<71> マダガスカルにて その3

丸3ヶ月ブログの更新が途絶えてしまいました。その間に1ヶ月がかりで父の引越しを手伝い(弟の家族と同居することになり心から安心してます)サンフランシスコに行き、6人の海外からのお客様を迎え、北海道や大阪など3回の国内出張をこなしました。ネリー・グロジャン博士やカート・シュナウベルト博士もこの6人の中に入っており、セミナーの様子など順次紹介して行きます。

まずはもうずいぶん前の感じですが、マダガスカルの残りをまとめてみます。

<ラヴェンサラとラヴィンツァラ>
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ラヴィンツァラ(Ravintsara)は数年前までは、ラベンサラRavensara aromaticaだと思われていた植物ですが、実はCinnamomum camphora CTcineolで,マダガスカルの固有種です。マダガスカル語のラヴィンツァラはRavintsara、フランス語のラベンサラはRavensareこの何とも似ている発音が、間違いのもとだったのでしょう。現地の人々は“ラヴェンサラ”と“ラヴィンツァラ”と明確に呼び分けています。ラヴィンツァラは主に栽培種のCinnamomum camphora CTcineolです。一方ではRavensara aromaticaは野生種として4種類存在します。その中でもアニサータ種はRavensara anisataという別の学名が付けられています。樹木の大きさも野生種がずっと大きく育ちます。

ラヴィンツァラを栽培している農場では、アフリカでも赤道からは随分と離れた南側に位置し、標高も高いので、冬の夜には摂氏2度まで下がる低温となります。たくさんの黒いホースが農地の地表のあちこちに置かれ、寒い季節はそのホースの中に温かいお湯を流して大地を温めるというプリミティブな方法で寒害を防ぎます。実際に栽培種のラヴィンツァラは2メートル程の樹高で小ぶりに仕立ててあり、あまり大きくさせないことにより良質のエッセンシャルオイルを得ることができるそうです。4年以上たった1本の木からは年間5キロの葉を2回のシーズンに分けて収穫します。
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ガスも電気も安定供給されていないので、松の材木を燃やして蒸留します。レンガ産業が発達しているマダガスカルでは、蒸留釜もレンガでできています。1回に200~250キロの葉を3時間かけて蒸留し、採油量は1%程です。この蒸留所では、年間50トンの葉を蒸留し100キロのエッセンシャルオイルを抽出します。抽出した後は8日間程置いておき、香りを落ち着かせてから出荷します。

フランス、エジプト、ドイツ、アメリカでも出会った熟練の蒸留技術者たちが、ここマダガスカルにもいて、経験と敏感な鼻を駆使して気候状態やその時の葉の状態から判断して蒸留釜に入れる水の量、温度、火加減、蒸留をやめるタイミングなどを決めます。

<ジンジャーのバリエーション> 
ジンジャーと言えば私たちがなじみ深いものですが、最も世界中に普及しているスパイスと言えます。マダガスカルでも各種ジンジャーを蒸留しており、Mannora Penitra Associationのジンジャー蒸留所にて視察することができました。ここではシャネル社にジンジャーオイルを収めているそうですが、元はL'Occitaneの創設者であるOlivier Baussanが管理していたということです。現在はNGOを作っています。
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標高600〜800メートルの土地で、有機栽培で育てられたジンジャーは簡易ジューサーのような機械で粉砕され、水と混ぜた状態で蒸留器に入れられます。7時間かけて蒸留し、0.3%程の採油率です。蒸留のための薪はユーカリプタスの材木だそうです。ユーカリプタスはマダガスカルでも豊富で、ユーカリの炭も作っています。ユーカリにはアルカロイドが強く、周りに他の植物が育たないので状況によっては、薪や炭に使われます。

ここではジンジャーの根だけでなく葉も蒸留しています。これは別の種類のジンジャー(Hedychium coronarium, Hedychium flavum, Aframomum angustifoliaなど)から抽出されます。調べてみると薬として使用したり、香水や化粧品への添加、昆虫忌避、抗感染、抗真菌のためにも使用されます。他に現地ではタムタムと呼ばれるターメリックも栽培し、蒸留しています。ジジンジャーよりも精油の収率がよく、スキンケア製品にも使用されています。

普段なかなか見ることのできない植物をじっくり観察することができ、素晴らしい自然の中、楽しく過ごすことができました。マダガスカルは世界でも最貧国の1つと言われていますが、豊かな自然の中で人々がのんびりと暮らしている姿が印象的でした。マラリアの心配や交通手段の整備などの問題もあり、決して気軽に行ける場所ではありませんが、魅力的な国であるのは間違いなく、次回はさらに足を伸ばしてヴァニラプランテーション、バオバブ、カメレオン、キツネザルなどの観察もしてみたくなりました。
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Matthewが描いてくれたカメレオン
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ピエール・フランコム氏と・・・フランコム氏はノシベの行き帰り2回スーツケ−スが紛失していて大変だったようです
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by lsajapan | 2014-11-06 21:08 | 海外にて
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