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カテゴリ:海外にて( 27 )

<95> Réunion:レユニオン島に行ってきました!

インド洋に浮かぶレユニオン島。マダガスカルからは800kmほど東のところに位置します。セイシェル、モーリシャス、マイヨット、コモロなども近くです。
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そしてここはアロマテラピーを学んだ人の憧れの地でもあります。レユニオン島の旧名ブルボン島の名が付いた精油や農産物がいくつもあります。

ブルボンゼラニウム
ブルボンヴェティバー
ブルボンヴァニラ
ブルボンコーヒー
なぜそんなに特別なんでしょう?

行ってみてわかりました。約2500km2の島には2つの火山があり(ひとつは休火山ピトン・デ・ネージュ、もうひとつは活火山ピトン・ド・ラ・フルネーズ)ユネスコの世界遺産として2010年に登録されています。この火山によって約300万年前にできた島は、鉱物が豊富に含まれる火山灰土壌で、小さな島に高い山があることで上昇気流が発生しやすく、降水量が豊富です。季節は夏と冬(雨期12〜4月と乾期:5〜11月)ですが、南半球なのでこれから夏本番。
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元々は無人島だった島を16世紀にポルトガル人が発見して、17世紀にフランス領になりブルボン島と命名されました。何回か島の名前は変更されていますが、現在はフランスの海外県です。インフラや年金制度などがおとなりのマダガスカルとは全く違い、きれいに舗装された道路と清潔な環境、物乞いゼロ、動植物の管理、研究、自然保護などがしっかりと整っています。独自の生態系を持ち、固有種や園芸品種などが豊富です。
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ピトン・デ・ネージュの近くのピトン・マイドから下を見下ろすと、いくつか村が見えます。標高は2190mです。
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ゼラニウムを中心とした農家です。5種が植えられており、バリエーションが楽しいです。

温暖で降水量も十分なので、緑の深いところもある一方、溶岩でゴツゴツしたハワイ島のコナを思い起こさせる風景も見ました。標高の差によって気候帯も変わるので微気候(Micro Climate)が特徴です。
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サトウキビ畑が広がり、島の第一の農産物となっています。サトウキビからは砂糖だけでなくラム酒や家畜の餌、火力発電の燃料、ヴァニラのマルチングに使用したり、フル活用です。
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母がいつも紅茶やコーヒーに入れていたラ・ペルーシュ・カソナードのキビ砂糖もレユニオン産だったんですね〜なぜ茶色い角砂糖の角が崩れているものを愛用しているか、二十歳そこそこの私には想像もできませんでした。
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案外身近にあったレユニオン・・・・

https://www.arcane-jp.com/cassonade/
http://www.ucc.co.jp/bourbon/

ブルボン・ポワンテュという特別なコーヒー・・・・18世紀にブルボンコーヒーから変異したことが記録されていますが、ヨーロッパでは大人気となったそうです。その後、サイクロンの被害にあったり、戦争の影響でコーヒー農場は消えて行きましたが、20年程前からリバイバルとなりました。現地でも高価でしたが。味は格別、ちょっとチョコレートのような香りと爽やかな酸味を感じます。ガイドのジャン・リュックさんから聞いたところでは、ブルボンコーヒーは他のコーヒーと比較して50%程しかカフェインを含みません。再開発には日本の資本が入ったんですね。
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芳香植物の栽培も盛んで、いくつか農場も見学して来ました。ヴァニラはやはり世界一の風格がありました。ジャワ島の農園にも訪れたことがあり,キュアリングの説明も受けましたが、時間のかけ方などがかなり違うことがわかりました。今回は何種類ものヴァニラを育てているところを見ることができ、美しい花や人工授粉の方法、キュアリング、選別なども見学しました。
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ヴァニラの花:ラン科の植物なので、美しい花が咲きます。1日で枯れてしまうそうです。その間に受粉できなければヴァニラビーンができないので、レユニオン島では女性たちが受粉の作業をします。

ブルボンゼラニウムも学名=植物のような簡単な種ではないことがわかり、現在、一生懸命リサーチしています。何件かの農家を訪れ、どのような種類のゼラニウムを植えているか、蒸留はどのようにしているかをよくみせていただきましたが、学名や交配について調べて行くと、かなり複雑です。

11月6日の日曜日14〜17時に3時間かけて、今回の旅行で見学した植物類、そしてさらに詳細にリサーチしたことを紹介します。様々な精油やヴァニラ・エクストラクト、ヴァニラビーンを使ったお菓子(私が作ります!)やブルボンゼラニウムのお茶やジェリーを味わいながら、楽しいひと時を過ごしましょう。
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by lsajapan | 2016-10-09 13:31 | 海外にて

<94> サンフランシスコの夏休み

8月はサンフランシスコ(ベイエリア)で2週間ほど過ごしました。いつものように天気がよくて昼間は25度程度、朝晩は8度くらいまでに下がります。1年中同じような気候ですが、やはり夏はお花がたくさん咲いているし、華やかな感じです。今年は冬場にエルニーニョの影響で雨が多かったそうなので、例年よりも風景がよりグリーンです。でもエサレン・インスティテュートのあるビッグサーの内陸部では山火事が7月22日に発生してすでに7400エーカー(1エーカーは1200坪)を焼き尽くしています。4100人程の消防士が消火活動に従事しているそうで、モントレーの街角や家の前には"Thank you, fire fighters! We love you!" というサインや横断幕を目にします。
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モントレーには有名な水族館があり、久しぶりに行きました。でも入場料が49ドル95セント!年間パスかと思っちゃいました。マシューと2人(主人はゴルフ)で100ドルだ〜!それじゃあじっくり見ようと2時間半もクラゲやおいしそうなアンチョビやツナ、レスキューされた海鳥たち(特にパフィンが可愛い!)などから、イゾギンチャク、ウミガメ、スタインベックの小説の裏話の展示までよ〜く見て来ました。
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クラゲたちが美しく有名
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パフィン
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マシューの昼食。ロブスターサラダサンドイッチ・・・巨大です。

オリンピックはアメリカサイドから見るのは何度か経験していますが、中継される部分が全く違うので面白いです。もちろんアメリカの選手が主体となりますが、アフロアメリカンの女性の検討がすごく、体操、陸上、水泳で絶賛されていました。水泳はアメリカではアフロ系の選手はほとんどいないというのが伝統のようですが、今回アフロアメリカンの女性の選手(シモン・マニュエル)が金メダルを取ったので話題になっていました。日本の選手たちの体操や水泳の健闘も讃えられていました。

カリフォルニア大学バークレー校の植物園にも行きました。1万2千種類の植物が世界の地域別に植えられていて、マダガスカルからオーストラリア、地中海地方、南米、アジアの植物まで見ることができました。中国のメディシナルハーブのコレクションもあり、乾燥に弱い種は辛そうでしたが学ぶものが多くありました。カリフォルニアは基本的に乾燥地帯なので、家庭でも水を多く必要としない植物を植えるのが流行っており、ショップには多くのサキュランツ(多肉植物)がハーブ類と共に売られています。素敵なものがいっぱいです。ドライガーデン専門の本も売っています。南フランスと北カリフォルニアの気候は似ているので、ナパやソノマで良いワインが育つわけで、ローズマリー、ラヴェンダー、マートル、オリーブなどの植物もよく見かけます。標高の高い山は少なく、サンフランシスコは坂が有名ですが、ツイン・ピークスでも280メートルくらい。これが大きな違いですね。
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キャー!これ何?マダガスカルに育つカクタスの一種です。
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クラリーセージ
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エキナセア、ラヴェンダーなど
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マヌカ(赤花)

