<32> 2011新年、ダヴィンチ、キフィ

あけましておめでとうございます。皆様にたくさんの幸せと発展がありますように・・・今年もよろしくお願いします。

まだまだ大掃除の途中なのに年が明けてしまいました。とりあえず三が日のお掃除は福が逃げないようにやめておいて、家族皆でおせち料理(母が全て作ってくれます・・・感謝しております)を堪能し、賞賛しつつ楽しんでいました。実はまだ終わっていない仕事もあり、お正月早々フライング気味に仕事に入っているのですが、それでも日比谷のダヴィンチ展に出かけて来ました。モナリザは一時ナポレオンのバスルームに飾ってあったり、誰かが石を投げつけたり、酸をかけられたりと散々なめにあっているんですね。鼻の横にある“できもの”も実はアクシデントによるものだそうです。指はまだ完成していない部分があったり、偽物騒ぎなど謎に包まれているのは周知の通りですが、赤外線を当ててみたりしていろいろな現代の分析法で理解が進んでいることがわかりました。彼のスケッチや筆跡を見ても、どのくらい繊細で器用な方か容易に想像できます。

心に残ったダヴィンチの言葉に「人は3種類に分類できる:見る人、見せられれば見る人、見ない人がいる」これは日本語と英語で書かれていて「見る」は“see”で「理解する」とも取れるので、もう一つの解釈は「理解する人、説明されれば理解する人、理解しない人」ともとれて、何とも深いメッセージとなりました。広い見解を持っていろいろなことを見聞きして、そして与えられたものをそのまま鵜呑みにせずに角度を変えて検討しつつ、理解を深めて行きたいと思います。これは今年のNew Year’s Resolution にしてみようかな?

ところでキフィ(Kyphi) を作ってみました。ディオスコリデスのレシピにできるだけ近づけて、赤ワインにレーズンを浸し、2週間。新月の夜にブレンドをしてみました。これも伝統的な製法のようです。フランキンセンスはドバイで買って来たオマーン産の上級品でミルラと一緒にしてひたすら乳鉢で粉状にします。ジュニパーベリーやサフラン、オリスルート、シナモン、シダー、判別不明の植物もありますが、できるだけ正確に再現するために努力しました。最後のつなぎにはエジプトの有機農場で養蜂をしていて、そこの蜂蜜を買って来たのがまだあったので使いました。
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古代エジプトを代表する薫香であるキフィは油を使わないブレンドで、当時では画期的なものでした。最初は神への捧げものとして神殿で焚かれましたが、次第に家で使用されるようになりました。後には害虫やネズミ退治にも役に立ち、人間の感情に働きかけることもわかりました。プルタルコスの記述によると古代エジプトの神官は夜明けと共にフランキンセンスを焚き、日中はミルラを、そして日没にはキフィを焚いたそうです。キフィは16種類の材料をブレンドしたものだそうですが、7世紀の医師ポール・アエジナによると28種類の材料で作ったルナー・キフィ(月のキフィ)と36種類の材料で作ったソーラー・キフィ(太陽のキフィ)があるそうです・・・古代エジプトの詩を紹介しましょう。

Kyphi can rock a person to sleep,
Create pleasant dreams and chase away the troubles of the day.
Burning Kyphi in the evening is sure to bring the gift of peace and quiet.

キフィは人を優しく揺らして眠らせる
よい夢を見せてくれて、その日のトラブルを追い払う
夜キフィを焚くと必ずしや平和と静けさをもたらしてくれる

香炭の上で焚くとレーズンのバーベキューみたいな香りになってしまうので、炭を半分ほど灰に埋めてその上で空薫きにします。多分実際はペースト状にしたまま壷に入れて保管していたのではと思います。現在でもそのような形態の薫香(半生状?少し湿った感じ)をエジプトやドバイで見かけました。かなりきつい合成香料の香りでしたが・・・ 私は日本古来の練り香または梅香とも呼ばれる丸薬型に丸めてみました。これを壷の中で保存し、しばらくして香りを確かめてみて嫌な香りにならなければ成功だそうです。もうすぐ再び新月ですがとってもいい香りです。熟成させればさせるほどよい香りになるそうです。現代のお香とは違う感じで異国情緒豊かな香りです。古代エジプト人たちが日常的に焚いていたと思うと感無量、悠久の昔に思いをはせてしまいます。
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     卵形にまとめるという意見もありましたが・・・・
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by lsajapan | 2011-01-04 03:02 | インスピレーション
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