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<154> 圧搾法について

今日からロタンシエルのスプリングセールが始まります。痛みに対する効果が認められている様々な精油を紹介していますので、興味のある方は一読してください。また3月30日に「わかりやすい痛みに対応するアロマテラピー」のセミナをします。録画受講OKですし、オンタイム受講された方も2週間録画受講可です。痛みのメカニズムや関連する生体物質や酵素などをわかりやすく説明し、効果的な精油についてフランス式とドイツ式のアロマテラピーを中心として紹介します。
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今回のセールではイタリアのカラブリア地方からのスフマトリーチェによるレモン精油が出ていますが、知っているようで詳しく知らない圧搾法について少しまとめてみようと思います。一言で圧搾法と言っても種類があり、同じ素材でも圧搾法の違いで精油成分に差が出ます。
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ペラトリーチェ(エキュエル法):針のついたローラーの上に果実を通してフラベド(果皮)に穴を開ける方法で、最も採油率が高い。精油を採った後に果肉を搾る。ただし、穴が深く開くので香りが草のようなグリーンノートが強めになる。これはクロロフィルが入るからです。酸化物類とカルボニル化合物(カルボニル基を持つ化合物、ケトン類とアルデヒド類)、クマリン、ソラレンが多くなり、モノテルペン炭化水素の割合が減ります。
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スフマトリーチェ(スクィ-ズ法、さらに昔はスポンジ法):果汁を取り除いてから果皮を搾る方法で、精油はこちらが一番クオリティーが良い。精油の香りが繊細でフレッシュ。機械の価格も高く、採油率はペラトリーチェよりも悪いけれども、精油価格は他のものよりも高い。ベルガモットに関しては果汁よりも精油がはるかに価値があるので、スフマトリーチェは行われていません。
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FMC(インライン法):一番多く使用されている果汁と果実を同時に採取する方法。ペラトリーチェとスフマトリーチェの間の良い”妥協点”だそうです。スフマトリーチェと同じくらいの割合のカルボニル化合物を含みます。

Torchi法:スフマトリーチェ法で圧搾した果皮(残渣)から精油をさらに圧搾して抽出する方法。抽出された精油も”Torchi”と呼ばれる。この方法で採れた精油は成分的に他の方法でとれた精油とは違うので単体では販売せず、他の機械で圧搾した精油にブレンドされる。カルボニル化合物とアルコールは少ないです。

手短にまとめてみましたが、参考にしてください!




# by lsajapan | 2024-03-15 17:40 | 精油について

<153> 今年もよろしくお願いします

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駐日オマーン·スルタン国特命全権大使 モハメッド·サイード·アル·ブサイディ博士のレクチャー

2024年の幕開けに地震や事故があり、12月に日本に一時帰国してセミナーを様々な場所でさせていただいたことが遠い昔のように感じます。2週間の滞在中の前半はオマーン大使館での70名もの方がいらっしゃって下さったフランキンセンスのセミナーから始まり、その後にビオパルファンやPEOTコースの授業を4枠しました。ZOOMで教えてきた生徒に初めて直接お会いできたり、久しぶりにお会いする方もいらっしゃり、とても嬉しかったです。ありがとうございました。

オマーン大使館ではアル・ブサイディ大使が直々に1時間に渡りオマーンを紹介してくださり、私が通訳をさせていただきました。オマーンはとても平和な国で(外務省のウェブサイトでは日本と同じレベルの安全性です)皆が平等であるという認識を持ち、女性の社会進出をサポートし、大学の進学率が女性の方が高いということも興味深かったです。オマーンは砂漠の国ではなく、国土の半分は海に面しているので昔はシンドバッドの大冒険、現代では海洋生物学(マリンバイオロジー)の研究が進んでいます。日本にも輸出している農産物も豊かで自然に恵まれていることや、インフラの充実に努め道路の整備などは驚くばかりです。入館の際にはローズウォーターを一人ずつ手に落とし、フランキンセンスの良い香りでお迎えしました。大使館が用意して下さったアラビアンコーヒーとデーツを大使のレクチャーの後にいただき、暫し談笑を楽しみ、その後は私の「オマーン産フランキンセンスの歴史、産地、特性」についてのお話をしました。現地に出向いて初めて知ったことなどをお話しさせていただき、お帰りの際にはアガーウッド(沈香)の精油を主体として作成した香油を1滴ずつ皆様の掌に落とし、香りを楽しんでいただきました。これがアラビア式お開きの合図だそうです。そして私が大切に保管していたホジャリを少量ずつ全員にお土産としてお渡ししました。皆様とても喜んでくださり、まだまだ未知のオマーンの紹介にもなり、1年後くらいにオマーンツアーを企画しているので再びご一緒できるといいです。

