してこようと思います。シュナウベルト博士に話すと「見ようと探さなくても常に目に入って来るよ」と笑っていました。たくさん勉強してまた報告しますね。
b0164641_21334496.jpg
マリーン・カウンティーのポイント・レイズという美しい海岸に向かう道は湿地帯で、美しい黄色い花が一面に咲いていました

 
[PR]
by lsajapan | 2011-05-26 21:52 | 海外にて