バークレーには大学付属のいろいろな施設が利用できて、ミュージアムにも行きました。チベット仏教のコレクションと中国の水墨画展をしていました。入場者が少ないので、ゆっくり360度眺めることができ、写真も撮ってかまいません。フラッシュはやめて、何枚か取ってiPhoneの壁紙にすることにしました。バークレーは昔から仏教に興味を持つ人達が多く、Shambala Publishingというチベット仏教専門の出版社もあります。チベット僧によるワークショップも年に何回かするようです。タンカやプリントを何枚か過去に購入したことがありますが、今回は仏画の描き方の本(かなり本格的なもの)を参考までに買いました。
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ジャイ・ウッタールというグラミー賞にノミネートされたアメリカ人ミュジシャンですが、インド系の音楽を多く発表しています。随分昔にナパのヨガの先生にCDを紹介されて,よく聞いていました。その彼がバークレーのナマステヨガスタジオで子供のためKIRTAN(キアータン)セッションをするというので、即申し込み。マシューとカイラとラナも一緒に参加して、楽しいミニコンサートでした。彼のようなレベルのミュジシャンがヨガスタジオで気軽に子供相手にインド神話をお話ししながら、一緒に歌って踊るなんて信じられないです。奥様(インドの方でした)も息子さんもいらっしゃっていました。他の参加者も小さな赤ちゃんから5才くらいの子供まで「ナマシバーヤ、ナマシバーヤ」と一緒にノリノリで歌いました。ガネシャやハヌマン、ゴーパラなどの物語を語り、踊ったり,歌ったり。最後はシャバアサーナのよう、皆で静かにお昼5分間。本当に魂に栄養を与えるような豊かな時間でした。
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Jaiuttal.com でジャイの活動を知ることができますが、私たちのコンサートの2日後にはサン・クエンティン刑務所(刑務所の中でも重罪犯が多く入っているので有名)でのコンサートがあったようです。ブログに書いてありましたが、凶悪犯もいる中で何回かコンサートをしてきたらしいのですが、通常は数人が一緒に歌って、踊る人は10数人、後は表情を変えずに座っているらしいです。でも8月8日のコンサートではマントラのドキュメンタリーフィルムを見た後だったらしく、全員が歌って踊ってくれたらしいです。宗教的なバックグラウンドも様々な中、すごいことと思います。
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日本でもエコロジカルな取り組みは進んでいますが、こちらでは1年前よりもさらに進み、お店では買い物をしても袋に入れるというのは、完全にオプションになっていました。「袋いります?その場合は10セントです」とか、店によっては「レシートいります?」「お願いします」と言ったらアイパッドにメールアドレスをインプットさせられて「はい、送りました」と完全にペーパーレス。「プリントアウトしないんですね」「そうです。プリンターはないんですよ」とスパイスショップの若い超ハンサムなインド系の男性。もちろん、それがいいですよね!オークランドのレイク・メリット沿いにあるこのお店はヨーロッパからインド、メキシコ、ジャマイカまで幅広いスパイス・ブレンドを買うことができて、とても楽しかったです。七味唐辛子も量り売りで売っていましたが、ちょっと色合いが違っていましたが・・・・スモークした塩やパプリカが流行しているようです。カプレーゼに振りかけてみたら、何とも言えない深い味わいがします。
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レイク・メリットの周りに植わっている木は皆ユタジュニパーのようにねじれています。調べてみたらオーストラリアンティートゥリー(Leptospermum laevigatum)だそうです。フトモモ科ギョウリュウバイ属、もしくはネズモドキ属と日本語では呼ばれているグループの木で、マヌカの一種です。ジュニパーはセイヨウネズなので、なるほどと思いました。
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バークレーにある“シェ・パニーズ”というレストランはご存知の方も多いと思いますが、オーガニック素材を使った料理、そしてカリフォルニア・キュイジーヌの発祥の地と言われています。オーナーのアリス・ウォータースの本は日本語版も何冊か出ていて、センスの良い健康的な料理を紹介しています。“食育”に関しても昔から取り組んでいて、小学校で野菜を育てて、実ったもので料理を作ると言うプログラムを行なっています。アメリカでも野菜はスーパーマーケットからやって来ると思う子供が案外多いそうです。そして日本では当たり前ですが、“旬の素材があって、それをどう食べるか考える”という姿勢です。だからシェ・パニーズではレストランの方では、その季節に合ったひとつのコースだけを日替わりで提案しています。カフェの方ではアラカルトもいくつかありますが、毎日仕入れたものでメニューを考えるスタイルです。お料理も美味しいですが、そこの根底に流れている精神がよいです。人気が出ても決して他に店を出しません。ウェイターもウェイトレスも料理人たちも、皆そろってグッドルッキング。そして仕事をとってもシリアスに捉えて励んでいる姿がよくわかります。素敵。受付業務をしている女性と話したら「30年働いています。とてもラッキーだと思っています」とおっしゃっていました。
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メニューの一例:おしゃれすぎる!!
➢オヒョウ(白身魚)のイチジクの葉での包み焼き、ペペロナータ(焼きパプリカのマリネ)とポテト、マジョラム、アイオリ添え
➢クリスピーポレンタ(トウモロコシの粉を煮てオーブンで焼いたもの)とグリルドズッキーニ、クランベリービーンズ、チリオイル添え
➢ロブスターラビオリ、シャンテレール(杏茸)、スクワッシュの花
➢ワイルドネトルのパッパルデッレ、マッシュルームとパルメジャン
➢夏野菜のミネストローネ、マージョラムペスト添え
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         クランベリービーンズ・・・・可愛い!
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           シェ・パニーズのエントランス

シュナウベルト博士とは家族ぐるみでお付き合いさせていただき、特に私の主人と息子さんのジュリアンが話が合う!特に車とファッション?いつも二人はちょっとだけジュリアンのスポーツカーでその辺をドライブに出かけます。前はカマロだったけれど、最近はムスタングにしたそうで、その型がマニアにはたまらないようで、よく知らないですが。私たちは精油の話や南フランスの今年の状況などを話しました。珍しいプロヴァンス産のヘリクリサムやフレッシュなイタリア産オーガニック・レモンなど、たくさん仕入れて来ました。今月末までセールをやっていますので、ショップサイトを見るかcontact@lsajapan.comにお問い合わせ下さい。シュナウベルト博士は11月に来日予定です。
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目の前の巨大ピッチャーに注目!これお代わりしていましたが、誰も顔は赤くならないし、何も変わらない。どうして?
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by lsajapan | 2016-08-27 23:42 | 海外にて

