<72> 結縁灌頂

結縁灌頂(けちえんかんじょう)・・・・これは一体何のことだか全く知りませんでした。今年の秋までは。でも去年、クリストファー・ワーノック先生と芳垣先生が言っていたような気がしていました・・・・年に数日しか行なっていない密教の儀式らしいのです。

この秋はネリー・グロジャン博士の通訳として、ホテルのスパや製品の販売をしている方たちのためのセミナーなど、大阪にて務めさせていただくことになりました。そしてスケジュールによると、その後少し自由な日程があるとのことで、久々の二人での旅行を企画しようかなと思い、調べることしばし。突然思い立ち「すでに高野山は行ったことある?」とネリーのメールで聞くと「行ったことない。とっても興味あり」との返事。高野山は真言宗の聖地である標高1000メートル程の山々の総称で、レクリエーション施設もなく、宿坊では朝早くから起きて勤行に参加しなくちゃならないし、スリッパをポイポイ脱いでおくと怒られてしまうらしいし、トイレもお風呂も専用ではないところも多く、それにワインなんか出て来ないんだから・・・詳しく説明して大阪から1時間程で行けること、門限がある宿坊に泊まることなど説明すると「パーフェクト!楽しみにしてるからね」と安易な返事。大丈夫かな〜?
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大阪での仕事はとてもやりがいがあり、スパのセラピストの方々も1年半前に開業前のトレーニングに伺って以来でしたが、皆とてもやる気に溢れ、質問などが多く出て活気のあるセミナーになりました。夜のセミナーもたくさんの方が集まり、デトックスの方法、エネルギーの涸渇した人のためのトリートメントや食事のアドバイスなどを指導しました。宿泊先のセントレジスホテルはとても素敵で、12階にロビーやレセプション、日本庭園があり、とても静かでプライベートな空間を楽しめます。後で知ったのですが、一部屋7万円からだそうです・・・・
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次の日は高野山に午後出かけ、宿坊だけ予約して、あとは駅で聞いたりして何とか高野山に上るケーブルカーが出ている極楽橋駅までやって来ました。すごい勾配にあるケーブルカーに乗り込むと顔ぶれがあまりにインターナショナルでさすがという感じです。出発するとすぐに高野山について説明のアナウンスが日本語で流れ、次は何とフランス語でのアナウンス。ネリーは大喜びで「ここって世界遺産に登録されているのね!」言わなかったっけ。すみません。
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予約していた宿坊に着くと「明日から3日間、金剛界結縁灌頂を伽藍で開壇しています。今日は奥の院でお坊さんが集まって7時から萬灯会がありますよ。参加されてはいかがですか?」そのとき始めて結縁灌頂の日程を知り、偶然にも年間6日しかない、その日程に高野山に来た偶然に驚き、奥の院の萬灯会にも行こうとネリーと盛り上がります。でも外を見て「暗くありませんか?」「大丈夫。足元は照らされていますし、他の人達も歩いていますよ」とのことで、夕食を6時から予約していたので、早めに済ませて,歩いて30〜40分かかると言う奥の院へ出発。

真っ暗です・・・・もちろん少しは明かりはありますが、参道近くには民家はないようです。おまけに参道に入ってから思い出したのですが、高野山に行った方が奥の院までの肝試しをしたという話があり、何のことだと思っていたら・・・・・コワ〜イのです。奥の院までの長い道のりの参道の両側は迫力のある昔からのお墓だけ。ホーホーやカーカーの鳥の声が響くだけで、あとは徳川家康から松下幸之助までありとあらゆる名士のお墓、お墓、お墓・・・・大変なところに来てしまったと感じ、怯んでしまいました。(写真を撮る勇気もなかったので「高野山奥の院」で検索して下さい)

私「怖くないの?やめる?」ネリー「怖くなんかなーい!怖いのはあなたの頭の中だけ。アヤコ」私「変な人が出て来て危ない目に遭わないかしら?」ネリー「そんなカルマは私たちにはなーい!」相変わらずすごい豪傑。でも、ネリー「ちょっと疲れちゃったから、帰りはタクシー呼んでくれる?」私「ここは参道で、車も入れないのでタクシーは呼べないよ」そんなやり取りをしている間に通り過ぎた人は数える程。誰もいないんじゃないのかしら?私たちは二度と戻って来れないのでは?ここはどこ?このぐらい怖いです。暗くなってからは奥の院に行くのは覚悟しましょう。3人以上だったら大丈夫かな?でも奥の院に着くと、たくさんのお坊さんたちがすでにお経を読み始め、50人くらいの方が見守っておりました。若いお坊さんもたくさんおり、エネルギーに満ちた萬灯会でした。
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帰りは宿坊の門限に遅れないように少し早めに出て来たので、また誰〜もいない両側お墓の参道を脇目も振らず(脇目を振ると何かを見てしまいそうで無理)一目散に宿坊に戻りました。不思議と帰りの方が早く感じられ、ネリーも「タクシーないの〜?」の連発でしたが、無事到着。私たちがギリギリに戻り、その数十分後に表門をお坊さんが静かに閉めている音が聞こえました。ありがとうございます。

次の日は結縁灌頂に参加する前に朝の勤行に参加して、お坊さんが上げ膳据え膳して下さる朝食(何て贅沢な経験)を終えて、伽藍の金堂へ。ここでも感動してしまったのですが、英語の達者なお坊さんが常にいて説明をしてくれたり、質問に答えてくれたりします。さらにお坊さんたちがとてもハンサムでびっくりします。そう言えば美坊主図鑑ってあるんですよね。
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結縁灌頂とは目隠しをして仏様の世界を表す曼荼羅の上で花を投げ、その花の落ちたところの仏様と縁を結ばせて(結縁)いただくことです。その後、阿闍梨様から大日如来の智慧の水を頭の頂より注いでいただき(灌頂)元々私たちの心に備わっている仏心と智慧を導き開く儀式です。最初にお経を阿闍梨様と一緒にしばらくの間一心に唱え、ムドラーを教えていただき、その後、目隠しをされて指に花(または葉)を持たされ、導かれたところで花を落とすとどの仏様と縁を結んだかを教えてもらいます。儀式のすべてを終えるのに1時間半程かかります。偶然に参加できたのですが、とてもよい経験になりました。高野山はある意味、日常とはかけ離れた特別な場所ですね。(奥の院は一の橋より先は人間の世界ではないそうです。)

始めて手に入れた御朱印帳は、伽藍中門再建に使用した檜の材木の残りで作ったものです。香りが良く、軽く、特別な感じがします。そしてさらに書いていただく字がとても美しく、うっとりします。見るだけで惹き付けられるような字を書けるといいなと思いました。

高野山ではトレッキングから瞑想までいろいろなことができるようで、後ろ髪を引かれます。でも明日からのセミナーもあることだし、夕方の新幹線で東京に帰る予約もあるので、数珠や草履をたくさん買い集めるネリーを何とか諭して下界に降りる(という気分)ことにしました。またゆっくりと時間を取って真言密教の世界に触れるために高野山に登りたいです。
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お坊さんが二人の写真を撮ってくれ「ハイ、ボーズ!」と言っておりました。思わず逆撮りしてしまいました。

今年は後半、国内、海外と移動することが多く、ブログが滞りがちでしたが、来年にも少しずつキャッチアップして行こうと思います。今年もどうもお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。皆様よいお年をお迎え下さい。
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by lsajapan | 2014-12-28 23:12 | インスピレーション
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