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<101> インドネシアからのお客様

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安部先生の帝京大学医真菌研究所にフェリさんとリスキナさんと一緒に伺いました

インドネシアの最大手香料会社インデッソのシニア・マネージャーのフェリさんが来日されました。フェリさんはアジア香料原料国際会議(AAC-AAIC)のカンファレンスの実行委員長なので、2012年のバリ島でのカンファレンスの際に大変お世話になりました。400人も集まっていたのに日本人は私だけだったので、来年度の会議には日本からの参加者を増やそうとプロモートを兼ねての来日です。来年4月にはジョグジャカルタで会議があり、その後はボロブドゥール遺跡や様々な香料原料農家を訪ねるツアーをします。メインスピーカーにはロバート・ティスランド氏、ブライアン・ローレンス氏が予定されており、シュナウベルト博士、長島司先生、安部先生の研究室からどなたかが参加する予定です。私も30分の枠ですが、スピーカーとして参加する予定です。実はすでにAAC-AAIC実行委員会の委員になっています。
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安部先生と羽山先生と一緒に
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フレグランスジャーナル社訪問の際のグループショット。一番背の高い方がフェリさん、私のお隣が津野田会長とリスキナさん

インドネシアはメインの5つの島1万もの群島で成っており、様々なスパイスや熱帯の植物に恵まれています。シュナウベルト博士はずっとインドネシアのファンで、旅行したりリサーチしたりしています。特にCO2抽出のスパイス類には優れた抗腫瘍作用が研究されており、注目されています。
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2012年にボロブドゥールを訪ねた時

今回のフェリさんの来日で2日間ほどですが、安部先生の研究室やフレグランスジャーナルの訪問の他、ランチミーティング、ハラルレストランで食事をしたりと興味深いことがたくさんありました。一緒に行動したリスキナさんは東京農業大学で国際バイオビジネス学の博士課程で研究されている女性で、9年間日本に住んでいらっしゃり、ナツメグの研究をされています。最初の3年で日本語読み書きマスターしたそうです。見習わないとですね・・・
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夜はハラルレストランにご一緒させていただきました。美味しかったです

敬虔なムスリムの方たちの考え方も垣間みて、とても平和的で自分だけでなく周りの方たちも幸せになるようにとの心がけが素晴らしかったです。インデッソ社は農家からのパチューリやヴェティバーなどの特定な香料原料植物の買い上げに関して、最低価格を保証しているそうです。農業に携わっている方たちの生活を保障しなければ天然香料の供給も安定せず、モチベーションも上がらないからだそうです。

リスキナさんはナツメグ農場の指導に携わり、特定な面積に対して1本のナツメグの木を植えることにより、収穫量を増やし病気を防ぐことがわかっています。でも実際は密生させて育てているところが多く、間引くことを勧めるのですが、お爺さんの代から大切にしている木を切ることはできないと断られるそうです。私が「じゃあ別のところに移植すれば?」と言うと「いえ、すでに3000ヘクタールもの土地でそう言う状態なんです」それではどこにも持って行けそうもないですね。植物には気候や土壌だけでなく、文化が深く関係しており、それを科学や能率で片付けきれない難しさをお話ししてくれました。

2012年にバリ島やジャワ島の観光客が行かないようなエリアに連れて行ってもらい、農場見学をしましたが、働いている人達は学校にあまり行っていないようでした。少し外で学習する機会があれば、様々な工夫やアップデートも出来そうな雰囲気もありました。そんなところにリスキナさんのような方が協力者として参加して行くと発展していくんだなと納得しました。

フェリさんは帰国後にフレグランスジャーナル社や安部先生にメールを書かれ、皆が親切で大歓迎してくれて、何年も前からの友人のように接してくれたことを感激されておりました。「これからはアジアだ!」の標語でアジアの天然精油原料に注目して、お互いに協力、研究、発展できるといいという1つの方向性が決まり盛り上がっています。
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フェリさんから津野田会長にインデッソ創業者のバイオグラフィーと社史の本を進呈。他にもスパイスティーやフレーバー製品などをお土産にされていました

もうすぐAAC-AAICのウェブサイトができあがりますので、またお知らせします。精油の重要な部分を占めるスパイスや熱帯地方の植物、パチューリ、カユプテ、レモングラス、ヴェティバー、ジンジャーなどインドネシアの植物はその文化と共にとっても魅力的です。
by lsajapan | 2017-04-29 10:38 | 近況報告
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