<82> アロマテラピー・カンファレンス in San Francisco 2015

2ヶ月もブログを書けないでいましたが、とっても活気に満ちた2ヶ月でした。まずはPEOT1期生はめでたくIFA認定試験に全員合格で一安心。初めてのことはいつも緊張します・・・生徒の皆さんもLSAを信じてひたすら頑張って勉強に励んでくれました。ビデオ審査やプロダクツ作成についても,皆とても熱心に下調べや試作されていたので、試験官のジョシーさんも感心していました。生徒の試作品のアンチエイジングクリームをチェックしつつ「私、これ必要だわ!」と言ってサンプルを意気揚々として持ち帰って行ったそうです。(各自の提出した5つのサンプルより試験官がランダムに1つ選んで本部で査定するため)皆とても工夫を凝らして良い製品を作っていました。
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11月6日〜8日にサンフランシスコでカート・シュナウベルト博士主催の第8回インターナショナル・アロマテラピー・カンファレンスが開催されました。主題は”Unlimited Possibilities”です。精油でどのようなことが可能か、様々な文化圏からの研究者や実践者を交えた素晴らしいカンファレンスでした。ゲストも豪華でピエール・フランコム氏(お会いするのは今年だけで3回目です!)、ロバート・ティスランド氏、ジョン・スティール氏(LSAの教科書でも脳波計のところで出て来ます)、マイケル・スコーラス氏(オープニングのスピーチだけでしたが、上手なスピーチで楽しかったです)、ミュンヘン・ツアーでご一緒してからのお友達、セドナ在住の蒸留研究家クレア・リシェ氏、同じくミュンヘンとバリでご一緒したマニュアル・リンパドレナージュで有名なヴェロニカ・ヤップ氏がシンガポールから参加され、他にもインドなどからの有名な研究者が何人も参加され国際色豊かなカンファレンスとなりました。
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ピエール・フランコム氏(身体的/心理的痛みのための精油)
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ロバート・ティスランド氏(発癌物質と抗癌物質:使用量による影響)
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ジム・ハリソン氏(精油の静脈血管内投与)
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アジャイクマ・クヌマカラ博士(植物とその成分による癌予防)
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クレア・リシェ氏(アリゾナ州の精油原料植物とエコシステム)
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美人のクレアと一緒に。来年は彼女のところに蒸留のお手伝いに行こうと思います
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ヴェロニカ・ヤップ氏(リンパ浮腫—アロマテラピーでの解決策)
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バーグ文子(日本の香文化と香道)鑑真和上が仏教と共に香を日本で広めました
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カート・シュナウベルト博士(アジアからの精油:アロマテラピーの新次元)

その他クロアチアの芳香植物の紹介、育児のための精油、乳癌を防ぐためのテルペン類、ペットケアなどの様々なトピックがありました。

シュナウベルト博士はこのところ、アジアの精油のリサーチに夢中で、私には前々からこのカンファレンスで日本特有の香文化を紹介しろと言われていたので、香道教室に参加したり、リサーチを続けておりました。アメリカで香を紹介するとしたら、どのように説明したら良いかしらとしばらく案を練り、パワーポイントと論文セットで主催者のシュナウベルト博士に早めに提出し感想を聞くことにしました。提出した次の日に"Excellent!"とOKが出たので安心しました。言葉の説明から入って歴史、日本の香文化の特徴、香の分類など45分間で何が話せるかとじっくり考え、途中で香りを試してもらおうかと思いつつも250名以上の人達にどうアプローチするか知恵を絞りました。塗香パウダーを少しずつ分けて手に取ってから擦り合わせて香りを聞いてもらったり、防虫香や誰が袖の中身をちょっとずつ和紙に包んで両面テープ(皆興味津々ですぐ開けるのは間違いないので散乱防止のため)でしっかり張り付け、さらにインクの匂いがしない手漉き風和紙に包んで用意したものを配ってもらいました。レクチャーが終わってすぐにとんで来た女性は「私ここに入れてるの!」と胸の間からさっきのお香を包んだ和紙を取り出して大喜び。多く言われたのが「日本のお香は全くの初体験」であまりの高貴さに驚いたそう。

私のレクチャーのあった日は、ピエール・フランコム氏から始まってノンネイティブ・スピーカー続きだったので、皆特徴のあるエキゾティックなアクセントを持っているので、あまり心配することないと自分に言い聞かせつつ、一応発音チェックを何回か主人に頼んでから臨みました。すごい反響があって、たくさんの人に話しかけられ、驚きました。日本文化はアメリカで人気があるんですね。
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次の日は昼休みの間に30分程、別室で聞香デモンストレーションをすることになり、50〜60人以上の方が聞香をされました。終わった後に抱き合って泣いている人達がいたり、男性でも感動して涙を流しているので、香りの力はすごいと思いました。昔読んだ「伽羅の香」という小説にも最初に香を聞いた時の劇的な経験が書かれており、緊張しすぎて全く余裕がなかった自分の経験とあまりに違うので、私も泣いてみたいです・・・
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聞香の方法を一緒にやってみる・・・茶道や華道は何年も習っている人がいるのに香道は初めての人ばかり

4つの香炉を用意して、それぞれに香炭に火をつけて落ち着くまで待って、灰を整えようとしたら手伝ってくれたカートのお弟子さんたち(と言っても私より10歳以上年上)が神妙な顔で「近くで見ていても良いですか?」「決してお邪魔はしません!」「部屋の外で持っている人達がいますが、時間になったら一人ずつ部屋に入れた方がいいですか?」何だか大ごとになっていて、皆自由に試してもらって良いですと言っているのに合掌して動かない人。それは違うと言っているのに印香の香炉を持ち上げて聞香し始める人・・・もう何でも自由で良いか。嵐のような質問攻めで、やっぱり来たかという感じです。熱心なのは素晴らしいことです。「どーして逆時計回りにまわすんですかー?」「どうしてあったかいんですかー?」「これガラスなんですかー?」「煙を吸うと身体に悪いんじゃないんですかー?」さっき全部3回くらい説明したんだけど・・・・人の出入りが激しいから何度でも説明します・・・「レクチャーの時に見せてもらった香りのパウダーのレシピを教えて下さーい」「あ、あれは日本で300年もの歴史のある京都のお香の会社の企業秘密ですよ」
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カートも参加

ピエール・フランコム氏とは再会を喜び合いコルシカの楽しい思い出や、「マダガスカルにもっとゆっくり来なさい。最低2週間ないと良いものが見れないよ」などとシュナウベル博士や奥様のモニカさんを交えてマダガスカルの話にうっとりと聞き入りいました。今回も6月のIFAカンファレンスの内容と基本的には同様の内容でしたが、写真やプロジェクターの写真を変えてお話しされていました。それとレクチャーの間にも質問される方もおり、付加的な説明を入れながらリラックスした雰囲気で進んで行きました。
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スリーショット撮ってしまいました

ジム・ハリソン氏はシアトルにある自然療法専門のバスティア大学の講師をされている先生で、自然療法医と共に感染症の重篤な患者(ここではMRSA)や癌治療の一貫に精油を点滴で使用する方法を研究しており、希釈度や一度の点滴溶液への容量などの紹介や副作用などを紹介されておりました。静脈内投与はバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)が100%なので、気をつけなくてはならないことが多いですが、興味深い経路には違いありません。

今回のカンファレンスの報告会を年明けの2016年1月23日(土)の17:30〜19:30に企画しました。これからのアロマテラピーの方向性を垣間みるのに良い機会ではないかと思います。
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by lsajapan | 2015-12-04 18:18 | 海外にて

<80> 南フランスとスイスの旅 その3

昨日は南仏アロマテラピーツアー報告会を開催し、ツアー参加者ほぼ全員が集合した上にさらにたくさんの方がいらしてくださり、とても楽しく進めることができました。2000枚以上の写真を整理して200枚のプロジェクターのための写真を用意し、自分のなぐり書きのメモをじっくり眺めて記憶をたどり、少しリサーチしたり復習したりしてまとめました。
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世界の芳香植物分布図
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これは訪ねた芳香植物園の奥様でペストリーシェフのオードリーさんの手作りのコンフィです
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おまけとしては、私たちグループが気になっていたものの、現地で食べそびれたオレンジフラワーのイドロラ(芳香蒸留水)入りのフガス(Fougasse:プロヴァンス地方の伝統的なパン)を義妹が当日朝に焼いてくれました!
食用オーガニック・オレンジフラワーウォーターをニースのオリーブオイルの老舗店で仕入れていたので、それをパン種に加える水分の100%として使ってもらったところ、とっても香り高いフガスができました。

アヴィニヨンにいる時にネリーにフガスのことを話したら「じゃ、買いに行こう!」と地元の有名なブーランジェリーに連れて行ってくれました。
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人気ブーランジェリーはこんな感じで次々とお客が途絶えず大忙しです
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小さな店構えですがクラッシックな雰囲気で、カウンターでご夫婦がお客さんの指差すものを包んでくれます。ものすごく素敵なパンばかりで全部欲しくなってしまいました。ネリーが教えてくれたフガスはバジルペストー入り
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どーしてお庭のイスに直接パンを並べるの?と思うでしょうが、私が熱心に写真を撮っていたら親切心でネリーがやってくれました・・・中央がフガス、向かって右はオリーブ丸ごとたくさん入った手の平に乗るくらいの大きさのもの。向かって左は、しっとりとしたパイ生地のようなパンで、タプナード(オリーブの実のペースト)がいっぱい入っています。これもやみつきになりそうなくらい美味しかった!