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大使館で用意していただいたドファール地方のフランキンセンスバーナー。なぜか香りがさらに良く感じました
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いつもサポートしてくださるスタッフの皆様ありがとうございます!

後半は、ネリー・グロジャン博士の通訳をして東京と大阪で3つのセミナーに同行させていただきました。その中の1つが羽田空港のJALのセミナー会場で行い、50名ものフライトアテンダントを始めとする関係者の皆様が参加されました。その上ZOOMでも配信をするのにあたり、手話通訳者が私の隣に座られて、ネリーの強いフランス語訛りの英語を私が通訳し、そこから手話通訳するという、2重の通訳をするというパターンもありました。他に東京と大阪で80名、180名のセミナーがあり満員御礼。皆様とても熱心で本当に素晴らしい経験でした。

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ネリーと代理店の嶋谷社長と一緒に。本社オフィスの素敵な手作りのウォールプランターの前で
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重要なミーティングもありました

全ての日程が終わり、ネリーと一緒に京都に行って大徳寺に2泊お邪魔させていただきました。錦市場に行ったり、松栄堂の展示を見たり、楽しく過ごしました。ネリーは買い物し過ぎで「シェルパみたいだ〜苦しい〜」と言いながら(もちろん私も荷物を分担して持ちましたが)鰻の蒲焼きやオイスタースタンドで買い食いしたり、七味唐辛子の店で爆買いしたり、相変わらずの豪快さでした。でも元気で何より。一生懸命仕事をして、仲良しの人たちと分かち合えるのはとても幸せです。
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一生忘れられないくらい胸いっぱいの思い出です。朝5:30からの座禅に2日参加させていただきました。



# by lsajapan | 2024-01-07 04:52 | 近況報告

<152> フレグランスジャーナル社のことなど

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フレグランスジャーナル社が書籍販売を終了し、たくさんの重要な本が販売終了となりました。Amazonでも表示が変わり、中古品の価格のみが表示されるようになりました。従って私の過去に出版した訳本を含めた6冊が販売終了ということになります。今後はどのようにしたらよいか、よく考えた結果、自著は電子書籍として出版しようかと考えております。「アロマティック・アルケミー」はIFAコースの教科書の一部なので、ある程度在庫をまとめ買いしておきました。そしてシュナウベルト博士の「精油のヒーリング・インテリジェンス」は良書であり、苦労して訳した本なので50冊買い取ることにしました。今後、LSA Japanのショップサイトで定価で販売していこうと思います。アロマテラピストとして活動し始めた90年代前半より「アロマトピア」は常に良い情報が充実した、日本のアロマテラピーを支えて来た専門誌だと思います。最終号にメッセージ「これからのアロマテラピー」を書かせていただきましたが、思い残すことはいっぱいです。
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スモモのあとはチェリー、ペアー、ピーチ、その次にリンゴです
5本のリンゴの木があり、さんざん摘果してもこれ
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こちらはグリーンアップル
結局食べきれないので毎年お裾分けとフードバンクへの寄付です

でも日本のアロマテラピーが縮小していくとは全く考えておらず、一つの時代から新しい時代へと考えれば良いと思うようになりました。LSA Japanにも若い世代が入学されて、息子と同じ歳の生徒がいたり、不思議な感じを覚えます。最初に学校を始めた時は、私よりも20歳くらい上の方も教えなくてはならず、配慮に苦労したことがありますが、最近は随分その点は楽になってきました。また、26年もしていると自信もでき、様々な知識も蓄積して(もちろん改訂や情報更新が常にありますが)より良いカリキュラムになっていることを感じています。
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スクールオブトラディショナルアストロロジーの今年の修了証です・・・嬉しい!
ネイティブの生徒たちの間でも難関なコースで有名です

