<5> 南仏プロヴァンスにて・・・その2


ある夜、グロジャン博士が「アヤコ!こっちに来てごらん」と庭とは反対側のラヴェンダー畑の方へ行こうと言うのです。あちら側は明かりもなく11時にもなるとさすがに夏でも真っ暗で何も見えません。「やだ、こんなんじゃ何にも見えないし転んだら怖いから庭にもどりましょう」と言うと「もう少し待って・・・・目が慣れてくるのよ」とさとされて、しばらくすると本当に驚くほどいろいろなものが真っ暗なのに見えて来ます。まるで自分が野生動物にでもなった気分でした。こんな経験子供の時にしたっけ・・・・?しばし子供時代にフラッシュバックしているとグロジャン博士は「ほら・・・星もよく見えるでしょ?ノルトラダムスはこの星を見て未来を予言したのよ」「え?ノストラダムス!?」「そう、彼は隣の村に住んでたのよ」と感動の会話は続きます。ちなみにグロジャン博士の博物館/ご自宅のあるのはグラヴゾンというアヴィニヨンの近くの村で、ノストラダムスはサン=レミという村にいたそうです。

このあたりでは多くの建物が14世紀のもので、アヴィニヨンに教皇庁ができ、さらにキリスト教の勢力が広まって来てたくさんの教会や修道院が建てられた時期だそうです。グロジャン博士の博物館も14世紀の修道院跡で、ご自宅は修道院のワイン貯蔵庫だったそうです。リビングルームのイタリアのピザ釜のような暖炉は、実は修道女たちが毎日パンを焼いていたかまどだそうです。700年前にはここでどんな生活が営まれていたのでしょう?瞑想をしてみると静かな祈りのエネルギーが感じられます。

一緒にワークショップをしている親友のシルヴァン(彼はフレンチ・カナディアンです)は大学で宗教学を専攻したこともあり、このへんはかなり詳しく「日々の糧のために修道士や修道女たちは熱心に祈りを捧げたもので、パンを焼くかまどのところで祈りのエネルギーが感じられることは至って自然なこと」とのコメントをもらい、なるほどと思いました。一方グロジャン博士は大らかにサーモンから紙くずまでそのかまどで焼いてます(!)

ちなみにグロジャン博士の考えでは炭水化物の取り過ぎは愚鈍な人間を作り出すということで、パンやパスタは御法度で、食事は山ほどの生野菜、キヌア、チックピーズ(ヒヨコマメ)のペースト、ヒマワリの種などのナッツ類、オリーブ、豊富な生のフルーツとハイドルソル入りの水が主なものです。もちろんすべてが有機農法で育てられたものです。そして有機ワインを少々・・・実はグロジャン博士のお母様のイレーヌさんはさらに厳しい自然療法士なので、ワインも許さないそうです。だからワインの隠し場所があり、離れの秘密の場所にせっせとワインを取りに今夜も誰かが往復することになります。

8割をローフード(調理していない生の食物)にするのがグロジャン博士の食事療法で、火を使わない物が多いので調理時間が少なくて済むので楽ではあります。でもよく噛まなくてはならないこと、ファイバーが多いので消化不良になることもあるので気をつけなくてはなりません。でも調理済みの食べ物ばかり食べていると、消化器が鈍っていくそうです。火を通した食べ物は基本的に病気の人や赤ちゃんのためのもので、健康な人たちは酵素を取り入れるためにも生の食べ物をもっと食べるべきですし、それによって老化を防ぎ若く健康でいることができるという考えです。グロジャン博士は完全なビーガンではなく、時にはおいしいチーズを食べたり、お刺身を楽しんだりします。でもそのようなときも楽しんで食事をするのが大前提です。罪悪感を持ったりせず、たまには掟破りをするのも可です。

夜は時々グロジャン博士のミュージシャンの友人たちを招いて、夕食を庭で楽しみながら過ごします。珍しい楽器(Cajonカホン、椅子型ドラム)を繰るジャキートとスパニッシュギターをファブリスが奏でて、踊ったり歌ったり、時には静かに耳を傾けて深夜まで楽しく過ごします。そう言えばヨガの基本哲学をインド人の先生から学んだ時に「1日に音楽を奏でるか静かに音楽を聴く時間、そして神様のことを考える時間を持つこと」と教わりました。こうやって仕事から少し離れて自然に任せて過ごしていると、いろいろなことがつながって行き、リフレッシュすることができます。こういう時間、大切ですよね。

(写真は法律家のジャン・ルイ氏と地元の有名なル・ビストロ・ドゥ・パラドゥの前で)
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by lsajapan | 2009-04-30 18:28 | 海外にて
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