他のフガスはその店にはないそうで,私も結局オレンジフラワーのものは食べれずじまいでした。でもこんな形で皆で試食できるとは・・・義妹に大感謝です。そしてグラースのジャスミン、ヴァイオレット、ローズ・ド・メイのオーガニック・コンフィ(ジャム)やローズ・ド・メイの砂糖づけを試食したり、私が蒸留したブルボンゼラニウム、ローズゼラニウム、シナモンゼラニウム、ジンジャーゼラニウムのブレンド・ハイドロレートをゲロルシュタイナーで割って、冷たくしておいたものを皆で飲んだりしながら報告会は続きます・・・
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オードリーさんのスィートヴァイオレット。3月に咲きます

今回の新しい発見はAgastache anisee (Agastache foeniculum), Water mint,
Pink pepper, Cisteなどで、少し紹介します。最初のAgastache aniseeはアニスヒソップだそうで、素敵な花が咲き、葉がアニス味なのでサラダに入れて食べたり、花付きの枝を飲み水のピッチャーに入れて飲んだりします。昆虫忌避作用もあり、サシェに入れてフレッシュな香りを楽しみます。ティーは呼吸器や消化器の問題に効果的です。元々はメキシコ原住民が使っていたハーブだそうです。
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Agastache anisee ネリーのハーブ園で花盛りでした

ウォーターミントWater mint はMenthe aquatique (Mentha aquatica)と呼ばれており、アニスヒソップと似た効用ですが、こちらはスキンケア製品にイドロラが使われていました。
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Mentha aquatica

ピンクペッパーPink pepper (Schinus molle) はウルシ科の植物で、フランスでは
baies rosesまたはPoivre rose ポアブル・ロゼと呼ばれています。コショウボクの果実でブラックペッパーとは違う種です。訪ねた芳香植物園でも樹がありました。抗菌作用、消毒作用、抗炎症作用、癒傷作用、抗うつ作用、利尿作用、月経障害歯痛、リウマチに。昆虫忌避作用もあります。香りはブラックペッパーよりも軽く繊細でエスティー・ローダーのプレジャーズやエルメスのオー・デ・メルヴェイユなどの香水にも使われています。
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Pink pepper

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 Cistus ladanifer

シスタスまたはラブダナムCiste (Cistus ladanifer)はコルシカ島で見ました。葉に樹脂がベッタリと付いていて、とても良い香りがします。やはり繊細な葉を守るためだそうで、夏場は樹脂が多く、冬場は減るそうです。イドロラやエッセンシャルオル、アブソリュートを香水、スキンケアに使用します。アンバーグリスそっくりな香りがするので、古典的な香りを調香したい時はお勧めです。抗炎症作用、保湿作用、抗しわ作用などの魅力的な効用があります。ロタンシエルではシスタスとピンクペッパーは後もう少しストックがありますので、興味のある方はお問い合わせ下さい。

今月末にはウェブサイトがリニューアルします!とても素敵で読みやすくなるので、お楽しみに。そしてもうすぐジャスミン・サンバックのアブソリュートやアター類が届くので、秋のセールも9月に入ったら用意が整い次第、開催したいと思います。

メディカルアストロロジーの通信教育のテキストももうすぐ出来上がります。お待ちいただいている方々、遅れてしまい申し訳ありませんでした。なかなか奥深く、面白い内容です。四元素の考え方からチャートの読み方、アスペクトを含めた分析の方法など、できるだけわかりやすく、多くのサンプルチャートを出しています。かなり私も凝って書いておりますので、お待ちいただいた甲斐があるはずです!    
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by lsajapan | 2015-08-25 14:07 | 海外にて

<78> 南フランスとスイスの旅 その2

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南フランスを訪ねるときは、わりとネリーの誕生日にかぶることが多く、毎回誰かがどこかに連れて行ってくれて、楽しいミニパーティーをした覚えがあります。でも今年は泊まりに来ている何人かで庭で食事をしていました。
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ブラジルから来た有名ファッション誌の編集長が「ネリーはサプライズを期待しているんではないかしら?」と囁きます。「ええ!?私お土産ゼーンブすでに渡しちゃったもん。どうしよう・・・」皆同じで考えが甘かったと、後悔しつつフ〜ンと考え込んで食事を続けていると、突然暗闇の中サイプレスの林の陰からゴソゴソと音がして、誰かの声が聞こえます。ちょっと怖くなって固まっていると、急に10名程の人達がネリーのお母様のイレーヌさんを中心に、バースデーソングを歌いながらキャンドルに火がついたケーキ(もちろんローフードのケーキです)を持って来てくれました。初めて聞いたフランスのバースデーソングは可愛くって、探してみたら簡単。そのままBon Anniversaireという歌でした。
https://www.youtube.com/watch?v=tUdKbUlLNvs
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イレーヌさんはとても歌が好きなんですね。毎回何かしら機会があると美声を聞かせて下さいます。どうやらネリーとお母様は最近ちょっと何かあったようですが、親子ですもんね。すっかり仲直りして肩を抱き合って祝っていました。良かった良かった。イレーヌさんと共にやって来た人達は、5日間のローフードのセミナーの参加者たちです。モロッコやスイス、パリから来た方がいらっしゃいました。ケーキを食べた後は「今日は満月だからあの特別な石のところに行こう」ということになり、皆がネリーの庭のラヴェンダーの間をぬって歩きます。月がとても明るいのでライトがなくても真っ暗ではないです。
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「あの石」とは・・・ネリーの香りの博物館と住居は元々14世紀の修道院だったので、時々ここに泊まったことのある人々は修道士たちのエネルギーを感じることがあったのですが、ヒーラーたちが集まって5年前に修道士のスピリットを天国に送り出したそうです。皆安心して旅立って行ったそうで、記念に敷地内のパワースポットを探してクリスタルやジェムストーンを埋めて、最後に大きな石を置いて記念碑のようにしました。普通の記念碑と違うのは、そこの上に立って瞑想できるようになっているところです。私も立ってみたら、ビリビリするので驚きました。
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このサイプレスの奥に石が置いてあります。半分以上は埋まっています。
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ミュゼ(香りの博物館)の入り口部分です。建物を侵害しないタイプのツタで覆われています。

皆でその“記念石”の周りで手をつないで輪になって、歌ったり、実現したいことを言ったりした後に「皆と各々ハグしよう!」とのことで、全員ともれなく暗闇でハグして誕生会は終了。軽く12時は回っていました。とっても素敵な経験でした。
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ちょうどその頃、金星と木星が近づいていて誰でも気がつくくらい空で目立っておりました。金星と木星は古典占星術ではベネフィックと呼ばれる吉星で、その2つが獅子座でコンジャンクションということになれば、華やかな感じです。同時に月と冥王星も近づいていましたね。その数日前には月と土星がコンジャンクションしていました。月はすごく速く動くのですぐに状況は変化します。「それでどんなことが起こるの?」とネリーは興味津々。もちろん華やかな感じだけれど、結局自分のネイタルチャートと重ねて考えるのが重要です。自分自身のチャートだと獅子座22度となると5ハウスなので、創造性が刺激されたり、とても楽しいことが起こる・・・それはもう本当に楽しい旅行の真っ最中ですから、何も異存はありません。そして5ハウスにあるドラゴンヘッドと2度のオーブでコンジャンクション、パートオブフォーチュンとはトラインです。この2つは感受点で天体ではありませんが、幸運のポイントです。さらに5ハウスは子供のことも関係があるのですが、マシューはこの時にしっかりとインセンティブ(報奨金)を会社からいただいて大喜びです。何か良いことをしたんですね。詳細は知りませんが。何しろ明日はスイスに車で出発です。
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スイスの田園地帯はハイジの世界っていう感じで、とても静かで平和。でもみんな農道を車で思いっきり飛ばすんで怖い!
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by lsajapan | 2015-07-27 00:31 | 海外にて