去年はティスランド・インスティテュートの「アロマダーマトロジー」の1年コースを修了しました。たくさんの情報を消化吸収して、IFAのコースに反映させています。そして昨年に引き続き今年は英国STA(スクール・オブ・トラディショナル・アストロロジー)のホラリーアストロロジーコース(主任講師はデボラ・ホールディング氏)を修了しました。昨年はメディカルアストロロジーコース(主任講師はリー・レイマン氏)を修了して、どちらも毎週授業があり6ヶ月で毎週の読書量がハンパなく多く、さらに毎週テストがあり、成績が80%以上でないと卒業できないという強烈なハードスケジュールを仕事と共にこなしました。さんざんホラリーは勉強したとは言え、もっと奥深い情報に触れ圧倒されました。ルネサンス時代のイタリアの書籍を現代英語訳したものも含まれており、いくらでも情報にアクセスさせてくれ、速読ができなければ取り残されるような勢いでした。私は速読どころか英語のネイティブと比較して、読書のスピードは3倍の時間がかかると思うので苦労しましたが、それでも得たものは何物にも変え難く、素晴らしい時間を過ごすことができました。オンタイムでは必死すぎたので、もう一度全て復習しようと思います。

デボラ・ホールディング氏の優しい気遣い、温かいお人柄に触れ、個別に質問しても一晩で詳しい詳しい返事が帰ってくるし、とても刺激されました。リー・レイマン氏はハードな雰囲気があるのですが、大きな心を持っている方だと思いました。コメントは短かめだけれど、そこに思いやりがこもっているのがわかり、古代ギリシャ語用語が多い中、何とかクリアでき、修了者だけが招待されるコースにも誘ってくださいました。来年参加しようかと思います。数枚ものチャートを読む宿題の時、長々と結論に至る要因を説明した後、最後に明確に結論を書いたところ「占術はきちんと結論を言ってあげるのが重要。ちゃんとできてるね。よろしい!」だけですが満点くれました。涙・・・
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ヴェガとキャラはいっつも一緒
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本当によく眠ります。うちに来てもうすぐ1年。1歳3ヶ月 
毎日ブラッシングしてあげるとゴロゴロです
ちなみに英語では猫のゴロゴロは"purr"です

# by lsajapan | 2023-10-04 14:17 | 近況報告

<151> Bio Parfum©︎ 精油セット限定発売

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暑中お見舞い申し上げます。日本はとても暑いと聞いています。でもこちらでも世界中、熱波が来ていると日々ニュースで大騒ぎになっています。私たちの住むソノマカウンティーの夏は、朝晩は冷たい海風の影響で霧が発生し(サンフランシスコ郊外ですから当然)15度くらい。昼は乾燥して強い日差しで30度超える日も多いですが、家の中は涼しく温度計をみても74F(23度)くらいです。冷房は使う必要がなく楽です。その分乾燥しているので山火事の恐れは常にあり、夏場3~4か月雨が降らないのは当たり前のことです。この春まで多過ぎた雨はどこへ行ったか、庭はスプリンクラーを使っているフロントヤードとドリップ・イリゲーション(灌漑設備)をしているところ以外はほとんど緑がなくなっています。小石を敷き詰めたり、人工芝にする人もいるみたいですが、私たちは考え中です。

カリフォルニア大学の活動の一部で、マスター・ガーデナー・プログラムというのがあるのですが、ボランティアの方々が希望によってアドバイスに来てくれるというシステムで、先週70代くらいの2人のマスター・ガーデナーが家にいらして(マンダリンオレンジのエレクトリック・ムスタングに乗って来ました)いろいろと教えてくれました。イリゲーションのホースの太さが間違っていたり、補水する場所が間違えていたり、剪定の方法やコツやどんな植物がどこに植えるといいかなど、お庭にパティオ用の椅子とテーブルを運んで、4人で楽しくお話ししました。90分目安で無料でアドバイスしてもらえ、素晴らしいです。そして大学側の目的はやはり水の節約と火事の予防、そしてより良い環境づくりということでしょうか。1ヶ月待ちでしたが、やる気が出ました。
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近所のお家のスモークトゥリーです。こんな綺麗なピンクの種類は初めて見ました