<77> 南仏 とスイスの旅:その1

2015年6月23日より7月9日まで南フランスを旅し、10日夜に戻って来たばかりです。まだ時差ぼけのある中、すぐに仕事に戻りましたが、今日はやっとお休みです。まだ片付いていないスーツケースの中から有機農場で買って来た精油類や、採取した植物、走り書きのメモなどを並べ、写真をダウンロードして(2000枚撮りました!)復習しています。でも本当に素敵な旅でした。ご一緒した皆様、どうもありがとうございました。今回の旅は一生の宝物となりました。
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ネリーのラヴェンダー畑

今回の旅は三部に分かれており、最初はLSAジャパンのツアーで、8人してニースやグラースの行きたかった場所(フラゴナールのお屋敷の方の博物館、その他いくつかの博物館、芳香植物園を何件か)を巡り、プロヴァンスではネリー・グロジャン博士のミュゼ(香りと香水の博物館)を再び訪問し、ラヴェンダー花盛りの高地ソーに出かけ、アルルではマルシェ(朝市)を回ったり、ノストラダムスの博物館と生家を訪ねました。
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アルルのマルシェ
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ネリーの「香りと香水の博物館」の19世紀の銅製蒸留器の前で

このくらいの人数だとまとまりがよくて、動きやすく、写真なども撮りやすく楽でした。ただガイドが現地のそれぞれの施設の方たちで(案外日本語ができるフランス人が何人かいらしてビックリ。皆、京都に1年住んでいたと言います)運転手のジャワットさんは英語ができず、頑張ってフランス語を使い会話しました。でも彼も31歳と若いので、あっという間に英語で数を言ったり、こちらもツアーにおいてよく使う言葉を暗記したりと建設的でした。彼はラマダン中で昼間は一切水も飲まない徹底ぶり。「夜の9時20分以降は飲食できるんだ」とのこと。でも香りのものには超反応してアルコールは一生飲まないけれど、香水はルンルン付けまくっていました。いろいろなレベルのムスリムがいるんですね。
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ネリーがご自宅で皆のためにベジタリアンランチを目の前で5〜6品あっという間に作ってくれました
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やはり南フランスの夏はロゼ。マーケット(シュペールマルシェって言うんですよね)にはロゼコーナーがこんな様子で圧巻。実はこのような棚があと3つありました

次はツアー終了後、ネリーのアヴィニヨンのご自宅に泊まり、それから建設中のスイスのヒーリングセンターへと5時間高速を走って訪ね、改修前のご自宅になる物件(大きな築100年以上のファームハウス)で4人してコミュニティー・ライフを3日ほど送り、森の中をハイキングしたり村長さん(女性です)のお家でバーベキューしたり、湖のほとりでワインを飲んだりしました。今回はスイスも含めてすべて晴天に恵まれ過ぎ、昼間の気温は35度以上で強い太陽が1日中照りつけ、9時過ぎまで真っ昼間状態、日が沈むのは10時近く・・・SPF50を塗っても汗で流れるし、帽子を被っても大きくは変わらず、結局真っ黒けになりました。
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アルルのホテルの目の前は円形闘技場。最初の夜はジプシーキングスのコンサートをしていて、大音響と5000人の人が。でも素敵な野外コンサートを外から楽しむことができました。ラッキー!

最後はスイスのジュネーブからニースに飛んで、ちょうどその日の夜に大阪からいらした山本先生のグループと合流です。ニースからコルシカへ飛び、2泊するのですが、ピエール・フランコム先生とアジャクシオ空港で合流し、コルシカの植物を見せていただくと言う豪華絢爛のツアーに混ぜていただきました。ゴツゴツとした岩山に独特の植物が育つコルシカ。アロマテラピーでは特別な精油が採れるので有名です。ローズマリーCTベルベノン、イモーテル、ブラックパイン、イニュラ、ジュニパーナナ、シスタス、グリーンマートル、シトラス類(シトロン、クレメンタインなど)がヒースやセントジョンズワート、ワイルドキャロットやフェンネルと共に元気に育っていました。フランコム先生に質問をたくさんすることもでき、山本先生と吉原先生のいつもながらの素敵な雰囲気が加わると、マダガスカルのデジャブ状態です。
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お魚大好きなフランコム先生

コルシカの下の方(西側)のアジャクシオからずーっとバスで中央山脈のモンテドル山を登って進みます。まるで箱根のターンパイクか日光のいろは坂のような激しいカーブが続き、車酔いしてしまいました。滅多にしないので、前回いつしたんだっけ?と考えたら、やっぱり前回コルシカに来たときでした!通訳の吉田さんが運転手のジャン・クロードさんに「もっと運転をゆっくりしてください」とお願いしたら「コルシカはこう運転しないとダメなんだ」との返事。そんなにガンガンブレーキ踏んでばかりでエンジンブレーキ使わないと、最後にブレーキが利かなくなるんじゃないのでしょうか〜?
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コルシカの絶景

アジャクシオから北上してコルス、そしてバスティアに行き、そこからニースへ戻り1泊した後に日本へ戻りました。まだ眠るとコルシカかどこかの風景が広がり、強い太陽と乾いた白い大地に大きな樹々が茂り、魂がまだヨーロッパの見知らぬ土地で迷子になっている状態です。

8月23日(日)14時〜17時に「南仏ツアー報告会」を開催します。新しい発見と情報を皆様にプロジェクターを使って紹介します。南フランスのオーガニック・ファームで買い付けて来た香りの紹介と即売や、限りなく優しい香りの希少なグラースのジャスミンやヴァイオレットのコンフィ(ジャム)の試食もします!詳しくはこちらへ。http://www.lsajapan.com/semi/20150724special.html
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大好きな山本先生と吉原先生とご一緒させていただきました。嬉しい〜
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by lsajapan | 2015-07-13 14:10 | 海外にて

<71> マダガスカルにて その3

丸3ヶ月ブログの更新が途絶えてしまいました。その間に1ヶ月がかりで父の引越しを手伝い(弟の家族と同居することになり心から安心してます)サンフランシスコに行き、6人の海外からのお客様を迎え、北海道や大阪など3回の国内出張をこなしました。ネリー・グロジャン博士やカート・シュナウベルト博士もこの6人の中に入っており、セミナーの様子など順次紹介して行きます。

まずはもうずいぶん前の感じですが、マダガスカルの残りをまとめてみます。

<ラヴェンサラとラヴィンツァラ>
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ラヴィンツァラ(Ravintsara)は数年前までは、ラベンサラRavensara aromaticaだと思われていた植物ですが、実はCinnamomum camphora CTcineolで,マダガスカルの固有種です。マダガスカル語のラヴィンツァラはRavintsara、フランス語のラベンサラはRavensareこの何とも似ている発音が、間違いのもとだったのでしょう。現地の人々は“ラヴェンサラ”と“ラヴィンツァラ”と明確に呼び分けています。ラヴィンツァラは主に栽培種のCinnamomum camphora CTcineolです。一方ではRavensara aromaticaは野生種として4種類存在します。その中でもアニサータ種はRavensara anisataという別の学名が付けられています。樹木の大きさも野生種がずっと大きく育ちます。