ところで、LSA Japanではイタリアの個人天然精油マニア、フランスのグラースの老舗香料会社の天然香料を一部入れた、最も手に入りにくいアブソリュートとエッセンシャルオイルの21種コレクションを20セット限定で発売しています。実はあと数セットになってしまいましたが、売れ行きを見て時々オファーができたらいいなと思っています。天然精油を使ったフレグランスを学ぶビオパルファンコースでは様々な香りのフォーミュレーションの研究を紹介していますが、素材が手に入りにくいとの声が高く、色々と調べていました。今年ついにある程度のコレクションができると確認し、サンプルを取り寄せては吟味してを繰り返していました。コレクションをリンクよりご覧ください。



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ジュネです。英語だとスコッチブルーム

苦労話が多々あり、良いと思ったところの精油がバルクで取り寄せたらダメで1ヶ月の交渉の後に返金してもらった・・・なんてこともあるくらい、私にとっても新しい分野の天然精油探しでした。ジュネ(ブルーム)やレッドチャンパカ、チュベローズ、リンデンアブソリュート、オークモス、トンカビーン、ホワイトペッパー、オールスパイス、オポポナクスなどリンクのページの下に一覧表があります。ご覧ください。偽和されているものが多い中、苦労して探したものばかりです。この先安定供給できるかどうかわからないものもあり、冷暗所で保存すれば5年ほど持ちますのでお勧めです。
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レッドチャンパカです。フルーティーでジャスミンともロータスとも違う香り

使用法は2ml入りのものは基本的に90度エタノールに5%希釈(全て重量で計算します)、1ml入りのものは1%希釈で調香に使用します。使用するのもごく少量で香りの影響が出るので、長く使用できます。
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チュべローズです。香料用のチュベローズは本来一重ですが、どちらも香りは夕方から夜にかけて強くなります

ビオパルファンコースは現在、基本コース、通信教育、インストラクターコースと展開しています。録画受講を併用すればいつからでも受講できます。

今までのアロマテラピーの世界では見えて来なかった、深い香りの分野を学ぶことができます。各々の精油の香りもより深く知ることができます。ラベンダー1つでもイギリス本校のクラスで勉強していた時、イギリス人のクラスメイトたちが口を揃えて「おばあちゃんの匂い」と言ったのを聞き驚き、ゲランの「ジッキー」が発売当時は女性には人気がなく、男性に受け入れられたのは多分ラヴェンダーが入っていたからだろう・・・という話や、トゥルーラヴェンダーよりもラヴァンジンの方が現代的な香りとして調香されるという事など、多角的に見ることができます。
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リンデンはやっと見つけたアブソリュートはグリーンノートとハニーノートが混在した濃い香り

香りの世界は見果てぬ夢のように、延々と多くの物語を語ってくれます。そしてもっと世界の歴史や風土、人々の考え方や行ってきたことに触れることができ、学ぶことは多いです。今住んでいる北カリフォルニアでは日本では育てにくい植物が元気に育ち、雑草も木も違うタイプなので日々驚きと学びの連続です。ビオパルファンコースもまだまだ開拓できる余地があり、日々研究、勉強、リサーチしています!


# by lsajapan | 2023-07-31 02:46 | ニュープロダクツ紹介

<150> カリフォルニアの雨とビオパルファン

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ここのところ1か月ほど、カリフォルニアは雨季のように雨が降ります。こんなに雨の日が続くのは初めてで、標高の高い所では雪が積もって大騒ぎになっています。カリフォルニアは基本的に雨が少なくて温暖な天気が1年を通して続くので雨や雪に関する対策が甘めです。もちろん毎年雪が降るレイクタホなどは別ですが。
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雨が降りすぎて困ったカリフォルニア州の象徴動物のグリズリーベア
地元の新聞Press Democratより