ラヴィンツァラを栽培している農場では、アフリカでも赤道からは随分と離れた南側に位置し、標高も高いので、冬の夜には摂氏2度まで下がる低温となります。たくさんの黒いホースが農地の地表のあちこちに置かれ、寒い季節はそのホースの中に温かいお湯を流して大地を温めるというプリミティブな方法で寒害を防ぎます。実際に栽培種のラヴィンツァラは2メートル程の樹高で小ぶりに仕立ててあり、あまり大きくさせないことにより良質のエッセンシャルオイルを得ることができるそうです。4年以上たった1本の木からは年間5キロの葉を2回のシーズンに分けて収穫します。
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ガスも電気も安定供給されていないので、松の材木を燃やして蒸留します。レンガ産業が発達しているマダガスカルでは、蒸留釜もレンガでできています。1回に200~250キロの葉を3時間かけて蒸留し、採油量は1%程です。この蒸留所では、年間50トンの葉を蒸留し100キロのエッセンシャルオイルを抽出します。抽出した後は8日間程置いておき、香りを落ち着かせてから出荷します。

フランス、エジプト、ドイツ、アメリカでも出会った熟練の蒸留技術者たちが、ここマダガスカルにもいて、経験と敏感な鼻を駆使して気候状態やその時の葉の状態から判断して蒸留釜に入れる水の量、温度、火加減、蒸留をやめるタイミングなどを決めます。

<ジンジャーのバリエーション> 
ジンジャーと言えば私たちがなじみ深いものですが、最も世界中に普及しているスパイスと言えます。マダガスカルでも各種ジンジャーを蒸留しており、Mannora Penitra Associationのジンジャー蒸留所にて視察することができました。ここではシャネル社にジンジャーオイルを収めているそうですが、元はL'Occitaneの創設者であるOlivier Baussanが管理していたということです。現在はNGOを作っています。
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標高600〜800メートルの土地で、有機栽培で育てられたジンジャーは簡易ジューサーのような機械で粉砕され、水と混ぜた状態で蒸留器に入れられます。7時間かけて蒸留し、0.3%程の採油率です。蒸留のための薪はユーカリプタスの材木だそうです。ユーカリプタスはマダガスカルでも豊富で、ユーカリの炭も作っています。ユーカリにはアルカロイドが強く、周りに他の植物が育たないので状況によっては、薪や炭に使われます。

ここではジンジャーの根だけでなく葉も蒸留しています。これは別の種類のジンジャー(Hedychium coronarium, Hedychium flavum, Aframomum angustifoliaなど)から抽出されます。調べてみると薬として使用したり、香水や化粧品への添加、昆虫忌避、抗感染、抗真菌のためにも使用されます。他に現地ではタムタムと呼ばれるターメリックも栽培し、蒸留しています。ジジンジャーよりも精油の収率がよく、スキンケア製品にも使用されています。

普段なかなか見ることのできない植物をじっくり観察することができ、素晴らしい自然の中、楽しく過ごすことができました。マダガスカルは世界でも最貧国の1つと言われていますが、豊かな自然の中で人々がのんびりと暮らしている姿が印象的でした。マラリアの心配や交通手段の整備などの問題もあり、決して気軽に行ける場所ではありませんが、魅力的な国であるのは間違いなく、次回はさらに足を伸ばしてヴァニラプランテーション、バオバブ、カメレオン、キツネザルなどの観察もしてみたくなりました。
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Matthewが描いてくれたカメレオン
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ピエール・フランコム氏と・・・フランコム氏はノシベの行き帰り2回スーツケ−スが紛失していて大変だったようです
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by lsajapan | 2014-11-06 21:08 | 海外にて

<70> マダガスカルにて その2

あっという間に1ヶ月が経過してしまいました。でもこの間にさらにたくさんリサーチして、様々な情報が入手できました。アロマトピアにも寄稿しますので、合わせてお読み下さい。

今回最も心に残ったのはイランイラン(Cananga odorata var. genuina)で、視察のためにノシベという北側の島へ行きました。フライトが遅延したためにノシベに到着した時は、すでに日が暮れて真っ暗でしたが、バスの窓からはイランイランの香りが吹き込み、満点の星空を見上げると流れ星がたくさん見え「あれが南十字星だよ」と星に詳しい参加者の方が教えてくださり、皆でしばし星を見上げたりしました。ネオンや街灯がないと、夜空は宝石箱のようです。こんな夜空はプロヴァンスとビッグサーにあるエサレン・インステテュートで見た以来です。

イランイランの木はそのままにしておくと40メートルもの高さに達し、花を収穫するのは難しいので、2メートル程の高さになると主幹を剪定し、太い枝も折り、物干竿のような姿に仕立てます。苦しそうにも見えますが、このお蔭で女性たちも容易に花を摘むことができます。この木は30年程の樹齢です。あまり樹齢が高すぎると、花の付きが悪くなって来るそうですが、この木だと1年間に約10kg程の花を付けます。
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イランイランの花は枝に並んで咲き、6枚の優雅にカールした花弁でできています。最初はグリーンがかった色をしており、成長して行くに従い黄色が強くなり、やがて茶色い斑点が出て来ます。完全に成熟した花は中央が赤く色づきます。この中央部分に90%までの精油が含まれています。収穫して3時間以内に蒸留します。遅くなると採油量が減り、花の発酵も進んでしまいます。
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2件の蒸留所を視察しましたが、最初のMillot社は1907年にココア・プランテーションとして始め、1970年から薬用植物を栽培し始めました。100ヘクタールもの土地で現在でもイランイランを始め、レモングラス、ヴァニラ、ココアなどを栽培しています。イランイランは1ヘクタールに100本の木が植えられており、年間1トンの精油がとれます。メインの蒸留室には8台の蒸留器があり、すべて銅製で綺麗に磨かれており、エッセンシエ(フローレンス瓶)も銅製で美しいフォームをしていました。現代的なステンレスの合理的な蒸留器とエッセンシエを多く見てきたので、とても特徴的と感じました。銅の蒸留器で蒸留すると銅イオンの働きで蒸留直後の硫化物臭が弱くなるというメリットがあります。
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            銅製の美しいエッセンシエ

朝6〜9時に花を手摘みで採取し、10時から次の日の15時頃まで蒸留を続けます。1回のバッチは100kgの花を使用し、採油率は2〜3%程です。イランイランは留分によってグレードが別れており、通常蒸留時間が目安ですが、最終的には比重で判断します。イランイランのグレードは以下の様になります。(蒸留所や技術者の観点により、多少違いがあり)

* スーペリアエクストラ:比重954以上:水を入れず花に含まれた水分のみで蒸留:1時間程
* エクストラ:比重0.953〜964:水を入れずに3時間まで
* プルミエール:比重0.937〜952:水を入れて5時間まで
* ドゥジエーム:比重0.920〜936:8〜10時間
* トロワジエーム:比重0.920以下:14〜24時間

イランイランのハイドロレートはエッセンシエに集められ、もう一度蒸留器に戻されて再び蒸留に使用します。このことにより、ハイドロレートの中に拡散されている精油分が効果的に集められるわけです。スーペリアエクストラとエクストラは香水産業に主に使用され、ドゥジエーム以下は石鹸などに使用されます。アロマテラピーには主にすべてを一緒にしたコンプリート、またはプルミエール、ドゥジエームあたりを使います。コンプリートやエクストラは必ず表記があり、割高です。トロワジエームは乾燥肌や保留剤として有用です。

インドネシアのジャワ島でもCananga odorata var. macrophlla(カナンガ)の蒸留所を訪れましたが、香りも蒸留法も今回の方が優れていました。ジャワ島では木は高くしたままで、長い長い竹竿の先に小さいナイフをつけて花を収穫していました。非生産的?
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これバオバブの木です。大きいバオバブは、今回は日程の関係で見に行けないので、ホテルのお庭にある小さなバオバブを稲葉さんに教えてもらい、記念撮影しました。他にラヴィンサラやジンジャーについてももう少し書こうと思っています。お楽しみに。
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by lsajapan | 2014-07-30 11:51 | 海外にて

<69> Madagascar マダガスカルにて その1

津野田会長のお誘いを受け、6月14日よりフレグランスジャーナル社主催のマダガスカルツアーに参加しました。ツアーリーダーは東大名誉教授、農学生命科学研究支援機構理事長、香りの図書館の館長の谷田貝先生です。専門分野は天然有機物化学で、樹木や植物に含まれる生物活性物質の特性を解明し、利用技術の開発研究をされており、アフリカにも何度も指導に行かれています。
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マダガスカルの国樹:タビビトノキ(Travellers' Palm)

参加者は津野田会長ご夫妻やアロマテラピー関係者だけでなく、調香のエキスパートや森林保護や慈善事業の活動をされている方々が男性女性半々の総勢19名の団体となりました。ここに「アロマテラピー大全」で有名なピエール・フランコム氏が参加し、さらに豪華な顔ぶれとなりました。
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森を散歩中のフランコム氏

ところで今日6月26日はマダガスカルの独立記念日です。ジャパンタイムスにも記事が載っており、2009年のクーデターから暫定政権が発足し、様々な問題があったそうです。昨年10月に大統領選挙があり、現在のヘリー・ラジャオマンピアニナ大統領が選出されました。課題としてはインフラ整備、グリーンエネルギー(自然環境へ負荷の少ないエネルギー、太陽、風力、地熱、水力などで生成される再生可能エネルギー)の設備を充実させること、農業のインフラ整備があげられていました。これが整えばマダガスカルは天国です。
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地方によって家の建築材料は変わりますが、首都アンタナナリヴは煉瓦を使います。野外ではひたすら煉瓦を焼いている風景が広がります

マダガスカルはアフリカ大陸の右下に位置する島ですが、国土は日本の1.6倍・・・・・四国くらいの大きさかと思っていました。最初に降り立ったのは首都のアンタナナリヴで、標高1300メートル、南半球なので現在は冬です。でも冬と言っても1年中同じくらいの気候だそうな。でも朝は氷点下になることもあり、意外や意外、出発寸前にアドバイスされた真冬のフリースが大活躍しました。
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初日に宿泊したAntsirabeのホテルの庭:朝靄と朝日が美しいです

公用語はマダガスカル語とフランス語です。マダガスカル語はインドネシアのボルネオ島で話されている言語と近いそうで、2000年前まで人が住んでいなかったそうですが、最初にこの島に来たのはインドネシア人の子孫です。東アフリカと東南アジアのルーツがあり、この2つがブレンドされてマラガシ(Malagasy:マダガスカル人)ができあがったわけです。マダガスカルは6500万年前、インドとアフリカ大陸にはさまれていたという説が有力です。
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2種類のジンジャーの葉を持って説明するガイドのセルジュさんと右側はシャネル社のジンジャーオイル工場主:インドネシア系の雰囲気があります

クリスタルセラピーを学んだ時に“レムリア大陸”という場所がかつてあり・・・という話が出て、アトランティス大陸と同じように沈没してしまった進化した場所として理解していました。でも19世紀半ばにマダガスカルはイギリスの動物学者フィリップ・スクレーターにより“レムリア大陸”と呼ばれたそうです。(レムール:Lemurとはキツネザルのこと) 但しブラヴァツキー夫人の提唱するオカルトの世界で言うレムリア大陸とは認識が違うようですが。

通貨“アリアリ”は1円=20アリアリなので、日本の通貨だって0が多すぎるタイプなのにさらに0が並び、250円のビール代をお借りするのに5000アリアリなので、とても罪悪感が強く、倍返ししたくなってしまう相変わらずの数学虚弱脳です。
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バオバブの木が印刷されている2000アリアリ=100円

今回は用意も4〜5日前から始め、旅行代理店から送られてきたコワ〜イ注意書きと準備するとよいものリストを真剣に熟読し、ホームセンターに突進しヘッドランプ(頭にゴムバンドで付けるタイプ)を買い、ミネラルウォーターは4.5リットル、カロリーメイト、ウィダーインゼリー、馬鹿にして絶対に買わなかった日本食フリーズドライパック(これは具合が悪くなった時はお薬のように効きます。エジプトで吉村さんに入れていただいたお味噌汁は女神様に与えられた甘露のようでした)、さらに蚊除けスプレー、蚊除けバンド、蚊取り線香などをしっかりと揃えました。そしてもちろんいくつかのエッセンシャルオイルとオレガノカプセル。やはり要注意はマラリア、旅行者下痢、ロストラゲージでしょうか。今回はコンピューターもお留守番させました。いくらバックアップを取っておいても、全資料を持ってアフリカに行く必要はないでしょう。結局iphoneだけで8日間何とか生きられました。
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マダガスカル料理の一例

そしてあっという間に出発の日。成田集合で便の関係で最初はパリに12時間30分のフライト、そしてパリに1泊して次の日のフライトでアンタナナリヴに11時間のフライト。スケジュールを見てすぐに旅行代理店に電話して理由などを問いただして納得した上での参加ですが、初めての過酷なフライトスケジュールでどうなるかと思いました。でも実際は見たかった映画もいくつか見て、パリからは谷田貝先生のお隣で楽しくお話しさせていただいたり、そんなに苦痛ではなく過ぎて行きました。
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パリからアフリカ大陸上をひたすら南下してもうすぐマダガスカルです

ここでやっとマダガスカルに着いてからの話になりますが、もちろん飛行機から降りたら雨が降っているけれど外を歩いてね。という感じです。まあサンフランシスコ空港でも飛行機から降りて地面を歩く時があるので気にしませんが。それよりも何だか入国審査カウンターが外と行き来が自由みたいで、横入り自由、いつになったら私たちの番が来るの!? やーっと入国審査が終わってヤレヤレと思ったら、ただひとつだけのバゲージクレームには全く荷物が出てきていない・・・やはりアフリカはハードル高いです。何とか荷物を全員受け取ると現地のスタッフがお出迎えしてくれました。ガイドのセルジュさんは見事に日本語ペラペラ。日本に来てテレビに出た方が良いです。
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大学では植物学が専攻でパリや日本でも勉強したそうです。知識豊富で私たちには理想的なガイドさんでした

マダガスカルはカメレオンやワオキツネザルなどが有名で、猛獣はいないそうです。(但しクロコダイルはいます)多くの動物、爬虫類、植物が固有種であり、生態系の宝庫です。そしてたくさんの芳香植物(ヴァニラ、イランイラン、ブラックペッパー、ラヴィンサラ、ジャスミン、コンバーヴァ、スィートマージョラム、エキゾティックバジル、ジンジャー、ヴェティバー、ユーカリなど)と美しい花(火炎樹、エンジェルトランペット、ニチニチソウ、各種オーキッドなど)やエキゾティックな植物(マングローブ、バオバブ、タビビトノキ、ポトス、観葉植物として知られているものも多い)がいっぱいです。畑では人参がひたすらたくさん栽培されていましたが、お米とキャッサバが主食だそうで、水田が広がっていました。フルーツはバナナ、パパイヤ、マンゴー、ジャックフルーツ、パイナップル、ビワ、ココナッツ、青りんご、アボカド、チェリモヤ(バンレイシ)など豊富です。個人的な旅行だったら、迷わずに試したと思いますが、今回はグループでの旅行なので気持ちを引き締めグッと我慢し、後半モンキーバナナのような小さなバナナをピエール・フランコム氏が買ってきて回してくれたのを1つだけ食べました。ものすごく美味しかったです!
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ノシベのホテルのお庭にいたパンサーカメレオン。まるでプラスティック製のように見えましたが、皆で囲んで写真を撮っていたら、ゆっくりと動きながら逃げて行きました