何が起こるかと言えば、水捌けが悪いところではすぐに浸水するエリアが出てきます。日本のように元々雨が多ければ排水設備が配備されていますが、自然環境が雄大であるだけに、降った雨は自然に任せて川に流れて海へ・・・という感じなので、トラブルが起こるやすいエリアでは土砂崩れ、倒木、浸水などが起こるようです。ニュースでは市の職員たちが排水溝を掃除してたくさん溜まった枯れ葉などを取り除いて、水がちゃんと排水できるようにして大喜びしているのを見て「なんで予め掃除しないの?」とテレビに向かって言ってしまいます。それだけ普通は必要ないんでしょう。後は2年前に兄の敷地でも起こった倒木はすごかったです。雨が降るとこの調子で、あちこちの大木が倒れて家を壊したり車を潰したり、人が亡くなったりもしています。東京の街中の剪定作業があまりに容赦ないので、よくアメリカやカナダの人たちは「切り過ぎ」と言うのですが、安全のためにも必要なことだとこちらに来てわかりました。ここは郊外なので、割と好き放題伸ばしており、雨が降ると大きな枝がどさっと落ちたりします。天候が荒れた後は、ひたすら庭で落ちた枝を集めます。この写真の木は幹がそんなに太くないからまだしも、直径60センチ以上の幹だと高さもあるので、倒れる時に地響きがします。
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少しずつは暖かくなってきていますが、天気の変化がゆっくりなので今は日本の方が気温が高いのではと思います。1月から春の雰囲気になり、花が咲き始めるのですが、私の住むソノマ郡は海にも近いので朝晩の冷え込みがずっと続きます。寒暖差が激しいので、夏は昼間35度くらいあっても朝晩は10度以下になったりします。昨晩から雨が降って、今日は少し晴れてきたのでBABジャパンの雑誌「セラピスト」へ寄稿する記事の写真を撮っていたら、また雨が降ってきました。偶然に撮った写真に虹が写っていました。下の方に字を入れる予定なので、少し加工して貰えば大丈夫かなと考えながら撮ったのですが、虹がきれいに写っていました。後で主人が「ダブルレインボーだったよ!」と言っていましたが、私は1つだけしか見れませんでした。春分の日も過ぎたし、穏やかな春が来るといいです。下の写真はモヒートミント(Mentha X villosa)で、本当のモヒートはこのミントで作るそうです。植えたら大繁殖でやっぱりミントはすご過ぎます。昨年植えた多年草ハーブはみんな元気に葉を出してとっても元気です。
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ローズマリーはたくさん植えており、成長が早く、数年後には精油が取れるくらいの収穫を目指しています。これは匍匐性のもの
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こちらはスィートマージョラム。3年目で株がかなりガッチリしてきました

ビオパルファン講座では、ジャンークロード・エレナ氏の本の"Atlas of Perfumed Botany"から様々な芳香植物についての話を盛り込んでいるのですが、自然の中で植物に密着して生きていないと見えないことがたくさん書いてあり、自分がそれぞれの芳香植物との付き合いで見えてきたことや、こちらに来てから芳香植物を地植えして観察して納得することもたくさんあります。こちらがチュベローズの挿絵。とっても素敵で、一つずつがエルメスのスカーフみたいです。
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こちらはアルテミジアとアブサンの挿絵。アロマテラピーだったらケトン類が多すぎて使用できない精油ではありますが、国によって様々な歴史があり、日本の草餅から中毒性の高かったお酒の話などが書かれています。もぐさとしてお灸に使われたアルテミジアもあり (Artemisia vulgaris)さらにはアブサンにはケモタイプがあるので、ほとんどケトン類が含まれないものもあり複雑です。私もこちらに来てからすぐにArtemisia herba-albaを育て出し、とても美しい銀色の葉に魅了されています。
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実は現在は剪定してあるので、もっと短いですが昨年はこんな感じでした

ビオ・パルファンは商標登録が取得でき、これからもっと充実させて行こうと頑張っています。現在インストラクターコースを開催していますが、皆さんとても熱心でいらっしゃるので、私も本当に張りきって授業の用意に励んでいます。





# by lsajapan | 2023-03-23 14:11 | LSAについて