次にもう少し芳香植物や訪問したいくつかの蒸留所のことなどを紹介しますが、7月19日(土)に“マダガスカル報告会”をしますので、どうぞいらしてください。たくさん買ってきたヴァニラポッドで作ったマセレイテッドオイルをお土産にしようと思います。お楽しみに!
http://www.lsajapan.com/semi/201407special.html

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やっぱりイランイランは素晴らしかったです!
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by lsajapan | 2014-06-26 14:42 | 海外にて

<66> Costa Rica コスタリカ その2

少し時間が空いてしまいましたが、今回は前回に引き続いてコスタリカのことをもう少し書きます。オーガニック・コーヒー農園視察とコーヒー・テイスティングの方法がとても面白く、アロマテラピーともオーバーラップするところがあります。

コスタリカの首都サンホセの郊外に主人の学生時代の友人ご夫婦が経営しているホテルとオーガニック・コーヒーファームがあり、ここで数日間過ごしました。サンフランシスコにいる友人たちの話によると、お二人はコスタリカにエコロジーという考えを植え付けたと言ってもいいくらい活躍されているそうです。エコロジーの精神はホテルの運営やコーヒーファームの管理にも反映されています。お部屋のゴミ箱も“Organic”と”Recyclable”に別れており、燃える燃えないの分け方ではなく、土に帰すかもう一回使うかというわけです。紙は基本的にRecyclableですが、鼻をかんだりしたティッシュはOrganicとなります。食べ物を包んでいた紙はコンポストバケツに入れます。コンポストバケツだけはホテルの各部屋にはさすがにありませんが。ホテルのレストランで出す野菜の70%は敷地内の畑で育てるそうです。バナナもプランテーンも広大な庭から採れます。オレンジジュースも庭のオレンジから採ったものをすぐに搾ってくれます。
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ここではプランテーンとはオオバコではなく、バナナの一種です。コスタリカには10種類程のバナナがあるそうですが、甘くない種類の料理用バナナがプランテーンです。朝ご飯のスクランブルエッグにも肉料理にも添えられており、揚げたものはフライドポテトのようです。西海岸でも見たことも食べたこともありませんでした・・・・
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そろそろ本題に行きます。コスタリカのコーヒーは酸味とまろやかな風味が特徴で、世界の中でもグレードの高いことで有名です。比較的標高の高いところ(800〜1500メートル:真正ラベンダーと似ています)でよく育ち、傾斜地で栄養分の豊かで水はけの良い土地がむいているそうです。コスタリカの気候はコーヒーには理想的で、乾期があり年間通して温度変化があまりない温暖な気候を好みます。最初のコーヒーは1779年にジャマイカから持ち込まれ、50年後にはコスタリカの主要輸出産業となりました。現在コスタリカでは7万件のコーヒーファームがあるそうです。

ここのコーヒーファームを歩いて回る時に、最初に各自1本長い杖を渡されました。ハイキングよりもトレッキングと言う感じです。ツアーガイドのユリシーズ君は急勾配の畑をスタスタと身軽に進みながら熱心に話をしてくれました。熱心になればなるほど早口になって行きますが、なぜかよく理解できるのは、やっぱり興味があるからなんでしょう。
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コーヒーノキの種類はいくつかありますが、アラビカ種とロブスタ種が有名で、コスタリカではアラビカ種だけを育てています。アラビカ種の方がより高級で繊細な味わいを持っています。コーヒーノキは風により受粉するので国土が小さいコスタリカでは、他の種が入って来ると簡単に自然交配してしまい、グレードが落ちるのでアラビカ種以外のコーヒーノキを栽培するのは法律で禁止されています。
4月の最初の雨が降るとコーヒーの花が一斉に花咲くそうです。白いジャスミンのような花が咲き、甘い良い香りがするそうです。年に3日程しか花が咲かないそうで、アブソリュートも存在するそうですが、かなり珍しく本物を手に入れるのは難しそうです。コーヒーノキはアカネ科の植物なのでクチナシと同じ科だそうで、それを考えるとなるほどと思います。
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20エーカー(8万平米)のコーヒファームにコーヒーノキだけを植えた方が、もちろん収穫量が増えますが、コーヒーノキだけだと雨期に雨で養分が流されてしまい、土砂崩れの恐れもあるそうです。だから他の根がしっかりした植物を多く植えてバランスを取るそうで、まるで自然の共生を人為的につくり出しているような感じです。長い眼で見れば土地のロスのように見えても、結果的には安定した土壌をつくり出すことでコーヒーの生産量も質も守ることができます。やはり自然の法則には意味があるんですね。パッションフルーツ、マンゴー、カシュー、その他観葉植物で見たことのあるものが多く植えられていました。

乾期はかなり乾燥するので、バナナの木を多く植えておくと周囲数メートルの植物を保湿してくれるそうです。知らなかったのですが、バナナの木はたくさんの水を茎にも根にも吸収して保持するので、バナナの仮茎をナイフで切るとドッと水が流れます。根の方もたくさん水を含み、何ヶ月も雨が降らなくても十分周りの植物まで潤うそうです。すごい!バナナ!でも薄々は感じていたのですが、バナナは木ではなく、草だそうです。多年草というわけです。
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仮茎を半分に切ったもの

コーヒーの実(チェリー)には4層の殻があり、中には普通2つのコーヒービーンが入っています。でも少し細長い実を開けてみると、1つだけしか豆が入っていないものがあります。これを“ゴールデンビーン”と呼んで、特別なグレードのグルメコーヒーとしてプレミアをつけて売るそうです。これは普通2つの豆がシェアする栄養分を1つの豆が独占してしまうので、味が濃縮されているそうです。コーヒーはすべて手積みで、お隣のニカラグアからの就労者がほとんどだそうです。
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赤く色づいたコーヒーの実は、まずは水に浸けます。沈んだものだけを使います。浮いたものははじきます。Chancadorという機械で殻をとり、その後10日間天日にあてて乾燥させます。さらに選別して、乾燥させたグリーンビーンのままで真空パックで1年間以上保存できるそうですが、ローストすると1ヶ月程で劣化してしまいます。だから受注してからローストして出荷するそうです。家にあるコーヒーは早めに飲んだ方が良さそうですね。
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最後にコーヒーテイスティングをしてみました。挽いたレギュラーコーヒーと深煎りコーヒーと別々にカップに入っており、それを1つずつ熱湯を入れ、浮いて来た泡を取り除き、スプーン1杯ずつ空気と共にすすって味を言い表します。「ヴァニラ、カラメル、シトラス、チャコール」など皆で単語を叫び合いました。プロは600種もの形容詞を使うそうです。私たちは5人で10個くらいでした・・・その後に舌のどこにどんな味を感じるかと聞かれ、???舌の先端は甘味、脇側が酸味、奥が苦みだそうです。(でも調べてみたら、それは古い仮説で、現在は全ての部位で全ての味覚を感じるそうな・・・)ま、いいですがね。コスタリカのレギュラーコーヒーの方はやや酸味があり、深煎りの方はもちろんそこに苦みと甘味が加わります。こんなにじっくりコーヒーの風味について話し合うなんて、まるでワインのようです。
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かわいいコスタリカのコーヒーフィルター
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by lsajapan | 2014-02-01 01:03 | 海外にて